第405話 再びソロアタック その5

特注の装備が出来上がるまでに3日間ダンジョンアタックをお休みした。


子供らにとっては嬉しいサプライズだったようで、3日間ベッタリくっついて居たので大変であった。


いよいよ完成したとの連絡を受けて受け取りに行ったら真っ赤な皮の派手なローブとグローブそれに序でにとブーツまで作ってくれていたのだった。


装着して見た感じは非常にシックリ来る感じで悪くない。


一応鑑定EXさんの報告では高い耐火性能を示しているので恐らくこれで熱さ対策は大丈夫だろう。


こうして俺は4日振りに第55階層へと戻るのであった。


戻ってみて装備の性能にビックリ。前回と同じくらいにエアコンを掛けて居るのだが、もう少し弱くても十分なくらいに冷えているのである。


放射熱もローブでキッチリ防いでくれている。


これなら十分この階層でも探索出来るだろう。


今日初めてこう言った専用装備のありがたさを体感した俺であった。




先日と比べ実に楽である。


尤も生物は双頭の地獄の門番と呼ばれるケルベロス等が出て来て余りウカウカはしてられない。

奴らの吹く火は完全に気密シールドと魔装と耐火装備で完璧に防御出来て居る。


幾ら双頭だろうと何だろうと、首を落としてしまえば只の犬の胴体である。躾けのなってないケルベロスの首を黄金丸で落としてサクっとスルーする俺。

こうしている間にも火山弾が近辺に着弾している。


スンスンと先に進んで行くに連れてその激しさは増して居る様な気がするのだ。


尤も火山弾の直撃ぐらいなら、マシマシの魔装で何とか出切り筈だ。


だが当たると嫌なので敢えて試そうとは思っていないが・・・。



こうして道無き道を進む事3時間、今のところ熱さは大丈夫である。



魔物はレッド・リザードマンやインフェルノ・ウルフと言うラインナップで特に勝てない相手ではないものの、集団で来られると厄介な相手が続いて居る。



勿論、全て撃破しているし、逃げ出す程の状態に陥っては居ない。


今も漸く15匹からなるインフェルノ・ウルフの群れを討伐した所である。



腰を着いて一休みしたい所だが、この灼熱地獄のフィールドではそれは出来ない。


立ったまま水分補給を済ませ、そのまま探索を続行しようと歩みを進める俺。




ちょっと開けた場所に行き当たったので不審に思って居たら、ドシンドシンと見上げる程の大岩の裏から3つの首を元ヒュドラが姿を現した。


ギュオーーーと独特の鳴き声の三重奏で俺を威嚇するヒュドラ。


大きく息を吸い込んだと思ったら、灼熱のブレス攻撃を俺に浴びせてきやがっや。


咄嗟に魔装と気密シールドを強化して事無きを得た俺は反撃に出る為にアイスカッターでやるの首の1本を狙ったものの、やはり、この灼熱地獄では効きが悪く、高周波ブレードに切り替えて接近戦を試みる。



しかし、そうっやすやすと、接近させてくれる訳も無く、懐に潜り込む為の攻防が20分程続いていたのであった。


そこで、俺は、目眩ましの為のフラッシュ・バーンを奴の目前に発動して、バシュと閃光を炸裂させた。


その瞬間を見逃さずギュワーーと鳴く3本の首へと俺は一瞬で近寄って、高周波ブレードで、奴の首3本をセオリー通りに纏めて切り離してやったのだった。


さしものヒュドラも3本同時に切り離されたら再生出来ない様子で、バタンとその場にその巨体を倒して動かなくなったのだった。

俺は3本の首と胴体を回収して、その場を去ったのであった。




更に灼熱地獄を進む事3時間、インフェルノ・ウルフの群れを片付けた後、本日の探索を切り上げる事にしたのであった。



幾ら耐熱装備があるとは言っても立ちっぱなしの動きっぱなしは非常に疲れが溜まり易いのである。


結局この55階層を踏破するのに2週間を費やしたのであった。


耐熱スキルは残念ながら生えて来なかったけど、日々サウナに行く様な感覚で後半になったら熱さに対する慣れが出来てしまったのだった。




ここらで一旦、冒険者ギルドに解体に出そうとダンワースの冒険者ギルドに持って行ったのだが、ヒュドラの解体を拒否されてしまい、ざんねんながら、ガガの冒険者ギルドに久々に持って行くのであった。



ガガのガラコさんが笑顔で出迎えてくれてヒュドラを見せると喜んで解体してくれたのであった。


ダンワースの冒険者ギルドもこう言う対応をしてくれれば街としても活気が出る筈なのだがな・・・とちょっと悲しく思うのであった。


そして、ヒュドラの肉を受け取り、ヒュドラの肉のステーキの試食会を自宅で行うのであった。


ドラゴン種のヒュドラの肉は非常に美味くスタッフ一同も俺も家族も蕩けてしまう程であった。


折角、ヒュドラの肉を家族一同で食したので、マリーの所にも肉を届けてあげたら、早速久々の元気なマリーの声を聞けて家族全員がホッとするのであった。


どうやらハイマン君と上手くやっている様で安心したのである。



特に貴族の場合、こう言う機会でも無いとなかなか婚家に結婚後は掛けにくい物なのだ・・・。


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