第388話

コーイチローが生まれて早くも3年が過ぎた。


乳母を雇った事は新米ママのマーガレットには正解だった様でゆとりを持った子育てが出来たみたいであった。


子育てにゆとりが出来たのでと言う事もあって2人で話し合ってマーガレットは現在第二子目を妊娠中である。


13歳になったマリーは既に王立学園を卒業して今や、冒険者として毎日ダンジョンアタックをしている。


そしてコーイチローも自分の足で歩いて色んな物に興味を示す年頃になった。


流石にサチちゃんやコータの様に自我が目覚める前から魔法を使う様な事は無いみたいだが、俺の使う魔法に強い興味を示している。


言葉も大分理解して来て居るので本人にやる気が在れば魔法を教えても良いのかも知れない。


「お父しゃん、まほー!」と今日も魔法をせがむコーイチローを抱えて、魔法訓練場に連れて行って魔法を撃って見せてやる俺。


魔法を撃つとキャッキャと言って喜ぶコーイチロー。

何度もアンコールをするので応えてやる。


なのでコーイチローの手を取って魔力を流してみると魔力を感じ取った様で、

「ムズムズが来るよ!!」と言っていた。


どうやら魔力感知は出来そうなので少しずつ教え込む事にしたのであった。



教え始めると俺の血筋の所為か、グングンと吸収して行くコーイチロー。


1週間もする頃には辿々しいながらも魔力操作が出来る様になって、体内で魔力を回せる様になっていた。



流石は我が子だ。と抱き上げてやると大喜びで歓声を上げるコーイチロー。



こうして、コーイチローの魔法の英才教育が本格化して行き、言葉の理解度の進歩に比例して益々魔法に対する理解力も増えて行くのであった。




そして半年も経つ頃には過去のサチちゃんと同じ様に、フォース・フィールドの足場を作って俺によじ登って来たり刷る様になったのだった。


コーイチローが4歳になった頃、第二子目も無事に生まれ、幸二郎コージローと名付けた。





コーイチローは言葉も達者になってもう普通に話せるし一丁前のお兄ちゃんになっている。


魔法の腕はなかなかの物で、俺の言い付け通り毎日魔力枯渇させているので、今ではかなりの魔力量に増えている。


最近では徐々に攻撃魔法を教え込んで居るのでもし今直ぐ魔物狩りに連れて行ってもホーンラビット位なら倒せるのではないだろうか?



勿論、俺が無理矢理魔法を勉強させてる訳で無く、本人が望んでの事なので、覚えが早い。


パパン(爺ちゃん)がタージに教える序でに剣術も教えているので、身体も締まって身体強化を使わなくてもそこそこに動きも良い。


既に同年代の子供の中ではピカ一なのではないだろうか?

タージもマリーに魔法を習って居たので2人は都市も近いし丁度良いライバルと言ったところだろうか?


7歳となった弟のタージは年上なだけあって、体格も良く剣術の方が得意。


対してコーイチローは4歳の為身体はそれなりの体格なので幼少の頃より齧っていた魔法の方が得意である。


まあ2人は伯父と甥の間柄なのだが歳が近い事もあってコーイチローが「タージ兄ちゃん」と呼び慕って居るので仲が良い。



そんな感じで我が家は今日も平穏無事である。



さて領地の方だが豊作が続いており順調で、ダンワースの方もマリーのお陰もあってダンジョンが賑わって居るので両方の領地共に景気が良い。



最近の悩み事と言うとマーコスの隣のガリーニ男爵領の景気が悪いとかで流民が難民として流れて来る事だろうか?


まだちゃんと入場料を払って入って来られる奴は良いのだが問題は払えない様な最低限のお金さえ持って居無い着の身着のままで流れて来た者達だ。


中には子供も多く助けない訳にはいかないので、子供に関しては無料で場内に入れて孤児院で預かる様にしている。


大人に関しては、公益のドブ攫い等の仕事を与えそれと引き換えに賃金を与える様にしてみたが、住む場所が無く仕方が無いので、暫定の宿舎を建てて対応刷る様にした。


ただ、これも一定期間で自立する様にと注意喚起しているがちょっと難しいかも知れない・・・。


どうやら、大人の大半は元農民だった者の様で、ガリーニ男爵領で新規の開拓事業に失敗して流れて来た者達の様であった。

本来であれば当の本人であるガリーニ男爵が手を差し伸べるべき領民達である・・・。


さてこれらをどうするかが今後の問題である。


下手に放置すると、スラム化してしまう可能性があるので早めにケリを付ける必要がある。


一度開拓事業に失敗して居る所為彼らにはやる気の光が目に灯って無いのである・・・。

まずは彼らのやる気を呼び覚ます事が先決だと思うのであった。

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