第401話 再びソロアタック
さあ、ソロで潜る事にしたダンジョンアタックの再開である。
既に第52階層となった今だがつい先日までの様にマリーがいないので寂しくもある。
第52階層は山の頂附近にある高原ステージである。
ゴツゴツした岩だらけの道とフィールドで非常に足場が悪く、一歩間違うと滑落してしまう可能性があるのだ。
尤も俺の場合、重力制御による浮遊も出来るし、フォース・フィールドの足場もあるので滑落の心配は無いのだがな。
さてこの階層のメインの魔物はハイランド・ウルフとワイバーンらしい。
先程から、空と地上で周囲を取り囲むハイランド・ウルフとワイバーンが鬱陶しい。
まずは地上のハイランド・ウルフの群れを始末するべく、魔弾を乱射して、その灰色の毛皮に覆われた胴体や頭に穴を開けて始末してやる。
まあハイランド・ウルフは良いとして、厄介なのがワイバーン方である。空中に居るので狙いを外し易い。
しかも皮膚が硬いので、魔弾なんて効果が無い。
俺はストーン・ブリッドを使ってワイバーンに手傷を負わせギュワーと鳴き声を上げながら怒って急降下して来た所をジャンプして避けつつ黄金丸で首に一太刀浴びせて首を堕としたのであった。
ワイバーンを倒すパターンを取り敢えず見出した俺は全て血抜ききを終えて回収を済ませたのであった。
魔力の流れを追うと山の麓の方へと向かう方向に魔力が流れて居る。俺はウィングスーツによる滑空で麓の方へと山肌を舐める様に下って行くのであった。
しかし途中で3度程ワイバーンに会敵し、それぞれ首を刎ねる事で綺麗にケリを付けてやって、地上に降りて血抜きをして回収をして、再度空から滑空をすえるの繰り返しである。
一つ言えるのは対ワイバーン戦の場合初手が滑空状態だと姿勢を崩して揉みくちゃになったりする事で後手に回ってしまい何度かヒヤリとする場面があった事である。
なので、それ以降は山肌の斜面をホバー移動で下る様にしたのであった。
山肌にはハイランド・ウルフの他にもロック・スネークと言う岩肌に偽装した大型の蛇の魔物も出て来て俺に瞬殺されて回収されるのであった。
山肌を3時間も下ると、徐々に森林へと景色が変わって行って徐々に出て来る魔物が変化して来るのであった。
森林に入ると、スパイダー系の魔物やスナイプ・モンキーと言う石を投擲して来る魔物等、油断ならない物が増えて来る。
まあ昆虫系は相変わらず嫌いであるが、糸袋はお金になるし金銭的にはオイシイ素材ではある。
尤も自分で解体する気はないので丸っと回収して冒険者ギルド提出して終わりである。
森林ステージに入って徒歩で移動する事3時間、漸く森林の木々が疎らになってきて、太陽の光も入ってくる様になって来た。
突如、川の水音が聞こえて来て、河原を下流へと下って行く。
しかし、所処に魔物の気配の反応が在って水中から、ピラニアの様な鋭い牙を持つバイト・フィッシュが飛び出して来るのだった。
尤もこのバイト・フィッシュの噛みつき攻撃は俺の魔装を貫通する事は出来ないので、全く手を出さずに俺の歩いた後にはビチビチと跳ねるバイト・フィッシュが落ちて居るのであった。
この区間が魔装だけで安心出来るか?と言われると微妙で、遮蔽物である森林を抜けた事で、空からのワイバーンの攻撃にきを配らねばならない。
奴らの攻撃は足のかぎ爪と鋭い牙も持つ嘴の攻撃である。ドラゴンの様なブレス攻撃や魔法攻撃は無いのでその点では安心出来ると言える。
暫く河原を進んで居ると、ドドドドと言う水の落ちる轟音が聞こえて来た。
水音のするギリギリまで来て見ると、それはそれは大きな滝となっており、下を見ると昔の空を飛べない頃の俺だったら腰を抜かしていそうな高さがあった。
魔力の流れはこの滝の下へと向かって居るので、一歩踏み出して重力制御を使って、フワリと滝の水飛沫の外側を下へと降りて行くのであった・・・。
滝の麓に辿り着いた俺は、まずは俺を待ち構えていたバジリスクを魔弾の乱射で威嚇しつつ、黄金丸で首を刈って仕留めるのであった。
そして、バジリスクの血抜きも終えて回収した後、下層への階段を捜索するもそれらしい物が見当たらない。
15分程捜索して漸く滝壺の奥に10mぐらいの高さに隠れていた下層への階段の入り口を発見したのであった。
こうして一旦第53階層を覗いて久し振りのソロ・アタックの1日を終了するのであった。
自宅に帰ると、コーイチローとコージローが「お父さんお帰りなさい」と駆け寄って俺を出迎えてくれる。
暫くすると第3子目を妊娠中のマーガレットが膨らんだお腹を擦りながらがやって来て、笑顔で「お帰りなさい。」と言いながらハグしてくれるのであった。
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