第378話 ダンワース・ダンジョン その5
マリーは学園に通い、マーガレットは妊娠中で安静にしているので比較的やる事の無い暇な俺。
そんな状況も1日2日ならまだ良いが流石に1週間以上となると身体が鈍ってしまうし、精神的に耐えがたく思っていたらなんとマーガレットの方から
「貴方だけでもダンジョンに行ってきたら?やる事無いのは辛いでしょ?私はある程度安静にしつつ安定してくれるのえを待つのが今の仕事ですし。私の事は気にしなくてよろしくてよ。」と言われたのであった。
こうしてマーガレットの許可を貰った俺は今までと違ってソロでダンジョンアタックへと戻る事にしたのであった。
第17階層も完了して第18階層に降りて行くと其処はギラギラと輝く太陽の熱を砂が放射して暑い一面砂だらけの砂漠フィールドであった。
久々の砂漠フィールドに懐かしさを覚えながら1歩踏み出すとザクっと言う足音と共に砂にあしを取られて歩き辛い。その歩き難さに懐かしさを覚えていると、足音?を聞き付けたと思わしき、デザート・スコーピオンが尻尾の毒針を掲げながら凄い勢いでこっちに駆け寄ってきたのであった。
俺はフォース・フィールドの足場を築きその上で寄って来たデザート・スコーピオンと対峙して高周波ブレードで奴の尻尾を切断して、頭部にグサリとブレードを突き立ててトドメを刺してやったのだった。
このデザート・スコーピオン、前世では蟹に似た味の身を持って居たのでちょっと実食が楽しみではある。
その後はウィングスーツによる滑空を使わずに少しの間ホバー移動を使って久々の砂漠フィールドを楽しむ事にしたのだった。
魔力の流れで察知した方角に進む事30分いきなり足下からお馴染みのサンド・ワームがクレーターの様な口をポッカリ開けて飛び出して来てヒヤリとする場面はあったが、安全圏めで上昇しつつ、その口の中にフレイム・バーストと名付けた炸裂型のファイヤーアローをブチ込んでやったら、一発でギュモーと言う鳴き声と共に上半身を横たえて死んでしまったのだった。
そろそろこの階層で遭遇すべき魔物にもであった事だしノロノロ進行に飽きて来たので上空からウィングスーツによる滑空でゴールの仮装への階段を目指す事にしたのだった。
と言うのも、直射日光は気密シールド内でエアコンを掛けていてもかなり暑く露出している素肌をジリジリと焼いて来ており、変化の乏しい景色と相まって早々にゴールを目指したくなってしまったかである。
まあ、日焼けも一応ヒールでサクっと治せるのは治せるから良いのだけど、態々ヒリヒリする必要も無いからな。
因みにこのダンジョン内の疑似太陽でも日焼けはするので、紫外線は出て居るのであろう。第15階層の沼攻略で足踏み中の攻略組だが、飛行手段を持って無い時点でのこ第18階層に進んだ途端に遭難しそうだなと思ったのだった。
王立学園に通ったお陰でこの世界の魔法の常識レベルを知ったので、恐らくその攻略組も最大でもそのレベルだと推測されるのである。
まあ第15階層を抜けられない時点で無理なのがけどな・・・彼らが無茶して死なない事を祈っておこう。
この世界の女神であるナンシー様が、どの程度この世界の人間に優しいのかは知らないが、恐らく俺に対してと同等と言う事も無いと思うので推して知るべしである。
前半でモッタリとホバー移動して居た関係で、午後3時を過ぎた頃でも階段に到達出来ずにマーカー代わりの石柱をを砂漠の砂上に建てて早めに自宅へと帰還したのであった。
帰宅するとマーガレットが笑顔で出迎えてくれて、
最近では悪阻も治まって来たので、普通に皆と一緒に食堂で食事を取る様になっている。 よって、以前の様に、俺が特別メニューで雑炊等を作ってやる必要もなくなったのである。
◇◇◇◇
翌日も同じく第18階層の砂漠の続きである。
ゲートで昨日建てた
小まめに飛行方向を修正しながら滑空を続行して居たら、空気抵抗低減の為の風魔法のシールドぶバチバチと砂粒が当たり始めて周囲を見るとこれまで快晴だった空が砂色に覆われて居たのであった。
所謂砂嵐である。
このままでは飛行も危険と判断し、一旦砂漠の上に降りたって、ゲートでいち早く自宅に逃げ帰るのであった。
ダンジョンに行ったと思ったら2時間もせずに午前中の内に戻って来た俺に心配のこえを掛けるマーガレット。
「大丈夫だよ。何か急激に砂嵐に見舞われてね。危険そうだったし実際移動出来そうになかったから、無理せずに帰って来ただけだよ。」と言って砂嵐の状況を説明してやると見た事の無い砂漠やその砂嵐を興味深そうに聞いているのであった。
まあ実際、ホバー移動とかで移動出来なくもないと思うのだが、視界の悪い中で無理してて、サンド・ワームにおそわれでもしたらシャレにならないし、意味は無いので退避が正解だろう。
そんな訳で本日はお休みとしたのであった。
俺のダンジョン話を楽しみに帰って来たマリーに砂嵐の為に休みにした事を言うと少しガッカリした様であったが、砂嵐の視界の悪さや危険度を説明すると納得してくれたのであった。
そんな訳で迎えた翌朝、一昨日のマーカーの所までゲートで戻ると、砂嵐は収まってまた初日の様なギラギラの太陽と砂漠の照り返しが俺を迎えてくれたのであった。
また、上空に上がってウィングスーツによる滑空を再開する俺。
暫く飛んで居ると、これまでの一面の砂だらけの景色と代わって、砂の上の所処に大きな岩が見え隠れし始めた。
まるで砂漠の下に岩場が埋まって居る様な景色である。
そうして上空を滑空して居たが不意に強力な外敵の気配を感知してその気配の方向を中止すると、巨大なガーゴイルが空に浮かんで此方に向かってなにやら攻撃を開始して来た。
どうやら、石化のブレス攻撃の様なのでそれを回避しつつ高周波ブレード使いながら空中戦をしようかと思ったが、流石に回避しつつでは懐まで潜り込む事が出来ず、極光を使った
ビームサーベルを使って遠距離攻撃を仕掛ける事にしたので一旦地上に降りる事にしたのであった。
さて、現在のこの身体の場合かなり魔力は増えたものの、まだまだ前世の身体の魔力量までには居たって居らず、魔力消費量の多いビームサーベルを使っての戦いをする場合魔力残量の状況を注意しなければならない。
そんな訳で着地と同時に極光を発動しつつ巨大ガーゴイルのブレスを避けてビームサーベルを横薙ぎに振り払って胴体に傷を負わせてギギギと軋む様な鳴き声を響かせた後、反撃のブレスを放つ前のアクションに入るのを確認して、再度首筋を狙って再度横薙ぎに再度出力を上げて振り抜いたのであった。
首にヒットしたビームサーベルで首半分程めで切れ込みを入れたので、その返す刀で袈裟斬りに反対側の首から切れ込みへ向かって更に出力を込めて振り切ったのであった。
これによって、首が完全に胴体と離れ、そのまま地上に落ちて行ったのであった。
折角大物を倒したので責めて魔石だけでもと思って胴体の落ちた場所まで行って高周波ブレードを使って、石で出来た胴体を慎重に切り裂いて魔石をカットして仕舞う事なく無事になかなかのサイズの魔石を摘出したのであった。
魔力の残量は満タン時の1/3程度である。このままウィングスーツによる滑空を続けるだけならそれだけあれば高1日は保つと思う。
まあ出来る所までは頑張ってゴールである仮装への階段を目指して行こうと思うのであった。
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