第326話 避けて通れぬBランクへの道と王都への道 その1

さあまずはガラコさんご要望のヒュージ・ボア狩りをしたが、こちらも秋に向けて出現数が減って居る様で出会うまでに2日を費やした。


更に言うとヒュージ・フロッグはゲコリと鳴く声すら聞こえずシーズンの終了を物語って居た。


まさか俺が全部狩り尽くして全滅って事は無いと思うけど、今シーズンは既に駄目っぽい。


そして、漸くヒュージ・ボアを発見して狩り持ち帰った。


「ガラコさん、残念だけど今シーズンはもうこれでヒュージ・ボアは最後っぽいね。見つからなかったよ。」と俺が言うと


「そうか・・・判った。ありがとうよ。」と少し寂しそうに礼を言うのであった。


そして、漸く俺のBランクへのランクアップ試験のポイントが貯まったと言う事で試験を受ける事になったのだったが、この場Aランクの合パパンとの対戦となるらしい。


と言うのも前回前々回の対戦相手は既に格上扱いされて対戦拒否されているらしく、そうなるとガガの街のAランクって事でパパンがデフォって事になると言う・・・。


相手がパパンとなると俺としても勝ち難いので避けたいのだが俺に拒否権は無しである。


普通に剣だけでヤルと五分五分で勝負は時の運だが魔法有りなら俺に軍配が上がる。俺も心情的に勝ち辛いが、息子に公然の前でマケを晒すのも嫌だろうし、これはどちらも精神的に厳しいな。



ガラコさんから、


「帰ったらラージに明日、ランクアップ試験の試験官頼むって伝えて置いてくれ!」と言われて、家に帰ってパパンに伝えた。


すると凄く微妙な顔をしつつも、「そうか・・・判ったよ。負けないからな!!」と返して気合いを入れていたのだった。


ママンはそんなパパンと俺を見てニコニコ微笑んでいたけど、ママンもBランクだから場合によっては駆り出される可能性あったんじゃ?と思うんだけど、一応現役を退いたって事になっている見たいだからこその余裕だろうか?


まあどっちにしても魔法使いであるママンが前衛の試験に駆り出される事はないか・・・。



翌朝、昨日に引き続き微妙な顔のパパンと一緒に冒険者ギルドに出かけて行って、ギルド内に入ると、「うぉー!」と冒険者達が暢気に盛り上がって居る。


娯楽の少ないこの街で、今回の親子対決は良いマッチカードなのだろう。


賭けは、俺の勝ちに賭けてる者の数が圧倒的に多い様でそれを見たパパンがガックリしていた。


パパンも俺も同じ流派(パパンから習ったので)だし、そうすると魔法の引き出しが多い俺が有利って判断なのだろうけど、そう簡単にいかないのがパパンなのだよ。


前置きも無くそのまま裏の訓練場に促されて行きガラコさんの号令で試験が始まる。


俺は身体強化全開でダッシュを決めて横薙ぎに胴を狙うもパパンは木剣で軽くいなして流されて身体の向きを変えて俺を追撃して上段から袈裟斬りに剣を振り下ろした。


俺はそれを半身になって躱しつつフォース・フィールドの足場を蹴って背後に回り込んで逆袈裟斬りに斬り上げた。不規則な移動による攻撃にパパンが慌てて慌てて木剣を合わせて来るその勢いで搦め取られて木剣が明後日の方向に吹き飛んだのだった。

「参った。」とパパンが呟き俺が勝利を収めた。


「そこまで!良い勝負だった。」とガラコさんからのお褒めのお言葉を頂き、パパンと試合後の握手をした。そう俺はこの日晴れてママンと同じBランクの冒険者カードを手に入れたのであった。


さあ、これで、一応の目標も達成したし、大手を振って王都に行っても良い頃合いだろう。



Bランクに上がった後のご奉公と言う事で冬前の備蓄に貢献しようと魔宮の森でオーク狩りに精を出して8匹程狩ってガガの街に戻ると、そんな俺を商業ギルドの方から届けられたご大層な一通の手紙が待って居たのだった。


蝋で封印ささたその手紙の中身は王宮からで、11月25日までに『マジックバッグ』の産みの親である俺は王宮に出頭する様にと言う不吉な内容であった


この世界だが俺の知識を素にして作られて居るので、1年は12ヵ月で1ヵ月はここだけ半端で30日。1週間は7日で同じ。1日は24時間なのも同じ。


で、今日は10月30日なので、今から直ぐに馬車で発てば、間に合うだろうと言うギリギリの日数である。オリバーさんに聞いたら呼び出されたのは産みの親の俺だけらしく、ジョージさんは呼ばれて無いらしい。




まあ、確かに王都には行くつもりだったけど、慌ただしいなとボヤキつつ、その日の夕食時に王都(王宮)に呼び出されている事を伝えると須郷心配されたのであった。


「気に入らない事があっても決して斬るなよ!?」とパパンが物騒な事を言っていたが、そんな嫌な想いをしそうな気がしてならない・・・。


だが、この機会に固定式ゲートを売り込むのも手か!?と考えて固定式ゲートの試作品を急遽作る事にしたのであった。


必要な金属プレートを4枚鍛冶屋に作って貰い部屋で固定式ゲートユニットの魔方陣を描き込む。久々に作った固定式ゲートを裏庭に木枠を作って取り付けた。


テストは勿論良好で、パパンとママンを呼んで見せたら滅茶苦茶驚いていたのだった。準備も終わったので、翌朝北門から出て街道を小走りに走って、人目の無くなった所から上空に上がってウィングスーツで滑空を始める俺。


眼下の街道に沿って北上して行けば王都に到着する筈なので初めての俺でも迷う事は無い?


とは言っても何かも分岐があるので一応、途中の村や街の名前は商業ギルドでメモって来たので間違いは無いだろう。



分岐毎に右や左と言う簡単なメモと次の村や街の名前もメモってある。所謂簡易地図だな。


1時間も飛ぶと久々の長時間飛行で身体が強張ってしまうので、適度に休息を入れながらのひこうである。


3つの村をすっ飛ばして4つ目がスタンロード村、これがガガの領境の村となる。


ガガの街は領主ガガ辺境伯様の治める領都でもあるのだ。


この先はお隣のドルンゲルド伯爵領の街、今夜はドルンゲルドで一泊の予定である。


いやぁ~久々の旅は良いねぇ~。アリーシア達が一緒なら尚良かったんだけどな。と旅情に浸っているとそれを打ち消す様な出来事が。



ドルンゲルドまであとちょっとと言う所を不飛行中前方で剣戟の音と「ワオーーン」と言う遠吠えと、それに対応する騎士の声が。


「回り込まれるな!1匹ずつ仕留めろ!馬車には絶対に近づけるな!」と言う怒鳴り声、が聞こえて来た。


わぁ・・・お約束のパターンやん。

だが騎士は対人には強いかも知れないが、対魔物では弱くどう見ても劣勢であった。


高度と速度を落としつつ様子を見ていたが、時間の問題で全滅しそうであった。



しょうがないのでフワリと地面に降り立って、声を掛けた。


「助け要りますか?」と聞いてみると、


「ぼ、坊主危ないから早く逃げなさい!!」と俺の事を心配して逃げる様に忠告してくれたのだった。


どうやら良い人らしい。


「こう見えてBランク冒険者なので助太刀しますね。」と宣言して、馬車を取り巻くフォング・ウルフの群に、魔弾をパスパスと撃ち込んでワンショット・ワンキルで14匹を撃退すると、群はリーダーを失い壊滅状態、遁走するのであった。


「いやぁ~、坊主強いな。お陰で助かった。」と護衛の騎士の1人から改めてお礼を言われて、


「いえ、丁度偶然通り掛かっただけで。無事で何よりでした。ではこれで・・・」と答えて、通り過ぎようとしていると、馬車の中から待ったが掛かる。



「ちょっとお待ちになって・・・。屋敷にて正式なお礼を。」と言う可愛い女の子の声がする。


「申し訳ございません、私、王都に急ぎの依頼で参る途中でございまして、遅れると不敬になりますれば、ご容赦下さい。」と言ってサクっと身体強化を使って隠密セットで姿を隠してその場を去ったのだった。


彼らが見えなくなった所で上空に戻って一気に滑空してドルンゲルドで一泊の宿に有り付いたのであった。



ドルンゲルドの宿でのご飯はママンのご飯より味がちゃんとあって美味しかった・・・。


11歳って事で気を遣った宿屋の女将さんが大盛りにしてくれたのでお腹一杯食べられて非常に満足で眠りに付く事が出来たのだった。



------------------------------------------------------------------------------------------------ちらも秋に向けて出現数が減って居る様で出会うまでに2日を費やした。


更に言うとヒュージ・フロッグはゲコリと鳴く声すら聞こえずシーズンの終了を物語って居た。


まさか俺が全部狩り尽くして全滅って事は無いと思うけど、今シーズンは既に駄目っぽい。


そして、漸くヒュージ・ボアを発見して狩り持ち帰った。


「ガラコさん、残念だけど今シーズンはもうこれでヒュージ・ボアは最後っぽいね。見つからなかったよ。」と俺が言うと


「そうか・・・判った。ありがとうよ。」と少し寂しそうに礼を言うのであった。


そして、漸く俺のBランクへのランクアップ試験のポイントが貯まったと言う事で試験を受ける事になったのだったが、この場Aランクの合パパンとの対戦となるらしい。


と言うのも前回前々回の対戦相手は既に格上扱いされて対戦拒否されているらしく、そうなるとガガの街のAランクって事でパパンがデフォって事になると言う・・・。


相手がパパンとなると俺としても勝ち難いので避けたいのだが俺に拒否権は無しである。


普通に剣だけでヤルと五分五分で勝負は時の運だが魔法有りなら俺に軍配が上がる。俺も心情的に勝ち辛いが、息子に公然の前でマケを晒すのも嫌だろうし、これはどちらも精神的に厳しいな。



ガラコさんから、


「帰ったらラージに明日、ランクアップ試験の試験官頼むって伝えて置いてくれ!」と言われて、家に帰ってパパンに伝えた。


すると凄く微妙な顔をしつつも、「そうか・・・判ったよ。負けないからな!!」と返して気合いを入れていたのだった。


ママンはそんなパパンと俺を見てニコニコ微笑んでいたけど、ママンもBランクだから場合によっては駆り出される可能性あったんじゃ?と思うんだけど、一応現役を退いたって事になっている見たいだからこその余裕だろうか?


まあどっちにしても魔法使いであるママンが前衛の試験に駆り出される事はないか・・・。



翌朝、昨日に引き続き微妙な顔のパパンと一緒に冒険者ギルドに出かけて行って、ギルド内に入ると、「うぉー!」と冒険者達が暢気に盛り上がって居る。


娯楽の少ないこの街で、今回の親子対決は良いマッチカードなのだろう。


賭けは、俺の勝ちに賭けてる者の数が圧倒的に多い様でそれを見たパパンがガックリしていた。


パパンも俺も同じ流派(パパンから習ったので)だし、そうすると魔法の引き出しが多い俺が有利って判断なのだろうけど、そう簡単にいかないのがパパンなのだよ。


前置きも無くそのまま裏の訓練場に促されて行きガラコさんの号令で試験が始まる。


俺は身体強化全開でダッシュを決めて横薙ぎに胴を狙うもパパンは木剣で軽くいなして流されて身体の向きを変えて俺を追撃して上段から袈裟斬りに剣を振り下ろした。


俺はそれを半身になって躱しつつフォース・フィールドの足場を蹴って背後に回り込んで逆袈裟斬りに斬り上げた。不規則な移動による攻撃にパパンが慌てて慌てて木剣を合わせて来るその勢いで搦め取られて木剣が明後日の方向に吹き飛んだのだった。

「参った。」とパパンが呟き俺が勝利を収めた。


「そこまで!良い勝負だった。」とガラコさんからのお褒めのお言葉を頂き、パパンと試合後の握手をした。そう俺はこの日晴れてママンと同じBランクの冒険者カードを手に入れたのであった。


さあ、これで、一応の目標も達成したし、大手を振って王都に行っても良い頃合いだろう。



Bランクに上がった後のご奉公と言う事で冬前の備蓄に貢献しようと魔宮の森でオーク狩りに精を出して8匹程狩ってガガの街に戻ると、そんな俺を商業ギルドの方から届けられたご大層な一通の手紙が待って居たのだった。


蝋で封印ささたその手紙の中身は王宮からで、11月25日までに『マジックバッグ』の産みの親である俺は王宮に出頭する様にと言う不吉な内容であった


この世界だが俺の知識を素にして作られて居るので、1年は12ヵ月で1ヵ月はここだけ半端で30日。1週間は7日で同じ。1日は24時間なのも同じ。


で、今日は10月30日なので、今から直ぐに馬車で発てば、間に合うだろうと言うギリギリの日数である。オリバーさんに聞いたら呼び出されたのは産みの親の俺だけらしく、ジョージさんは呼ばれて無いらしい。




まあ、確かに王都には行くつもりだったけど、慌ただしいなとボヤキつつ、その日の夕食時に王都(王宮)に呼び出されている事を伝えると須郷心配されたのであった。


「気に入らない事があっても決して斬るなよ!?」とパパンが物騒な事を言っていたが、そんな嫌な想いをしそうな気がしてならない・・・。


だが、この機会に固定式ゲートを売り込むのも手か!?と考えて固定式ゲートの試作品を急遽作る事にしたのであった。


必要な金属プレートを4枚鍛冶屋に作って貰い部屋で固定式ゲートユニットの魔方陣を描き込む。久々に作った固定式ゲートを裏庭に木枠を作って取り付けた。


テストは勿論良好で、パパンとママンを呼んで見せたら滅茶苦茶驚いていたのだった。準備も終わったので、翌朝北門から出て街道を小走りに走って、人目の無くなった所から上空に上がってウィングスーツで滑空を始める俺。


眼下の街道に沿って北上して行けば王都に到着する筈なので初めての俺でも迷う事は無い?


とは言っても何かも分岐があるので一応、途中の村や街の名前は商業ギルドでメモって来たので間違いは無いだろう。



分岐毎に右や左と言う簡単なメモと次の村や街の名前もメモってある。所謂簡易地図だな。


1時間も飛ぶと久々の長時間飛行で身体が強張ってしまうので、適度に休息を入れながらのひこうである。


3つの村をすっ飛ばして4つ目がスタンロード村、これがガガの領境の村となる。


ガガの街は領主ガガ辺境伯様の治める領都でもあるのだ。


この先はお隣のドルンゲルド伯爵領の街、今夜はドルンゲルドで一泊の予定である。


いやぁ~久々の旅は良いねぇ~。アリーシア達が一緒なら尚良かったんだけどな。と旅情に浸っているとそれを打ち消す様な出来事が。



ドルンゲルドまであとちょっとと言う所を不飛行中前方で剣戟の音と「ワオーーン」と言う遠吠えと、それに対応する騎士の声が。


「回り込まれるな!1匹ずつ仕留めろ!馬車には絶対に近づけるな!」と言う怒鳴り声、が聞こえて来た。


わぁ・・・お約束のパターンやん。

だが騎士は対人には強いかも知れないが、対魔物では弱くどう見ても劣勢であった。


高度と速度を落としつつ様子を見ていたが、時間の問題で全滅しそうであった。



しょうがないのでフワリと地面に降り立って、声を掛けた。


「助け要りますか?」と聞いてみると、


「ぼ、坊主危ないから早く逃げなさい!!」と俺の事を心配して逃げる様に忠告してくれたのだった。


どうやら良い人らしい。


「こう見えてBランク冒険者なので助太刀しますね。」と宣言して、馬車を取り巻くフォング・ウルフの群に、魔弾をパスパスと撃ち込んでワンショット・ワンキルで14匹を撃退すると、群はリーダーを失い壊滅状態、遁走するのであった。


「いやぁ~、坊主強いな。お陰で助かった。」と護衛の騎士の1人から改めてお礼を言われて、


「いえ、丁度偶然通り掛かっただけで。無事で何よりでした。ではこれで・・・」と答えて、通り過ぎようとしていると、馬車の中から待ったが掛かる。



「ちょっとお待ちになって・・・。屋敷にて正式なお礼を。」と言う可愛い女の子の声がする。


「申し訳ございません、私、王都に急ぎの依頼で参る途中でございまして、遅れると不敬になりますれば、ご容赦下さい。」と言ってサクっと身体強化を使って隠密セットで姿を隠してその場を去ったのだった。


彼らが見えなくなった所で上空に戻って一気に滑空してドルンゲルドで一泊の宿に有り付いたのであった。



ドルンゲルドの宿でのご飯はママンのご飯より味がちゃんとあって美味しかった・・・。


11歳って事で気を遣った宿屋の女将さんが大盛りにしてくれたのでお腹一杯食べられて非常に満足で眠りに付く事が出来たのだった。



-----------------------------------------------------------------------------------------------読者の皆様どうもです。

歯痛に喘ぐ私です。

多分神経的な物なんだと思うのですが、噛むと痛くて食事がヤバイです。

以前買ったレトルトのお粥ぐらいしか食べられないかもです。

虫歯までじゃないと思うのですけど、困った物です。

ホントジジイになりたくないですね!

皆様も歯はお大事に! ご飯食べられなくなるので。

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