第406話 再びソロアタック その6
その後も第56~59階層を数ヶ月掛かりで探索して行きいよいよ第60階層のボス部屋となってソロでのアタックとなるので油断せずに行こうと自分の両頬を挟む様にピシャリと叩いて気合を入れてきを引き締めてから岩の扉を開けたのだった。
大きなホールの中央に大きな魔方陣が光り出し大きなシルエットが床から浮かび上がる俺は予め決めて居た戦法の準備をして完全に召喚されるのを待ち、魔物の正体を推測していたが、
流石にここに来てスケルトン・ドラゴンが出て来るとは予想外で、元々予定して居たフラッシュ・バーンを奴の目の前に放ってやったのだが、そもそも生きた生物で無いが故に効果は薄く、目眩まし効果は発揮されなかった。
そして、俺は次の手として高周波ブレードを使って奴の首を狙って切断したのだが、直ぐに元通りに繋がってしまって生きたドラゴンを倒すよりも面倒であった。
スケルトンやアンデッド対策なら聖魔法である。ホーリー・ボールを奴に目掛け放つとこれには反応を示して嫌がる様子で後退して行っている。
そして近寄って黄金丸で斬り付けた俺を尻尾の一振りで、跳ね飛ばし、俺はホールの壁へと叩き付けられてしまったのだった。
幸い、魔装と気密シールドのお陰で大した実害も無く、脳震盪等の影響も考え念の為回復魔法を掛けた後、再び立ち上がる事が出来たのだった。
聖属性は効くと言う事に気を良くした俺は、通常無属性で作って居る高周波ブレードを聖属性で、形成して、ホーリー高周波ブレードを使って奴の懐に飛び込んで首を寝たって袈裟斬りに一太刀入れたのであった。
ギュォーーと言う骨と骨を摺り合わせた様な鳴き声を上げて首から上の骨がバラバラと音を立てて崩れ落ちた。
俺の勝利である。
大きな魔石をゲットした後、お楽しみの宝箱を開けると、中から出て来たのは、聖属性が付与されている両手剣だった。
これは普段使いする事も無さそうである。あるとしたら、アンデットの出て来る階層専用だろうか?
尤も今回の様にホーリー高周波ブレードを使えば済むのでそれ程俺にとって有用では無いのは事実であった。
壁に叩き付けられた割に見返りがショボかったのでちょっと残念な気持ちになる俺だった。
その後、ポータルにタッチして登録を済ませて、第61階層へと潜って行く事にしたのであった・・・。
その後、魔物別の討伐方法を纏めたレポート言うか覚え書きの様な物を作って、マリーと情報を共有する事にしたのであった。
■■■
こうしてダンジョンアタックと領主の仕事と交互に日を取って行く内にマーガレットのお産の日が近付いて来て、俺は何時お産が始まっても良い様に自宅で待機する様になったのだった。
お産も3回目ともなれば、マーガレットも余裕がある様で、陣痛が始まっても的確にスタッフに指示を出しつつ陣痛の痛さに耐えて居る様子。
俺は分娩室からソッと出て、心配そうに廊下で待って居たコーイチローとコージローを抱き寄せて、「大丈夫だよ。」と頭を撫でたのであった。
それから3時間程の時間が流れ、マーガレットの苦しそうな声が一際大きくなった後、「オギャー」と可愛い産声が聞こえて第三子目が誕生したのであった。
暫くすると、分娩室に呼ばれてクリーンと回復魔法をマーガレットと産まれたばかりの子我が子に掛けながら歩み寄ると、
「あなた、今度は女の子ですよ。可愛い名前をお願いしますね。」とやや疲れた表情のマーガレットが俺に告げるのであった。
可愛い生か・・・これは責任重大である。ハッキリ言ってネーミングセンスのない俺の事だ。可愛い名前と言うと日本時代のアイドルの名前何かが頭に浮かぶが何れもピント来ない。
生まれたての我が家の姫を両腕にソッと抱きかかえながら頭に浮かんだのは、
本来の意味では魔法が上手くなります様にと言う意味を込めて思い浮かんだ名前である。
そしてこの子の名前はマコ・フォンオオサワに決まったのであった。
真子ちゃんはお母さん譲りの金髪が可愛い、お目パッチリの美人さんである。
この子は将来とてもモテそうでお父さんとしては心配である。
兄となった、コーイチローもコージローもマコちゃんを代わる代わる覗きに来ては可愛い可愛いと静かにはしゃいで居た。
一足先に、国王陛下に第三子目が無事にたんじょうした事を電話で告げると大喜びして写真を送る様に要求されたのであった。
マコちゃんを一度見に期待と言う国王陛下に宰相閣下が苦労をして居ると言う愚痴の電話を宰相閣下から受けるのであった。
ちなみに、跡取りである。第1王子とその妃の間にはまだ子は居らず、王位の跡取り問題が残って居たりする。
本来マーガレットにも王位継承権はあったのだが俺と婚姻を果たした段階でそれを返上して居り、我が家は王位継承権とは無縁である。
そんな中で王位と関係無い我が家だけバンバン子が生まれると言う状況に、口にはしないが第一王子もお妃も真鍮穏やかではいられないだろう。
こればっかりは、なんともし難い事なので力になれない事を心苦しく思おうのであった。
どうやら、跡取り問題に関しての対応策として側妃を新たに娶ると言う話も出て来ているらしい。
それを拒んで居るのは第一王子その人で、愛する妃を蔑ろにしたく無いとのお心らしい。
もし側妃を娶っても男性側の問題であれば意味が無いのである。
この世界では不妊の場合、男性側の所為とは考え無いのが一般的である一定数男性側の不妊による同様の事例は存在するらしい。
そう言う意味では非常に女性に取ってある意味厳しいのが現状であった。
そこで俺はふと考えた。
もし第一王子が過去に高熱を出した事等があれば、欠損部位の復活さえ可能な俺のハイヒールで機能の復活で治る可能性もある。
それで、俺はお恐れながらと国王陛下に直電を掛けて駄目元で第一王子ご夫婦に俺のハイヒールを一度受けて見ないか?と打診してみるのであった。
話は素早く纏まり、3日後には俺は王宮に招かれて何時もの様に、ゲート部屋にゲートで移動して、新年の謁見の儀以来の第一王子ご夫婦にお目通りをするのであった。
お会いした第一王子妃殿下は角のストレスの所為か顔色も優れずに見るからに辛そうであった。
俺はお会いして早々挨拶もそこそこに早速、第一王子殿下から、DNAを元にして機能を回復刷る様にイメージしつつハイヒールを掛けてやるのであった。
更に第一王子妃殿下にも同様にハイヒールを掛けてやった。
今まで悪かった顔色が血の気が通った良い色に戻った妃殿下。
「これでお二人共に言い方は悪いかも知れませんが、正常体に戻った筈です。ご安心下さい。あとはタイミングの問題ですね。」と知る限りの知識でタイミングを教えるのであった・・・。
そして、2人に精力が付く様におれはヒュドラの肉のブロックを献上して王宮を去ろうとしたのだが、国王陛下より待ったが入り、マコちゃんを見に連れて行く様にと命を受けて我が家に連れて帰るのであった。
結局俺の自宅で愛らしいマコちゃんに目尻を下げてデレデレの国王陛下が2時間程滞在して行ったのであった。
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