第429話 新しいメンバー
マコちゃんがダンジョンに潜る様になって順調な7ヵ月が過ぎた。今のところ特に問題無く5人でダンジョンアタック出来ているらしい。
さてマーガレットの方であるが臨月になって、もう何時産気付いてもおかしく無い頃合いである。
なので俺もダンジョンに行かずズッと家に籠もりっきりで、マーガレットと一緒に過ごして居る。
「もう4人目で手慣れた物なんだから、行きたかったら気兼ね無くダンジョンに行って良いのよ?」とマーガレットは言うがそうもいかない。
折角真っ先に我が子に会えるチャンスが在るのに棒に振る気はサラサラ無い。
それにもし難産で何か在ったとしても俺さえ居れば何とかなるかも知れないのだ。これはお守りみたいな物である。母子共に健康で生まれるまでは気を抜けないのだ。
そんな訳で自宅に貼り付いて過ごして居たが、突然陣痛が始まったのだった。我が家のスタッフも4人目となれば手慣れた物で落ち着いて対処をしてくれている。
まあ1人俺だけが廊下でソワソワそている訳だが・・・お産が始まって2時間が過ぎた頃、マーガレットの声が一際大きくなってその直後に赤ん坊のオギャーと泣く可愛い声が聞こえたのであった。
今までに比べても安産だったのではなかろうか?斯くして分娩室に呼ばれて入ったら、おめでとうございます。元気な女の子ですよ。」とスタッフが教えてくれたのだった。
「お疲れ様。」とあかんぼうを抱いているマーガレットに声を掛けて、俺にも抱かして貰ったのだった。
俺の腕の中でスヤスヤと寝ている赤ちゃんとマーガレットにクリーンと回復魔法を掛けてやりつつこの子の名前を頭の中で考える俺、マコちゃんが魔法の子で魔子だったので、この子は・・・・魔法を理解する子で魔理子にするかな。
「マーガレット、この子の名前だがマリコでどうだろうか? 真理子・フォン・オオサワだ。」とマーガレットに意見を求めると賛同してくれたのでマリコちゃんに決定したのであった。
「マリコちゃん、良かったですねぇ~素敵な名前を貰えましたよぉ~。」と優しく言いながらマリコちゃんをあやすマーガレット。
そしてお産の後の休養をさせる為に早めに俺は分娩室から退散したのであった。
マリコちゃんはマーガレットとマコちゃんに似ていて非常に可愛い。きっと将来美人さんになるに違い無い。と思いながらニマニマと廊下を歩いて行くのであった。
産まれてしまえば貴族の家で男親に出来る事なんて殆ど無に等しい。夜の面倒も乳母とスタッフが居るので俺はお呼びでないし帰ってしゃしゃり出たら邪魔なだけである。
なので毎日顔を見に行って抱かせて貰うがそれ以上は邪魔にならない様に只管大人しくして領主の仕事を熟して居たのであった。
マリコちゃんが生まれて1ヵ月が経った頃漸く本来の生活リズムに戻しダンジョンアタックに戻るのであった。
そしてダンジョンの73階層に突入したが魔物は相変わらずドラゴン種の群れとなっていて、これまでの階層よりも群の数が多く連携が上手くてちょっと手強かったりする。
まあそうは言っても飽和攻撃ではなくて20匹前後の群れが一群れずつ攻めて来るのでこれまで通りに対応して行けばちゃんと対応出来ている。
これで複数の群れの混合による大規模飽和攻撃だとしたら、流石にそこまでの対応は不可能なので撤退せざるを得ないだろう。
なのでこれくらいの数でこのペースと言うのが早くも遅くもない実に良いペースと言う事だ。
・・・と油断をしていた訳では無いのだが、73階層を進むに連れて徐々に群れに接敵するペースが上がって来て、前の群れを処理中に次の群れが被ってしまったのだ。
魔装は常にマシマシ状態で潜って居たが、後続の群れからの体当たりを食らって数十m程吹っ飛ばされて一瞬脳震盪を起こして慌ててヒールを掛けて、戦線復帰したのであった。
骨にも内臓にも異常もなく直ぐに戦線復帰出来た為に致命的なミスにはならずその後10分も掛からずに2つの群れを倒す事が出来たがちょっと冷や汗を掻いたのであった。
つい先日小さな子が生まれたばかりである。こんな事でサクっと死んでしまわない様に気を引き締めて行かないといけない。と深く反省する俺だった。
流石にこんな小っ恥ずかしい事を夕食時の話題にする訳にもいかず子供等には適切な時に油断大敵と言う教訓として伝えようと思うのであった。
マリコちゃんはアッと言う間に家族を虜にしてその愛らしさで全員がデレデレになっている。
マコちゃんもダンジョンに行かない日はマリコちゃんの居る部屋に来てはあやしている。
こうしてわがやの新しいメンバーは我が家に溶け込んで行くのであった。
マリコちゃんが生まれて半年が経つ頃になると、這い這いをする様になったマリコちゃんが活発に動き廻る様になる。
どうやらマリコちゃんは生まれながらにして弱いながらにも身体強化を使って居る節がある。
もしかすると、サチちゃんの様に教えなくとも魔法を使える様になるのかも知れない。
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