第337話 ゲートセンター着工
食事に和食や洋食系を混ぜる様にした事もあって風呂トイレの件と相まってスタッフ達の評判は非常に素晴らしく、半年間の期限付きの貸し出し期間後も我が家で働きたいと言ってくれるスタッフが増えてくれたので思わずニンマリとしてしまう。
さて、いよいよゲートセンターの着工となった。既に更地にはなっているが整地はされて居らず俺が土魔法でお得意の整地を行って石畳にに固めてカチカチに仕上げる。必要なゲート数は全部で67箇所分。
岩のゲートを築いてガガの分から開通させて、1個1個にゲートユニットを接続して廻って半日程度で王都側での作業は終了である。
さてここからは現地での工事巡業となるので唯一直接行った事のあるゲルド伯爵領以外はスンナリとは行かない。
そうそう、俺が叙爵した理由の1つに国家の最高機密である王国の地図を閲覧出来る様にする意味も含まれていたらしく、お陰で地図を閲覧して効率的な工事の順番を計画する事が出来た。
尤も地図と言っても元の世界の地図同様にお絵かきに毛の生えた程度の物で縮尺もいい加減でザックリとした街道と方向関係が正しいと思わしき程度の物だけどな。
俺はこの地図を元にチャックポイントとなる街や街道を通過して目的地へと向かう事となる。
とは言え、今は冬真っ盛りで各貴族の当主が領地に戻れない為にはるになって彼らが書く領地に戻れる様になる数ヶ月先まで待たねばならないのだ。実にタイミングが悪い。
既に作るべきゲートユニットは余分なストック分まで作り終えているのでゲートセンターの建設が終わった今としてはやる事が無い。
待ちの間にマーガレット殿下に貰った王立学園の入学試験勉強用の本で勉強して丸っと暗記した。ゲイツさんい聞いたところ、入学試験はにほんの学校と同じで都市を明けた2月から3月の2日間で行われるそうで、魔法や剣の実技の試験までで判断されるらしい。
最近全く実戦から離れて居るので魔宮の森に行って適当な肉でも狩って来ようと久々に冒険者スタイルに扮して魔宮の森を散策してオーク15匹を狩ってガガの冒険者ギルドに解体に出して肉を貰って久々にガガの自宅に帰って来たのであった。
「ただいま・・・。」と言って家に入るとマリーが飛んで来て抱きついて来たのだった。暫く見ない間にマリーの背は伸びていてちょっとお姉ちゃんになっていた。
「トージお兄ちゃん帰って来るの遅いよ!!」と口を尖らせるマリーが愛らしく、「ゴメンよ。色々忙しくてな。」と言って頭を撫でてやるのだった。
「お帰り、トージ。」と言ったママンを見るとちょっと見ない間にお腹が大きくなっていて、どうやら俺とマリーの弟か妹が出来るらしい事が判って、
「妊娠おめでとう。今度はどっちかな?」と言って微笑む俺だった。
そうか、弟妹が生まれるのか・・・その頃家に帰れれば良いんだけど、ちょくちょく帰って予定日とか聞いて置かないとだな。と心にメモする俺でだった。
あと1ヵ月位で入試、その後は授業の合間に工事の為の移動だろ!?長ハードスケジュールである。上手く連絡が取れる様に『携帯魔動電話』を使える様にしないといけない。
折角帰ったばかりだが一旦、王都の邸宅に戻って一室に元の世界で作った『コールセンターサーバ』を設置して稼働させた。
これで、この世界でも『携帯魔動電話』が使える様になる。俺用の『携帯魔動電話』と邸宅に残す連絡様の『携帯魔動電話』を出して使い方をゲイツさんに教えて使って見せると目を丸くして驚いて居るのだった。
そしてまたまたトンボ返りでガガの自宅に戻って1台の『携帯魔動電話』を出してママンに使い方を教えて、出産時等の緊急時に連絡をくれる様にとお願いしたのであった。
一応念の為パパン用のも1台渡して置いたので大丈夫だろう。
尤もママンの予想では実際の出産は夏ぐらいの筈と言ってたのでまだ大分先だ。
パパンが帰って来てから久々に俺が自宅で夕飯を作って家族にご馳走すると美味しいと喜んでくれたので心がホッコリ温かくなるのであった。
何気に王都での生活・・・特に1人での食事が精神的に堪えていたのかも知れないな・・・。
久々に家族全員で食べる食事は温かく作った自分で言うのもなんだけど非常に美味しい物だった。
こうして数日間ガガに留まり、心の休息を取った後、ゲイツさんからの連絡もあって引き留めるマリーを宥めつつ王都に戻ったのであった。
年が明ける頃までに先に叙爵の祝いパーティーを各貴族が王都に居る今の内にやるべきとの事で早速準備を始めるのであった。
ハッキリ言って案内状だけでウンザリする程に書かねばならぬのだが、ここは前世の世界で作った印刷機を使ってこの世界の紙にパカパカ刷って宛名書き以外は楽をさせて貰った。
意外にこの世界の紙質は良くて印刷の乗りが良かったお陰でとても楽をした物とは思えない出来映えになった。
この世界には勿論印刷機なんぞ無く一応てゲイツさんに驚かれてしまうのであったが、俺のする事に慣れてしまったのか『携帯魔動電話』の時程驚いてくれずにやや諦めた様な表情であった。
食事はサティスさんにお任せだが保管庫を厨房に設置したお陰でで効率化が出来る様になったお陰で少人数でも何とかなると胸を叩いて引き受けてくれたのだった。
俺も作り置き用のハンバーグ作りでもして手伝おうかと思ったのだが当主にそんな事はさせられないと拒否されてしまったのだった。
厨房はサティスさんに任せるとして問題はまだ他にあり、メイド長のケリーさんから、皿やコップやナフキン、それにフォーク等のカトラリーもパーティーをするには足り無いとの事で大至急買い漁る事になったのだった。
結局全ての準備が整い案内状を出せる段階になったのは12月の30日ギリギリで年明け早々に『宜しくお願い致します』パーティーが開催出来る様になったのだった。
俺の様な新興貴族は通常なにかと風当たりが強く虐められがちらしいのだが、今回俺の引っ提げたマジックバッグやゲートと言う餌が多き過ぎて自分達の利益に聡い貴族連中は人当たりの良さそうな顔で血数居て来るのであろう。とゲイツさんに時算に忠告された。
まあ近付いて来られても今出せる物も無し。また春になってヒュージ・フロッグ狩りに勤しんでからpartⅢを作るかどうかをジョージさんと相談しないとなんとも言えないのである。
俺としたら、今はマジックバッグよりもは『携帯魔動電話』をこの世界で普及させた方が良いと思うのだが前世と違いこの世界で作れるのは俺1人。弟子を取って教え込んだとしても使い物になるまでに何年を要するか想像もつかない。
蒸着魔方陣で細かい所で楽は出来ても全体として1台に相当な時間が掛かるので余りヤル気が起きないのだ・・・良くて1日10台くらい作れるだろうか?
その点だけで言うと、マジックバッグやゲートは非常に手離れが良く、良い収益を産んでくれる。
持ちネタとしてガラスディスプレーや魔動カメラ等もあるが、面倒さっと飛び付き度合いから言うとやはり次は『携帯魔動電話』だよなぁ~。
こうして発表場として最適なパーティー会場で『携帯魔動電話』を発表すべく、工房に籠もってコツコツと『携帯魔動電話』をこの世界でも作り始めるのであった。
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