シーズン2
第306話何時か見た部屋
読者の皆様どうもです。
シーズン2始めました!
最初の方はユルユル投稿となりますので御了承下さい。m(__)m
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何か懐かしい見覚えのある天井が見えた気がする。
見廻すと壁のモニターには見た様な家の中に横たわる俺らしき人物の食い残しと黒竜丸があった・・・。
どうやら救援も間に合わずに俺は2度目の死を迎えたらしい。
と言う事は?と下半身を見ると丸出し状態だったので慌ててパンツをイメージして履いた状態にしてやると、聞き覚えのある声がした。
「遅かったのじゃ!!妾はズーッと待っておったのじゃぞ!?」と懐かしいナンシー様の声がしたのだった。
「ナンシー様??」と俺が声を掛けると、
「そうじゃぞ!お主が名付けた女神ナンシーじゃ。」と肯定するナンシー様
「試験の折は大層世話になったの。お陰で妾も一国(世界)の主(創造主)じゃ。」と誇らし気に言うナンシー様は以前とは違って随分とお育ちになって推定Dくらいになって居る。
「大変ご立派におなりにならされて・・・。で、私がこの状態でのこ部屋に居ると言う事は結局死んだと言う事ですね? アリーシアや子供達に・・・逢えないままに死んじゃったと。」と家族の顔を思い浮かべ思わず胸が一杯になる俺。
「まああの状態では仕方無いじゃろう。でも安心するが良い!妾がお主の要望を素にして作った『エーデル界』と言う妾の管理刷る世界への転生が待って居る故にの。」と自信満々に言うナンシー様。
「いや、安心云々の話で無く、もう家族に会えない事が問題なのですけど・・・。ちなみに無理を承知で聞きますが元の女神マルーシャ様の世界に戻る事なんかは出来ないですよね?」と聞くと、
「いや、それこそ管轄も違うし、折角妾の世界用に引っこ抜いたのに無茶言うのぉ~。折角お主の願っておったレベルのある世界をお主の記憶のママに構築したと言うのに・・・。」と少しイジケるナンシー様。
「おお、レベルのある世界にされたんですか?それはそれでちょっとだけ惹かれる物がありますね。」と言う俺に、
「じゃろう?」とニヤリとするナンシー様。
聞けばこの世界は元の世界と時間軸が違って世界が完成して早1万年位は経過し、人族の有史以来では2千年程度が過ぎた頃で元の世界と同等程度の文明発展具合との事。
故にだが時差のある元の世界には戻る事は難しいらしい。時間軸境界線を越えるのが不可能とかなんとか・・・。
ああ、アリーシア・・・、サチちゃん、コータ、そしてまだ幼いユーキちゃん! すまない!多分残して来た全てで一生安泰に暮らせる筈ではあるが、しかし、戻る事も合う事も出来ないのは辛過ぎる。
そして一頻り心の中で泣いた後、ナンシー様の『エーデル界』についての知識をレクチャーして貰うのであった。
重要な事だがこの世界にはレベル、スキルが存在し、努力すればする程にレベルやスキルに反映される報われる世界らしい。
だが、俺の場合魂に紐付けされた前世の情報があるのでこの『エーデル界』用にコンバートした物からスタートとなるらしい、つまり強くなって『newgame』って事だと。
それじゃあ興ざめって言うか面白く無いって思ったんだけど、元の世界以上に魔物も強く、野生の竜(ドラゴン)も居る世界なので、初期状態でリスタートすると、開始位置によっては直ぐに死んで『theEND』らしい。
「現実世界故に残機やsave機能なんか無いのでな。決して甘く見ない事じゃ。なぁ~に、元の世界の情報でマージしたセルキルもレベルも身体に馴染んで居らぬ故に直ぐに使う等出来ぬし、魔法に関しては特に一定の訓練が必要じゃろうて。それに10歳まではちょっとばかり、基本性能の良い只の普通の子共じゃ。」と言うナンシー様。
その事からそれ程桁違いににチートスタートでは無いと言う事らしい。
前世の魂の数値が今世の身体に馴染むのに約10年が必要とか何とか・・・。
それに、そう簡単に死なれてはどうやら困るらしい。どうやら、直接命じる訳では無いけどこっちの世界でも前同様に文明を発展させろ!と言うのが根底にあるらしい。
思わず「えーーー!?またやるのかよ!?」ってブーイングしてしまう俺。
流石に同じ事を2度もやるのは勘弁だし、それに醤油や米の無い世界で食文化を発展させるなんて無理ゲー過ぎる。
と思ったら、そんな俺の思いを読んだかの様に補足するナンシー様。
そもそも俺の要望する世界の記憶を『素』にして作った世界故に、米も勿論、醤油も味噌も上手く『偶然』に発見されて居るらしい。
とは言え、じゃあ食文化の発展は無理かと思ったら、日本の食文化の英知を持って居るのは俺だけで十分にこれからイケると言うが・・・。
前の世界では、『女神の英知』があった訳だが、あっちの世界の英知があってもこっちとは理が違うので意味が無く、その部分はアンインストールされて別の物(スキル)に置き換わると言う自治だった。
「そうじゃ、現在の魂のステータスを確認してみてはどうじゃ?」とナンシー様が促した。
それもそうだな。兎に角現状を把握しないと何も始まらないな。
ステータスと呟くと脳裏にゲームの様なステータス画面が思い浮かぶ。
名前:トージ
称号:(御使い)/大賢者
AGE:0
LEVEL:0
HP:0/
MP:0/
力:0
知能:0
器用:0
俊敏:0
スキル:剣術/格闘/投擲/身体強化/魔装/鑑定EX(アーカイブコンタクト型)/隠密/(隠匿)/(日本の英知)/錬金(A)
魔法:無F(S)/土F(S)/火F(S)/水F(S)/風F(S)/光F(S)/聖F(S)/時空F(S)
※()内は魂に刻まれた才能値を表す一般には見えない
ナンシー様の説明によると、HPやMP、力俊敏等は身体のコディションや習熟度にに依存するので現状の魂の状態だと意味が無いので0の状態だとか。
尚、今回は前回と違って木の下に用意された専用ボディーが在るわけでは無いと言う事で、普通に赤ちゃんとして生まれ、10歳までは前世の記憶も前々世の記憶も無い普通の少年として育つらしい。
このエーデル界では10歳の誕生日月に『開花の儀』を行いステータスを得るらしい。うむ、異世界物でよくある設定だな。
ちなみに、10歳まで前世等の記憶が戻らない事は彼方に残した家族の事で気を病む事の無い様にと言うナンシー様の温情でもあるらしい。
そして全ての説明も終わった頃にナンシー様が、
「そろそろ時間じゃ、今度こそ長い人生を楽しむのじゃぞ!」と言って笑顔でてを振って居た
薄れ行く意識の中で、徐々に今までの思い出が走馬灯の様に駆け巡って行く。
結婚した時、初夜の時、杯目手サチちゃんが生まれた 時、コータが産まれた時、ユーキちゃんが生まれた時・・・
「ああアリーシアよ、子供達よ・・・一目でも会いたかった・・・。」と心の中で呟きつつ意識が無くなり暗闇に積まれるのであった。
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