第336話 新居と新しい生活

謁見の儀の翌日、国王陛下より賜った新居に住居を移す事となったが屋敷を管理する人材も何も居らずどうするかをゲイツさんに相談すると、当面の間王宮の方から屋敷の維持に必要な人材を貸してくれる事になって居り、そのアイ段位正式な人材を用意すれば良いとの事でホッと胸をなで下ろしたのだった。


まずは頂いた屋敷を見に行くと白壁の眩しい綺麗で立派な屋敷で、玄関から中に入ると王宮から回されたメイドなどが並んで居り一斉に「お帰りなさいませ。ご主人様」と声を揃えてて亜出迎えてくれた。


屋敷は3階建てで王都内の貴族の屋敷としては\割と広い方で伯爵家ランクぐらいの屋敷の広さだと言う事だった。



そこにガガ辺境伯の使者がやって来て俺への面談を申し込んで来た。


俺は即答ガガ辺境伯との面談を快諾してガガ辺境伯を応接室へと通し会談に及んだ。


「トージ殿、よく来られた。この度は襲爵おめでとうございます。と小難しい言葉使いは性に合わないのでざっくばらんに喋らせて貰うが良いかな?」と急激に砕けた喋り口調になるガガ辺境伯。


「ええ、初めましてトージと申します。私も余り畏まった喋り方は出来ないのでその方が助かります。」と挨拶を返す俺。


ガガ辺境伯の話の内容は正に俺が先程危惧して居た事その物で、人材に関してであった。


俺の場合ガガ出身の貴族となる訳なのでガガ様が寄親となってくれるらしい。


ガガ様曰く、まずは要となる執事を決めろと言う事で俺にアドバイスをくれたのだった。


何気に慣れたのでゲイツさんがこのまま家の執事になってくれれば有能そうだし助かるのだけど交渉してみるか・・・。


1時間程の話をした後、「何かあればゲートも在る事だし、王都のガガ邸でもガガの本邸でもどちらでも良いのでは無しをしに来る様に。」と最後に言ってガガ辺境伯が帰って行った。


玄関まで見送った後、ゲイツさんに

「ゲイツさん、今家の執事ってて誰になるの?」と尋ねると、


「現状一定期間の間は引き続き私が行う様にと申しつけられて居ります。もし他の者が宜しければ仰って頂ければ手ハイ致しますので。」と言われたのだった。


「いや、それを聞いて良かった。出来れば暫時でなくこのまま我が家に正式に仕えてくれる事にして貰えると助かるんだけど。考えてくれない? あと優先して決めなきゃ行けない庫ととか人材の補充方法とかのアドバイスが欲しいのでお願いします。」と尋ねておいた。


人材は商業ギルド経由でも募集が出来るが変なスパイも紛れ易いとの事であった。


執事はさて置き、早急に自立して決めるべきはメイド長で、今王宮から派遣されて来て居るメイド長は王宮のメイド長の仕込んだ時期居メイド長候補で有能な人物です。」と教えてくれた。


「なる程、じゃあ今そのメイド長を軸ににメイドを動かして貰いつつ、新しい人材を雇って仕込んで貰う感じで良いかな?」と言って現在のメイド長を商会して貰うのだった。


「私、王宮から派遣されて来た暫定のメイド長をさせて頂くケイトと申します。宜しくお願い致します。」とお辞儀をするケイトさん。


更に厨房を預かってくれる料理人のサティスさんを紹介して貰い近々にお米を使った主食に変更して貰おうと心の中で決める俺だった。


一通り人物の自己紹介と部屋割等の決め事もゲイツさん主体で執り行ったが、この屋敷の風呂の水周りが結構問題で、水こそ魔動具化はされてるものの、効率も悪くお湯は薪を使って湧かす必要があったりで、俺は真っ先に風呂の改造を引っ越し早々に行う事としたのだった。


ガガの我が家と同じ魔動具を取り付けて温水も水も魔動具で出せる様に改造し、トイレにも同様に魔動具を設置して悪臭の中トイレの清掃に悩まされたりしなくて済む様にしたのであった。


これらの変更後、全員が毎日お風呂に入って良い事と告げるとメイド長を含むメイド全員が歓喜して居た。


更に厨房に行って、薪で火を起こして煮炊きする竈の横に魔動コンロや水道等の水周りの改造をして使い方を教えると便利になっったとサティスさんが大喜びしてくれた。


無事に今夜からこの邸宅で暮らせる様になったのであった。


俺は自室と工房部屋だけを決めた後、全てをゲイツさんに委ねたのであった。


どうやら風呂とトイレの使い勝手の良さだけでも高評価だったらしく、メイド達ほぼ全員の心を掴んだ様で残留を希望する者が多いと思いますと後ほどゲイツさんが微笑みながら教えてくれた。


ただ、現状必要最低限の人材と人数のみの貸し出しの為メイドも庭師や御者等不足する人材も多くそれらは特に最優先で重要と言う訳では無いが貴族としての屋敷の品格を保つ為に早々に手ハイすべきと言われて商業ギルドに募集することにしたのであった。


新規に雇うメイドや庭師や侍従見習い等に関しては、可能な限り孤児院の卒業生を雇い入れる事をゲイツさんに打診して一応は承諾して貰ったのだった。


やはり一般的にこの世界でも孤児院卒園者に対する偏見が前の世界同様にある様で残念でなら無い。



そんな感じに怒濤の日々が終わり漸く見習いを含む人員が揃ったのは、引っ越しから2週間が過ぎた頃であった。


我が家の従業員達からの待遇や環境に対する評価は高く、サティスさんに頼んで炊いて貰う白米に対する評判もまず増すで徐々に和食化を謀って居る所である。


まあカテゴリーとしては洋食、ハンバーグも大好評でメイドを始めゲイツさんも大喜びで食べて居たらしい。


まあ不満と言えば、全員で一緒に食卓を囲もうと提案したのが却下された事で、今の所俺は毎回1人で飯を食っている。


ご飯の味自体は十分以上に美味しいのだが、1人で食う飯は味気ない・・・。


1月も過ぎて漸くここの生活にも慣れた頃漸く宰相閣下からの使者が来て、ゲートセンターの場所と建設するゲート数が決定したとの事であった。


貴族側の年間最低補償額を高額に設定し、それに達しなかった場合の馬鹿馬鹿しい追徴金を条件に入れたのも功を奏した様で結局、自然と伯爵領以上の都市を結ぶ感じに落ち着いたのは幸いであった。


これで採算の計算も出来ない様なアホな男爵家にまで出向いて建設する必要が無いのはありがたい。


更に補足すると今回特に海辺の都市や国防上に重要な砦の建設費を低価格にし、砦等に関しては1回の使用量の徴収免除としたのが非常に好評だった様である。



宰相閣下との打ち合わせを終えた後、俺はこれから、ゲートセンターを建設し、その後は王国全土の主要都市や砦の一部を全国行脚の旅に出る事となる。


既に各都市の方には俺が行くまでにゲート建設予定地を決定し終えて居る事を条件にして居るので、順調に行けば各都市の建設時間は1時間掛からない位で済むだろう。


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