第407話 治療の余波
■■■ご注意■■■
読者の皆様何時もお読み頂き誠にありがとうございます。
本話では不妊治療に関するデリケートな内容を含んで居ります。
よって不快に思われる方は丸っとスキップして下さい。
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俺の治療から4ヵ月が過ぎた頃、密かに嬉し気な第一王子殿下より吉報の連絡があったのは言うまでも無い。
つまどっちの問題かは不明であるが、俺の治療は効果があったと言う事である。
これには国王陛下も大喜びで俺の所へお礼の電話が直接掛かって来る程であった。
これより以降、何かと各地の跡取り問題のある貴族から平身低頭のお願いをされて地方に出向いたり、王都でハイヒールを掛けてやる機会が多いに増えたのであった。
尤も多少は金銭にて対価とする場合もあったが色々と出向く為の実費を貰ったりするのが後々が面倒なので王都にてのみ治療する物としてルールを設けたのであった。
この事は俺に取って面倒では在った物の、悪い事ばかりでは無く、今まで俺の事を良く思ってなかった貴族までもが俺にたいして恩義を感じて風当たりが良くなった事である。
尤も貴族の変わり身は早いのでそれを何処まで信用して良いにかが微妙だが、当面俺に対して陰口を言う者は居無くなったと言う事をニコラからの情報で知ったのだった。
こうして半年ちょっとの間に貴族の夫婦の治療を数十組終えて一頻りの治療の波は収まったのであった。
さて、この半年ちょっとの治療の全てが全て感謝されたかと言うと微妙な事もあって、例えば長男夫婦に子が居らず、次男夫婦に跡継ぎが決まりかけた所で俺の治療を受けた結果長男夫婦に待望の子が授かって跡継ぎ問題が再燃したところもあったとか。
まあそんな話は俺にして見れば「知らんがな!」であるが、跡継ぎの座を奪われた次男夫婦にとっては目の前の餌を叩き落とされた様な物なのでお怒りとか。
尤もそんな奴らの精力如きで我が家に災いを齎すのは無理なので心配は特にして居ないし、必要が在ればニコラが何か報告してくれるだろう・・・。
まあ第一王子ご夫婦の治療の余波と言えばそんな感じで主に貴族への治療が多かったのだが、その内民間人の中にもその噂が広がった様でちょっと困った事になってしまった。
流石にそこらの豪商の不妊治療を金で請け負うとか公爵のすべき事では無い。俺がもしするとしたら、マトモに治療を受けられない貧しい子供らや事故等で手足や視力を失った人々を助ける事である。
その為、事前のアポ無しに俺の自宅に突撃して来る、無礼な豪商等の願いは一切聞かずに追い返す様に門番に対応して貰うのであった。
俺の取り合わない対応が世間に広まった事で漸く一過性の押し掛け勢は形を潜めたが、今度は懇意にして居る貴族経由で頼んで来る等の絡め手を取って来る様になって、面倒になった俺は予め件の無い様での治療目的の内容は一切受け付けないと世に宣言したのであった。
気持ちは判るが全てを俺が診る事は不可能なので生命存続の危機的状況や生活に支障の無い症状の治療をシャットアウトした訳である。
まあこれによって、一時上り調子であった俺への風当たりは再び下降するのであったが、一々気にしてられないので丸っとスルーする事にしたのであった。
そうして何だかんだで半年が過ぎる頃には色んな諸々の騒動も落ち着いて平常に戻るのであった。
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最近では上の2人の面倒を見つつマコちゃんの成長を見守る日が続いている。
また暫くしたらダンジョンに潜りたいとは思って居るのだが、上の2人の時にそうだった様に、這い這いから掴まり立ちまでの瞬間を見逃したくは無いと言う親ならではのお楽しみイベントを逃したくない為である。
それに上の2人に加え弟のタージにも『時空間庫』を教えたり、ゲートや隠密セットを教えたりするのに纏まった時間が必要だったので丁度良かったのだ。
タージとコーイチローは兎も角、コージローには時期的にやや早かったが流石は俺の子。
何度も説明してイメージを伝えたのが功を奏した様で物にしてしまったのだった。
我が家の場合、剣術に関してはパパンが子供らに教え、魔法に関しては俺が教えると言う我が家の英才教育の分業制がキッチリ成り立っているので、どの子もみんな抜かり無くマリー同様に出来る子に育ってくれて居るのであった。
そして恐らくマコちゃんもこの先そうなってくれる予定なのでるが本人が望まなければ無理強いは出来ない。
まあ親としては女の子故に最低限自分の身を守れる程度の武力は身に付けて欲しいのだがどうだろうか・・・今から思い悩む俺だった・・・。
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