第303話 不穏な地震 その5
3時間程の仮眠の後に身体を揺り動かされて目覚める血と、かなり通路がエグい事になっていた。
上手く高さの嵩上げが出来なかった様で左側だけ高さが低くもうちょっとすると突破されそうな状態であった。
俺は状況を把握して、脳みそを起動しつつゲートで左側の通路の城壁へと移動して、
「城壁を嵩上げするぞ!」と王宮魔法師団に声を掛けて一気に10m程嵩上げし、残りの城壁もそれに合わせる様にかさあげしたのだった。
今思えば通路に5mくらいの溝を予め掘って置けばもう少し保ちが良かったかも知れないな。
取り敢えず、左側に合わせて右側も嵩上げを行って、城壁の上から通路に向かって短時間の『レザーサーベル』を使って殲滅するのであった。
通路の向こうのモノリスを配置した闘技場では、家の子供達の奮闘によって、上手く処理が追い付いており、クールタイムを利用して塔婆tした亡骸の回収も時々行って居るみたいだった。
魔力を確認すると、先程の補給と仮眠で、総魔力量の3/5位までは復活しており、引き続き、漏斗部分へ戻って横から魔物の間引きを行える位には活躍出来そうである。
要は通路に入って来る前に潰せば良いのだ。そうすれば今のローテーションでも十分に処理出来る筈である。
とは言え、王宮魔法師団や魔法学校の生徒、それに孤児院出身の家の子達の総魔力量はそれ程多く無い。一番高いサチちゃんとガスリー君、コータで残量がどれ程かによるが、最悪マッシモまで撤退して仕切り直しも考慮しないといけない。
俺は空中から移動して、魔物の群の真横から、『レザーサーベル』を使って横薙ぎにブンと一薙ぎ振って後方の大物等を多めに抹殺して今度は確度と場所を変えて更に2回、3回と大物狙いで広域に間引きする。
これで多少は通路の方も回し易くなるんじゃないかな?
睡眠後で多少魔力が復活したからと言って大盤振る舞いしているとアッという間に空っ穴になるので自重が需要だ。
すると上空のジョニー殿下からの電話があって、闘技場の方のモノリスの処理が魔力切れ者が続出で回し切れなくなったとのヘルプ要請があったとの事だった。
慌てて子供らの受け持つ闘技場の方にゲートで移動して、先程同様に両手に『高周波ブレード』を構えてブオンブオンと双剣を振り回して敵をなぎ払う俺。
「魔力切れの奴は後方に退避して休息入れて魔力の回復に努めよ!決してそこに留まるな!安全地帯まで纏まって退避しろ!!」と大声で怒鳴って指示を飛ばす。
最悪ここ全体を放棄して一旦マッシモに戻って籠城しつつ、魔力の回復後に討って出る方が勝機がある。
コロセウム状の観客席の様な所から攻撃していた子供達全員が退避を完了したのを確認しつつおれは只管に斬って斬って斬りまくっていたが流石の俺も1時間近く斬りまくって些かつかれが出て来た。
そろそろ、一旦退避すべきだろう・・・と上空の飛行船を見ながら、予め決めて居た合図のファイヤーボールを上空に打ち上げると、通路の方からも、了解したとのファイヤーボールが2発打ち上げられた。
これで通路側の人員も退避刷る手筈になっている。ここに残って居るのは俺1人の筈である。俺は斬りまくりながら、『ミスト・バーン』を発動し始め残る魔力を練って気化爆発用の魔力の靄を放出し始める。
通路で誰も削らなくなった事っで、漏斗から雪崩混んで来る魔物が素通しでドンドンと靄に包まれた闘技場へとやって来てかなりの密度になってきた。ここでミスト・バーンを発動すると、モノリスが悲惨して良い感じに被害を増幅してくれるだろう。
心の中でカウントダウンをしながら、ゲート起動して逃げる準備を済ませた。
チュッドーーーン!と言う爆音と一瞬遅れた衝撃波が俺の退避先の上空まで伝わって来た。
下は魔物の阿鼻叫喚の地獄と化しており、モノリスが飛び散った事で闘技場とコロセウムとを隔てていた一部の壁が破損してしまっている。
しかし、飛び散った魔物の亡骸の所為で酷い有様で、ちょっと修復しに行きたくはない感じである。
尤も先のミスト・バーンで総魔力量の残量が1/3程度まで落ち込んで居るので俺もジョニー殿下の飛行船に一時撤退である。
これで上空から見た感じでは、全体の半分以上の魔物は殲滅したと思われる。
森から溢れる魔物の量は極僅かに見える事からかこれからは収束に向かっていると思っても良さそうだ。
飛行船ではジョニー殿下が「お疲れさん、最後の爆発でかなりの数を殲滅出来たと思うよ。森から浸み出す様に溢れて居た魔物の数もパラパラ程度になって来てるし。まあいまの家に一休みしてくれ。」と笑顔で出迎えて褒め称えてくれたのだった。
「ええ、ちょっと食って休ませて貰います。魔力残量も少ないので。」と言って愛妻弁当を取り出して、ジョニー殿下と一緒に微笑み長田弁当を頂く。
そして、食後は状況の変化があれば起こして欲しいと伝えて毛布に包まってコントロールルームの床の上で横になって直ぐに爆睡するのであった。
2時間位寝た頃に、俺の電話が鳴り響く。
ガバッと起きて寝ぼけつつ電話に出ると、エルフの里のエルダさんからで、エルフの里に魔物の群がやって来て現在籠城中との連絡だった。
魔力の回復量を見ると、総魔力量の3/5程度だが、もう一暴れは十分に可能である。
あのエルフの里は俺にとっても重要なソイの里である。
「直ぐに救援に行く!」と電話を切って、ジョニー殿下に方向を指示してエルフの里の上空まで飛行船を廻して貰う。
「わぁ~・・・こっちにもこんなに廻って来たのか。殆どをあっちに誘導出来たつもりだったのに。ジョニー殿下、最悪先に住民を避難させて貰えますでしょうか?出来る限り殲滅して来ます。」と言い残して眼下のエルフの里にゲートで降り立ち、大声でエルダさん達を集めてゲートで一旦飛行船に退避して貰ったのだった。
俺達の築いた城壁も門もまだ健在で城壁の外にゲートで移動して、両手に『高周波ブレード』を纏って此方に流れて来た魔物共を斬り散らかす。
1時間程斬りまくった頃、残りの魔物を威嚇して追いやりある程度纏まったのを見て俺は『レザーサーベル』を使って一気に殲滅して生き残りを各個撃破して廻った。
どうやら、これでエルフの里は無事だろう・・・。
思わずヘナヘナと地面に座ってフゥ~と大きく溜息とも深呼吸ともつかない物を1つついて、クリーンを掛けて飛行船へと戻ったのだった、
一応念の為エルダさん達にはこの一件が落ち着くまで、マッシモに避難して貰う事にしてゲートで移動して貰う。
折角少し回復した魔力だがまた2/5まで減ってしまい、また床の上で休息に入るのだった・・・。
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