第428話 マコちゃんのダンジョンデビュー
ダンワースも何とかなったのでこれで憂い無くダンジョンに潜れる様になった訳だ。
子供等に71階層以降のドラゴン三昧を教えてやるとやる気を漲らせていた。週末のみのダンジョンアタックなので当分70階層のボス部屋どころか、60階層台に到達するのさえ、当分厳しそうだが是非とも頑張って欲しい。
ただ1人マコちゃんだけはまだ『魔境の森』なのでご不満の様であった。
確かにマコちゃん、もダンジョンにつれて行けばソロでもある程度の改装まで行けそうなんだけど、流石にソロだと魔力量の問題も在って危険過ぎるのだ。
途中で魔力が枯渇した際にそろでは身を守る事も撤退する事も出来ずに詰んでしまうからな。
特に幼い場合幾ら毎日枯渇まで使用して日々魔力をふやしても絶対的な量が少ないので魔力的に厳しいのは仕方がない。
だから、『魔境の森』程度なら良いとしても本来行き来に時間の掛かるダンジョンの場合非常に不利になるし、『魔境の森』に無い様な飽和攻撃とかされると、ピンチになる。
なのでダンジョンはまだ無理だし、10歳まで我慢した方が良いだろう。
ソロ以外ならまだ考慮の余地があるのだがな・・・。
そんな訳で不満気なマコちゃんには申し訳無いがもう暫くは『魔境の森』で活動して貰う事にしたのであった。
さて俺の方であるが、相変わらず71階層以降を徐々に進んでいるところである。
出て来る魔物は相変わらずドラゴン三昧でマコちゃんに言ったら怒られそうであるが少々食傷気味である。
尤も冒険者ギルド的にもダンワース的にも美味しいのだけれど、これが何時までも続くとは思わない方が良いのかも知れない。
言い換えればドラゴン・バブルか・・・。
しかしこれは俺か俺以外の誰かが台71階層以降を定期的にアタックし続ける限り弾ける事は無い筈である。
出来る限りは俺が潜って先の事は我が家の子達に期待するしかない。かと考えるのであった。
現在ドラゴンの肉も王家に献上したり勿論市場にも流して居るのでその人気は留まる所を知らない。
まあ1匹1匹が大きいので1匹から大量の肉も取れるのでそれ程酷い枯渇状態ではないものの、需要の方が多い状態が続いている。
そこら辺はガラコさんの方で供給量の微妙な調節をして居るのだろう。
そんな訳で今でも領主の仕事をしながら3日に1日だけダンジョンアタックを続けて居るのであった。
数ヶ月が過ぎた頃、マコちゃんがおれの所に直訴してきた。曰くどうしても兄達とダンジョンに行きたいらしい。
既に兄達とは交渉済みで俺の許可さえ在ればOKが出てるのだと言う事だった。
とても7歳とは思えぬ根回しっぷりに驚きつつも皆が納得して居るならと言う事で了承したのであった。
その返事に喜んだマコちゃんはよく週末から元気に兄達と共に初めてのダンジョンに潜るのであった。
コーイチロー達はマコちゃんが加わった事で第10階層のボス部屋をマコちゃんに戦わせてから合流したらしい。
その日先導したコーイチローの話では足手纏いになる事もなくロッテルダム侯爵家兄弟にも可愛がられて終始ご機嫌でダンジョンでも優秀な働きをしていたらしい。
マコちゃんはソロで活動していた期間が長いので、他のみんなよりも索敵に関して秀でて居て戦闘力やスタミナ面のマイナス面を補ってもプラスになる程パーティーに貢献しているらしい。
なる程、置かれた環境によって長所が現れたのだろう。
こうしてややなし崩し的にマコちゃんのダンジョンデビューが早まったのであったが、結果オーライと受け止めて置こう。
こうして、我が家は第四子目を妊娠中のマーガレット以外全員ダンジョンに潜る事になるのだが本音で言うとマーガレットも潜りたいみたいであった。
とは言えもう実戦から随分と遠のいてしまったので少し寂しそうではある。マーガレットは魔法の才能があっただけにちょっと勿体無い。
まあついつい子作りしてしまう俺が悪い訳だが、ちゃんと育てていける環境だあるのだから子沢山の方が良いだろう?と開き直って居るが流石にそろそろ、打止めにしないといけないかと思っている。
この子は前回の『魔境の森』の氾濫が収まった際に勢い余って作った子である。まあ貴族だから子沢山なのは普通なのだが、我が家の様に側室も作らずに子沢山な家は数少ない。
じゃないとマーガレットの自由な時間が無いままだからな・・・申し訳無い。と心の中でマーガレットに詫びつつも現実から逃避するかの様に俺は1人で今日もダンジョンに潜るのであった。
まあ理由は家々で色々有るだろうけど、政略結婚の結果であったり、母体が大変と言うのが大きいのだろうか?そう言う意味ではマーガレットに負担を掛けてる負い目は在る。
公爵家である我が家には今も尚側室の縁談の話等が舞い込んで来るのだが全てお断りしているのだ。
俺の場合、側室や側妃を設ける気は微塵もなくて奥さんはマーガレットだけで良いと本心で思って居るのである・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます