第341話 初めてのホームルームと正しい授業のサボリ方

「全員席に着く様に。私がこのSクラスの担任をするシェリーだ。」と栗毛のキリリとした秘書系美人の先生が自己紹介をする。


「まずはここ1ヵ月のスケジュール表を配るので各自で管理する様に! 特に選択科目等の授業選択の提出期日を忘れると悲惨な事になるから気を付ける様に。」と恐ろしげな脅しを付け加えて来たのだった。


「万が一忘れるとどうなるんですか?」と声に出して聞いてみたら、


「そうだな、必須単位が取れなくなるので留年だな。」と教えてくれたのであった。


うむ、確かに恐ろしい。1年が見事に無駄になるって事だ。


ただ怖い事ばかりでは無く、『単位免除試験』に合格すれば授業免除にもなるとか。


俺の場合魔法の授業は早めに『単位免除試験』を受けるとしよう。

必須教科は算数、王国学、貴族教養それに魔法か剣の選択教科他には錬金学も教科としてノミネートされていた。当初興味を持っていたこの世界の魔動具が余りにもショボかった事もあって錬金学ももうどうでも良いかなって感じになってしまって一時期は多少ワクワクしていたのに今ではトーンダウンしてしまっている。


イカンイカン・・・なんかこの学園全体の存在意義を否定する様な感じになってしまってないか?


兎に角ジェリー先生の説明によると『単位免除試験』は授業が開始して様子を見てからでも遅く無いらしいのでよくよく考えて行動しよう。


そんな感じに色々な説明を受けて1回目のホームルームは終了したのであった。



結局、俺は最低限度の授業を選択し、可能中限『単位免除試験』を受ける方向にして選択を済ませた。錬金学?勿論パスだよ。と言う事で思った以上にスカスカの授業になってしまい、算数の授業に関してはテキストを見て2回目の授業を待たずして『単位免除試験』を受ける決意をしたのであっった。


だって、中身が小学生レベルの内容で今直ぐ受けてもさすがに満点取れる自信があったからね。


そう言う訳で見事算数の『単位免除試験』をパスした俺は更に授業が減って面倒な『貴族教養』を真面目に受ける羽目にあってその授業だけで疲弊すると言う感じの日々であった。これは貴族の常識を教えてくれる授業で、口にはださないけれど兎に角驚く事が多かった。


まさか上手い見栄の張り方や、角の立たないお誘いの断り方とか、そんなの事を授業で教わる事になろうとはね・・・。


選択教科の魔法では速攻で『単位免除試験』を受けこれもパスし、入学して1ヵ月も経たない内に俺の授業は王国学、貴族教養の2教科のみとなった。王国学は主に国の歴史や周辺諸国の状況を教える内容でこれもテキスト丸暗記で行けたので、『単位免除試験』を受け、早々に合格を得てしまった。


これで残るは『貴族教養』だけなんだが、これが結構面倒であった。

俺の場合魔法を選択したが、剣と魔法の両方を選択する事も出来るので、本人にやる気があればダブルで選択してお国に尽くす騎士団に入ったりする事も可能である。

そう、余談だが騎士団に入るには剣を履修する必要があり、王宮魔法師団に入るには魔法を履修する必要があるのだ。

他にも、必須ではないオプションの授業で体術の授業等もある。


俺? 勿論余計な物は全く取らずに必要最低限のみで最小の労力を狙っているに決まっているだろ!?


そんな感じに授業の無い日は工房で『携帯魔動電話』のストック作りを続けそろそろ始めないといけないゲート建設の巡業をどうするかを考えていた。



残る授業は『貴族教養』だけである。これさえパスすれば授業が無くなりゲート建設の巡業に出られるのだ。

ゲイツさんに相談し、『貴族教養』の家庭教師を付けて貰って1ヵ月の集中講義を経て自信も付いた俺は『貴族教養』の『単位免除試験』を受ける事にしたのであった。


結果から言うとギリギリの点数で『単位免除試験』をパスする事が出来、俺は晴れて自由の身になり両手を広げて大きく万歳をしたのであった。


1学年の新入生がこの時期でここまでのスピードで『単位免除試験』をパスした事例は無いらしく、史上初との事だった。



これで、俺は1学年はスキップだが、なんと毎週月曜のホームルームには出席しないと駄目らしい・・・思わず忘れそうではあるがなるだけ出席する様に心懸けよう。



■■■


さあ、ゲート建設の旅に出よう!



まずは最初にゲルド伯爵領のゲルドの街にゲートで飛んで久々のゲルド伯爵にお目に掛かって『貴族教養』で習った貴族らしい挨拶を済ませて早速ゲートを建設予定地に作って王都とのテスト接続を済ませると、


「おお、これで王都との行き来が一瞬に・・・。あるがとう!」と大喜びしてくれたのであった。


一晩泊まっていけと勧めるゲルド伯爵を『貴族教養』仕込みでそつ無く躱して、一旦王都に戻って、次の目的地である北のハリス辺境伯領へと空に飛び立つのであった。


午前中にゲルド伯爵領を済ませた事で午後を全て移動に掛けられる。


この調子で ガンガン行こう!


毎晩王都にゲートで戻る事にして居るので基本日中だけ空の移動をウィングスーツで行う事となる。


春にはったとは言え、空の上はやはり少し冷え込む。


こうして久々に1人で自由な空に居ると気分が良い。


とは言え、全く自由って訳でも観光でも無く決められた通りの順番に残り65箇所にゲート建設しに行く訳だがな。



チャックポイントを通過しながら空の一部となって気持ち良く飛んでいると、不意に強力な気配と殺意が俺に飛んで来るのを感じ取って急激に火事を切ってコースを外れる。


その直後俺の真横を俺の急激な回避に着いて来られなかった大きい黒いが通過した。


ワイバーンである。


この世界に来て初ワイバーンである。


咄嗟に魔弾で対応しようとしたが、撃った魔弾は外皮で弾かれてしまい居たくも痒くもない感じであっった。


今度はストーン・ブリッドに変えて発射速度を上げて撃ち放った今度のは如何に硬いワイバーンでも痛かった様で、ギュギャーと言う泣き声を上げてホバリングして体勢を整えて反撃しようとしているのが判ったのでホバリングているところを眉間にスピンを加えたストーン・ブリッドの速度マシマシを連射下谷ったら、貫通こそしなかったが、脳震盪をおこしたようでそのまま街道に墜落して行った。


俺も直ぐ様後を追って地上に降り立って、痙攣して居るワイバーンの元へと駆け寄って、『高周波ブレード』で首を刎ねたのだった。


その瞬間ピコンと鳴ってレベルアップを知らせて来た。


現在のステータスは、


名前:トージ

称号:(御使い)/(大賢者)

AGE:12

LEVEL:14

HP:33/33

MP:850/875

力:39

知能:38

器用:41

俊敏:35

スキル:剣術C/格闘C/投擲C/身体強化/魔装/鑑定EX(アーカイブコンタクト型)/隠密E/(隠匿)/(日本の英知)/魔力感知C/魔力操作B/錬金D(A)/並列処理D

魔法:無S/土A(S)/火A(S)/水A(S)/風A(S)/光A(S)/聖D(S)/時空B(S)/生活/雷D(S)

※()内は魂に刻まれた才能値を表す一般には見えない


12歳になってレベルアップ時のレートが増えた様で言い感じにシテータスが伸びて居る、最近錬金に勤しんでいたのも良い感じに反映されていてワクワクしてしまう。


しかし、ワイバーンが落ちた街道上にに誰も居なくて幸いであった。


ただ街道沿いに居たワイバーンである、恐らく冒険者ギルドの方に依頼なり報告が入ってたんじゃないかと思うので近くの街に寄る事にしたのであった。

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