第392話 トラブル対策
襲撃騒動が終わって1ヵ月が経った。
パパンによる全衛兵の強化訓練は未だに続いている。尤も衛兵達を死なせない為の訓練と言う事もあって表立って文句を言う者は居無い。
こうして俺の平穏な日々が戻って来たのだが、王宮の方から貰った情報では着実に領地を増やす俺を快く思わない貴族は一定数居る様でいつ何時どんな攻撃を受けても跳ね返せる様に一応防備や情報収集等も行って行かないと駄目かも知れないな。
尤も、今回の件にしたって完全に貰い事故案件だし、俺が欲して画策して増やした領地でもない。妬まれる覚えは無いのだ。
そんな訳でモ今回の教訓を活かしてリーンに頼んで我が家に災いしそうな情報をいち早く集める為の情報収集部門を密かに設立して貰ったのであった。
■■■
3年の月日が過ぎてモリーンに設立して貰った情報収集部門はオオサワ商会の店舗のある場所を拠点として順調に情報収集を続けて行ってくれて王国全土にその網を張っている。
この3年間にメンバー全員は隠密セットを利用可能に特訓し、魔法の訓練も俺直々に伝授した。
よって、そこらのへっぽこ貴族の雇った間者など返り討ちにして逆に相手の尻尾を掴む位訳無い位の凄腕揃いとなった。
これまでに俺を良く思わない貴族の謀略を3度程跳ね返し、逆に相手をやり込めてやった。
その中には次期当主となる奴が舞踏会で何度も俺に絡んで来た元王宮魔法師団長の息子、ゴルツ君の家である フォントビウス伯爵家も含む。
尤もこれはお取り潰しとかにはなってないけど、怖いので俺は詳しく聞いて居無いが絡め手で相当のダメージと言うか損害を負って貰ったとモリーンが胸を張って豪語して居た。
そんな訳で今の我が家は安泰である。
情報収集部門のトップにはニコラ君と言う20歳の男性がトップで管理しており、彼を経て必要そうな情報に絞った状態で俺俺の元へと入って来る。
そして、先日も我が家に関係ありそうな情報を持って来てくれたのだった。
ここの所、王国内で不穏なナンシー様以外を紙と祀るマーダム教なる宗教が流行り始めており、不穏な空気を作って居ると言う。
このマーで教はマーダム神さえ信仰していれば、何をしでかしていても死後に救われるえると言う悪人に都合の良い事を教義としており、徐々に信者を増やして居るらしい。
更に現在貧しい者は貧しい者の所為では無く金持ちが悪いと言う何とも言えない教えを説いて居る。
救われる為には寄付をすればする程救われると言う何処かで 聞いた事がある様なご都合主義っぷりである。
そのマーダム教が我が領土にも教会を建てようとノコノコとやって来たので邪教と言う事で我が領から永久追放したのだが、既に何人かマーダム教徒が我が領内に紛れ込んで居る可能性があるらしい。
直ぐに領内にマーダム教なる邪教を禁止する条例をだしたのだが、あまり効果はないかも知れない。
下手すると、『此方に不都合だから慌てて禁じた』ととられかねない。
まあ実際に唯一の創造神に遭い命名した俺からすればどちらが邪教であるかなど、明らかなのだがな・・・。
しかし、不思議なのは何も無い所から突如マーダム教なる物が出て来た理由である。
確かに貧乏人と荒くれ者は何処の国の何処の領にも居る訳だが、そんなのを集めてなにをしようと言うのかが疑問である。
ナンシー様に、マーダム教の事を聞いてみたが奴らの崇めるマーダム神なる物は存在しないと言っていた。
つまりは完全に捏造された偶像崇拝と言う訳だ。
一応、王宮の方にもこの情報を入れておいたが、静観の構えなのか王宮から特にこれに関するの指示が来る事は無かったのだった。
それから間も無く王宮から全国に向けて『邪教禁止令』がだされたのであった。
俺の領地での布教活動は排除したものの、周囲の他領地までは手が及ばなかったがこの『邪教禁止令』によって漸く周囲の領地を治める領主も腰を上げて取り締まりを始めたようだったが、時既に遅く、かなりの信者が領内の貧民層や悪党共に浸透して居た様で、殲滅の為に多くの血が流れた様であった。
その後判った事であるが、この降って湧いた様な『マーダム教』は裏で先の戦のフランツ王国とは別の隣国が画策した我が国内の秩序を乱す為の謀略であった事が判明したのであった。
その国の名はフローツマン王国と言う。
フローツマン王国はアムール王国侵略を目論む隣国の1つで、今回の『マーダム教』の一件を利用して、国内に騒乱をお越して陽動作戦とする狙いがあった事がニコラ君の報告によって判ったのだった。
其処で俺は『マーダム教』がフローツマン王国が侵略の為に仕掛けた邪教だったと言う報告を王宮に上げると共に巷にその噂を広め火消しを急ぐのであった。
『邪教禁止令』と俺が情報収集部門を使って振り撒いた噂は相乗効果を出して一気に『マーダム教』への逆風となって邪教排除の動きに拍車が掛かったのだった。
邪教排除が出来たのは開始から3ヵ月が過ぎた頃であったが、国内で多くの血を流す結果となってしまっていた。
丁度その頃諜報員からフローツマン王国から軍勢が国境に迫って居るとの報告が王宮に入ったのだった。
------------------------------------------------------------------------------------------------
読者の皆様どうもです。
GW投稿を1日お休み頂きました。m(__)m
以降の更新は平常に戻る予定です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます