第384話 ダンワース・ダンジョン その10

約1ヵ月もの間十分ミノタウロスを狩って漸く満足した俺は第24階層に降りる事にしたのだった。



降り立った第24階層はこれまでの火星風の荒野と違った鬱蒼とした密林で、俺の嫌いな昆虫系魔物が出そうなフィールドであった。


一応魔力の流れに従って下層への階段の方向を察知してそちらの方へと足を踏み出す。


15分程歩くとジャングル・サーペントが俺に向かって口を大きくシャーと開けて牙から毒液をし垂らせながら舌をチロチロと出し入れして居る。



俺はどうしようかと一瞬考えた後、黄金丸で首を刎ねる為に鋭く踏み込んで下から掬い上げる様に黄金丸で斬り付けた。一瞬にして首を刎ねられて血を噴水の様に撒き散らすジャングル・サーペント。

一通り、噴水が収まった後回収して、更に奥へと進むのであった。


次に俺の行く手を阻んだのはジャングル・スパイダーで、木と木の間に蜘蛛の糸の罠を張って俺を巻き取ろうとして居る様だ。


尤も大きな蜘蛛なんか余り触れたくはないので、サクっと魔弾を放って頭を撃ち抜いてやった。


ちなみにスパイダー系は腹と言うかお尻の部分に在る糸袋に価値があるのでお腹は攻撃しない方が良いのである。


そして頭を失ったジャングル・スパイダーを回収して更にジャングルの奥へと足を踏み入れるのであった。


それなりに魔物を倒しながら進む事30分キラービーがブンブン羽音を立てながら飛んでいるのを発見し隠密セットを発動しつつコッソリ跡を付ける。


追跡舌先には大きなキラー・ビーの巣があって穴からキラー・ビーが出入りして居る。


俺は何時もの様にキラー・ビーの巣の中に無属性の触手で作った管を突っ込み巣の中に在ったハチミツをチューチューと吸い上げて取り出した壺の中に貯めて行く。

巣がデカイだけあってかなりの量を吸い上げたのだがまだまだ行けそうである。もっとも多少は残して置いてやらないと可哀想なので今日のところはこの辺で勘弁してやった。



みんな大好きキラー・ビーのハチミツを大量ゲットにテンションが上がる。


あれ?赤ちゃんにハチミツは駄目って聞いたけど妊婦のハチミツは大丈夫だったよな?と頭の中で思い返しつつ良いお土産が出来たと喜ぶのであった。



キラー・ビーの巣の近くには総じて果物の木や花が咲いている事が多いのだが、今回発見したのはマンゴーに似た風味が絶品のマルヌーと言う果物とムモーと言う桃に似た味の美味しい果物である。(以降では単にマンゴーと桃と呼びます)


見つけたマンゴーと桃の実を無属性の触覚で捥いで廻ってホイホイと収穫して、大事に木箱に入れて回収する俺。


その間にジャングル・スパイダーやら、シークレット・リザードやらが俺を襲って来るのだが真剣に収穫している俺の邪魔をさせない為に魔弾で秒殺して、序でに回収しておいた。


まあこれ位のペースで魔物が出て来る分には特に問題無い。



そして奥へ進んで行くと、一番会いたく無い鬱陶しい魔物に会ってしまったのだった。


ギギギと不快な鳴き声で仲間を呼ぶ2匹のキラー・アンツが俺の行く手に現れた。


蟻酸攻撃を魔装と風魔法の気密シールドで防ぎながら、最初の2匹を黄金丸を使って屠っている間に、ゾロゾロとキラー・アンツがやって来る。


力押しで行けなくも無いが、これはまたしてもヤバイパターンである。続く20匹程のキラー・アンツを屠った隙を突いて撤退することにしたのであった。


そんな訳でサクっと上空のフォース・フィールドの足場に逃げるのであった。



このダンジョンでは、先のキラー・アンツに次いで2度目の撤退である。まあ無理をして狩る程の価値は無いので良いのだが、『蟻如き』にと言うのが若干癪に障るのだった。


まあ昆虫系が多いので空から行く事にしたウィングスーツによる滑空を始めるた俺は、いきなりのスコールに見舞われて少なからず濡れてしまうのであった。



気密シールドを展開してドライを掛けて衣服を乾かしたものの、雨で視界が悪いので早めに上がる事にしたのであった。




歩いて行くとトンデモ無く面倒な密林フィールドだが空から行く分には特に支障は無かった。


この階層を何だかんだで3日で通過し終えて下層への階段を発見した俺は、一気に第25階層降りる事にしたのであった。





降り立った第25階層はスタンダードな洞窟フィールドである。岩壁が薄く光ってくれて居るのでそこそこの視界は確保されている。


ここの洞窟は天井が高い事から、結構大型の魔物が出そうである。


お!降りて間も無いのに無効から、アラクネと言う上半身が人間の女性の様な姿で下半身が蜘蛛の姿の魔物がやってきた。


顔立ちは非常に美しい半裸の女性なのだが全く会話は成り立たない。単なる魔物である。奴らは魅了を使ったりして正常な判断力を失ったところを糸で巻き取って毒で麻痺させ獲物を食い殺す。


男に取って非常に怖い相手である。



そんな相手だが俺に魅了は通用しない。一般的に魅了は膂力量の少ない相手にしか効かないので今の俺なら大丈夫だろう・・・多分。




尤もアラクネが魅了を掛けて来る前に魔弾のヘッドショットで眉間を撃ち抜いてしまえば、全く問題無い。


お尻の糸袋を傷つけずに回収し、直ぐに奥へと進むのであった。


30分もすすんだ頃になると出て来るアラクネに加えて大剣を持ったオーガまで一緒に出て来る様になった。


このオーガであるが肉は美味く無いので防具のそざいとして使える硬い外皮意外は余り需要はない。


一般的に、オーガはミノタウロスよりも強く強靱な肉体と戦闘力を持っている剣士タイプやファイタータイプが多く魔弾は効き難い。


もし使うのであれば回転を加えた高圧縮のストーン・ブリッドであろう。


この洞窟の天井が高い理由はこのオーガが遺憾なく実力を発揮出来る様にする為だと気付いたのであった。


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