第380話 ダンワース・ダンジョン その6
翌日も引き続き洞窟フィールドを進んで行く。
出て来る魔物にはスケルトンの上位種達に混じってリッチが魔法を撃ってくる様になってきている。
このリッチがなかなかに嫌らしく初手でやっつけないと魔物を直ぐに補充して周囲を取り囲み袋だたきにしようとして来るのである。
しかもそれだけでなく、属性魔法もバンバン撃って来るので油断は出来ない。
そんな中、どうやらこの階層の終盤近くまで到達して居た様で午前中の2時間ぐらいの探索で漸く20階層への階段を発見したのであった。
さあ階段を降りるといよいよ10の倍数階層と言う事でボス部屋の攻略である。
大きな岩の扉に力を掛けるとゴゴゴゴと音を立てて扉が開きボス部屋が露わになる。
内部はやや薄暗い直径30mは在りそうな広さがある。
俺が1歩中にあしを踏み入れるとお約束の様に、後ろで俺を逃がすまいと岩の扉が閉まりそれと同時にボス部屋の中央の床で大きな魔方陣が青く光ってボスを召喚する。
すると、召喚されたのはリッチ・ロードとそれを守る可能に一緒に現れたスケルトン・ナイトやスケルトン・アーチャー等の上位種と数体のリッチであった。
まずはのーまるリッチによるファイヤーアロー等による魔法攻撃に加え、更なるスケルトンの召喚。更にスケルトン・アーチャーが矢を動作の鈍いスケルトンとは思えない連発スピードで連射して来た矢の貫通力は俺の魔装を貫ける程の威力も無く、放っておいても魔装に弾かれて取り敢えず問題は無さそうである。
俺は一気に広域の浄化魔法を発動して面倒なリッチスケルトンと半数にまで削って再度、浄化を発動しようとして居たらリッチ・ロードが更にスケルトン・ナイトとリッチを召喚して折角削った穴を埋めてしまったったのだった。
なので再度魔力コストを度外視して、ボス部屋全体まで行き渡る程のエリアを指定して浄化魔法を強めに発動したのであった。
さしものリッチ・ロードもこれには抗えなかった様で黒いローブと骨と王冠を残して動かなくなったのであった。
ちょっと期待したものの、先日レベルアップしたばかりだったので、これくらいでのレベルアップはしなかった・・・。
ボスを倒した事で宝箱が現れて蓋を開けると中からオリハルコン製の丁度良い片手剣が出て来たのであった。
この剣なら少々手荒に使っても刃毀れしないのではないだろうか?鞘から抜いて金色の派手な剣を片手で振って閃光流の型を一通りやってみて思わずその手に馴染む感感覚にほくそ笑む。
振った際のバランスが非常に良くて、しかも魔力の通りも良く今まで一応カッコ付けの為だけに形ばかりの安い剣を腰にぶら下げて居たが、比べるべくもない。
そんな訳で今日からこの『黄金丸』を自分の相棒にする事に決めたのであった。
そして回収すべきを回収して、ポータルに登録した後第21階層を一目見てからにしようと一目見たものの、明日からの探索を思って憂鬱になりつつ早めに自宅に戻るのであった。
◇◇◇◇
一晩明けた翌朝、昨日一目見た薄暗い第21階層の墓場フィールドにゲートで飛んで、進んで行くと、墓場からゾンビが腐敗臭と共にやって来ては入れに浄化されて灰に変わって行く。
しかも墓場の地面を歩いて居ると、土が盛り上がって土の中からスケルトンの手の骨が飛び出して来て幽霊屋敷さながらのドキドキ感がある。
尤も聖属性の浄化シールドを張って在るので、足首を触った瞬間にスケルトンは土の
中で浄化されるのだけどな。
そんな訳で全体的に脅威度は低いが嫌がらせに近いこの階層をドンドン進んで行く事にしたのであった。
進むに連れて出て来る魔物に昨日のレイスやグール等も混じる様になって来て、より魔物密度が高くなって来るのであった。
要は一瞬たとも浄化シールドの魔圧を緩める事が出来ない状況である。
そして、とても魔石を拾っている事ができないので余程の大物以外は放置する事にして、先に進む事を優先して居る。
それにしても本当に西洋のホラー映画的な不気味なフィールドのセットである。そんな場所でこれまた西洋のホラー映画に出て来そうな魔物に飴に集る蟻の如くに攻められて、幾ら実害はくとも気分の良い物ではない。
そして進むに連れて増えて行く出て来る魔物の数を何とか力業で浄化しつつ均衡を保って居ると、何時しか墓場エリアを過ぎて不気味な森の中へと突入してしまうのであった。
何か新種の魔物が出てきそうだと警戒を強めて居るとワオーーーンと言う遠吠えと共にワーウルフと言う狼男が飛び出して来たのだった。
これも基本浄化魔法が苦手らしく俺の浄化魔法のシールドに触れたらキャンキャンと悲鳴を上げて居る。
そこで魔弾の代わりに聖属性の浄化の弾丸を作って魔弾の様に発射して眉間を撃ち抜いてやったのだった。
この攻撃は大正解だった様で、つうじょうの魔弾だと当たった部位によって即座に回復されてしまっていたのが嘘の様に1発で静かに倒れたのであった。
こうしてワーウルフの群れを捌きつつ先に進んでいるとワーウルフに混じってブラッド・バットと言う吸血蝙蝠が混じって来始めた。
こいつも聖属性の浄化シールドを突破出来ずに勝手に車のフロントウィンドーに当たって潰れる虫の如くに浄化シールドで弾けていたのであった。
ただ、3次元で攻撃して来るブラッド・バットの参戦は俺の注意力を上空に惹き付ける効力があって、その分だけ地上のワーウルフへの注意力が散漫となり、若干押され気味となるのであった。
漸く森を道なりに突っ切る事が出来てワーウルフの群れの出現が一区切りついた時はホッとするのであった。
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