第318話 ランク・アップへの道 その2(残酷描写あり)

どうもです。m(__)m

本話は残酷描写を含みますので苦手な方は読み飛ばす様にお願い致します。


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流されるままに依頼を請けて早4回目。


今回はCランクに上がるまでに必須となる盗賊の始末である。


この世界でもやはり冒険者崩れ等が盗賊に身を墜とす例も少なくない。


まあ盗賊と言っても今回の依頼のは7名程の少人数だし俺の腕前を買ってくれてるガラコさんからソロでもイケると太鼓判を押して貰えたらしい。


盗賊のアジトは不明だが、西門からでた街道沿いのサンドラ峠の麓辺りに出没する『紅の鼬(イタチ)団』と言うウケを狙ったネーミングの盗賊7人組である。


尚、こう言う依頼の場合生死はとは無いのがお約束で、もし生かして捕らえた場合、引き渡し時に犯罪奴隷として売った場合の金額が懐に入って来るのでウマーとなる。


とは言うものの、現地から制圧した盗賊をゾロゾロ連れて来るのは非常に大変なので無闇に殺生はしたくないが無駄な苦労をするかが悩み所である。


ただ、相手は何人も人を殺している犯罪者。アリーシアの例もあるし、俺的には全く同情の余地は無い。


俺としては復習もアリだと常々思って居るので、被害者と同等以上の苦しみを味わうべきだと個人的に思っている。


まあ、それで被害者の魂が浮かばれる訳では無いけど、『帝国への復習時』の気持ちと同じだな。


今朝も冒険者ギルドで依頼を請けて西門に出向き、ギルドカードを衛兵に見せてテクテク歩いて門を出て5分位離れた所で、上空へとゲートで上がってウィングスーツでサンドラ峠方面へ街道上空をを西に進む。


フフン~フン♪と鼻歌交じりでご機嫌な快晴の空のフライトである。


遙か前方右手に峠道っぽい物が見えて来た。


どうやら、あれが件のサンドラ峠だろう。ソロソロ下に降りて街道を歩いて行った方が釣り易いだろう。


『可愛い』子共の一人歩き旅。これは最高の餌だろう。


ああそうか!そう言う意味もあってこの依頼を俺に回したのか!? やるな、ガラコさん。


俺は腰に帯剣していたパパンから買って貰った大事な小剣を『時空間庫』に仕舞って道端の脇から拾った小枝を剣の様に振り回しつつ『無邪気な』少年を装う。


俺は周囲の気配を探りつつ西に向かって街道を歩いていたら、ソロソロ報告の在ったポイントと思しき場所で数人の反応が街道脇の林の中に在った。


数は7つ、ドンピシャだ。良いぞ!『紅のイタチ団』・・・フィーーッシュ♪ と内心上機嫌な俺。


すると7名が一斉にザッと俺の行く手を阻む様に立ち塞がって

「おう、怪我したくなけりゃあ坊主大人しくしろ!バカ野郎、お前は後ろ側の逃げ道を塞ぐんだろうが!」と下っ端そうな2人に叱責しつつ俺に恫喝する。詰めの甘い『紅のイタチ団』


いや、もしかして人違いって事もあるか?と思い直し、


「や、止めて下さい、も、もしかしてあの有名な『紅のイタチ団』ですか?」と問うと、ボス格の奴がちょっと嬉し気に

「応よ!何?俺達はそんなに有名なのかい?」と聞いて来た。


「ええ。それはもう。なんでもガキの冒険者に手も足も出ずにに討伐される間抜けな盗賊団って事で有名ですよ。」と俺が答えながら、魔弾で次々と足と両肩を撃ち抜いていく。


「ギャーー!痛ぇー!」と言う汚いダミ声の絶叫が辺りに響く。


「な、何をしやがった!?痛ぇ~俺達が何したって言うんだよ?」といつの間にか被害者ポジションに収まろうとするオッサン鼬団

「何って自分達が一番知ってるだろうに・・・。向こうの林の木を見てて、オジサン達。ホイッと。」と言う掛け声と共にストーン・ブリッドの炸裂弾を直径50cm位の立派な木の根元辺りに発射すると、ズッコーン♪と言う爆音と共に木の幹に大穴が空いてメキメキとおとを立てて臼路側に倒れたのだった。


「良い?射程500m位で外す事はないから、バラバラになりたくなかったら、逃げずに俺の聞く事に素直に答える様に。良いか?」と俺が言うと凄い勢いで全員が頷く。


「じゃあ、アジトは何処に在るの?」と聞くが誰も素直に話そうとしないので、『高周波ブレードを出して、1人の腹をグサリと刺した。ギャーー!』と絶叫する刺された男。もうこうなるとこの男は使えないし、残存魔力量の問題もあるyので回復魔法を試す木も無いので残酷だがサクっと首を刎ねて楽にしてやった。

いきなり横の男の首が自分の方に転がって来て隣に横たわる男が失禁してビビってアウアウと呻いて居る。


「はい、先着1名のみ助けます。残りには先立った仲間の元へ旅立って貰います。アジトは何処ですか?」と俺が問うと、ボス格の男が、

「アジトはここから、山の麓の方に向かった所の崖にある洞窟にある。」と素早く早口で告げたのだった。

「あ、お俺が言おうとしたのに・・・。」と後追いで叫ぶ残りの5名だったが、

「じゃあ最後の質問。この『紅のイタチ団』のボスは誰ですか?」と聞くと先にゲロった男の方を残りの5名が向いたのであった。


「これからアジトをチェックして来るから、全員ここで大人しくしとけるか?」と言って、街道上から脇の方に無属性の触手で無理矢理引き摺って移動して、武装を解除した後、牢獄代わりのドームを作って中に放り込んで置いた。


直ぐに上空に昇ってウィングスーツで街道脇の林上空を滑空して山の麓の崖を発見して確認すると本当に洞窟があって、地上に降り立ち洞窟内部を探検すると、ポンコツな『紅の鼬(イタチ)団』の割にかなりのお宝をストックしていた。


幸いな事にあの時のアリーシアの様な女性はここには居らず、金貨の入った革袋数個や物品の入った木箱に武器や酒のみだったのでちょっとホッとしたのであった。


そして洞穴から出た後は魔物が住み着かない様に洞穴を埋めてしまった。


何だかんだで、午前中だけで、依頼が片付いたわけだが、彼奴らをどうするか?


ここからガガまで徒歩だと4時間位掛かる。『馬車』でも1時間だ。


そうそう、この世界には竜車でなくて馬車があるのだ。厳密に言うとバトル・ホースと言う魔物らしいのだが、外見はまんま馬である。


歩きはは無しだし、連れて行った方が金になるし、手を汚さずに済むのだ。


色々考えた結果、俺は、目を瞑らせてゲートを使ってショートカットさせる事にしたのであった。


ドームを解除した後、奴らを数珠繋ぎに拘束して目隠しで目を覆った後、傷を軽く止血程度に回復し、ロープを引っ張りゲートを通過した。

30分程歩いた所で西門の衛兵が見えて来た。


子共が大人(1人は生首を持って居る)を拘束してロープで引き摺る様は異様だったらしく、衛兵2人が飛んで来たのだった。


「おい、坊主、これは?」と青い顔で聞いて来る衛兵の兄ちゃん。

「どうも。此奴ら『紅のイタチ団』って盗賊です。連行して来ました。7人組で1名は首を刎ねました。」と俺が生首を持つ男を指差すと、若い衛兵の兄ちゃんには刺激が強かった様で嘔吐いていたのだった。


そんなハプニングもあったが、何とか全員分の引き渡しも終わり、依頼書に衛兵のサインも貰った。

犯罪奴隷の買い取り金額の受け渡しは翌日場内の衛兵の詰め所で引き渡されるらしい。


今回は見せしめの為とは言え、この世界でも人を殺めた訳だが、特に後悔も何も無い。日本に居た頃なら耐えられなかったであろうが、この世界に来た所為か前世同様に精神的な耐性があるらしい。


とは言え、別に残虐を好む訳でも殺人鬼と言う訳でも無い。


進んで殺したくは無いが、自分と自分の家族や仲間を守る為には仕方が無い・・・。


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