第302話 不穏な地震 その4
さて決戦の朝だ。昨晩はアリーシアの機転のお陰で朝までグッスリ眠る事が出来た。
思った以上に精神的にも疲れていたらしく、今朝は久々にスッキリしている。
さあ、鬱陶しい彼奴らを打ちのめそう!!
ふと今朝思い着いてコロセウム型の決戦ステージにモノリス的な障害物をランダムに設置しておけば適度に散けて
慌ててマッシモ様、ジョニー殿下達が詰めて居る作戦本部に進言して、急造でモノリスを建造して貰う様にしたのだった。
その結果作戦開始は2時間後と言う事になり、俺は作戦本部でこれから行う牽引役の戦法を頭の中でシミュレーションするのであった。
やはり一発目は景気付けでデカイ損害を与えたいと思うのだがそれで分散されても意味が無いつまり、『ミスト・バーン』系の爆発は余り望ましく無いって事である。
強烈な広域ダメージで非爆散系となると・・・魔力消費量はかなり大きくなるが『極光』による『レザーサーベル』だろうか?
高さ1m位で横薙ぎに一振りすれば、かなりの数を一回で
と考えが纏まるのを見計らったかの様に、モノリスの急造が完了したとの知らせが入るのであった。
既に魔法部隊は全員持ち場で会う探梅して居り俺の牽引待ちらしい。
俺は、ジョニー殿下の操縦する飛行船に乗って作戦開始ポイント上空まで送って貰ってポイント上空で地上に向かって自由落下して行く。
地上には森から溢れた魔物が共食いをして居たりかなり殺気だっているが徐々に,マッシモ方面(俺達の迎撃ポイント)に向かってジリジリと進んで居る様だ。
重力制御でフワリと魔物の最前列から、300m離れたポイントに着地した俺は即座に魔力を練って『極光』発射状態をキープして『レザーサーベル』にして、横薙ぎに一振り約120度程を振り払った。
瞬時にギャーーグガーと言う絶叫と魔物の血生臭い匂いが辺りに充満し此方にも風に乗って臭って来た。
前方120度には太股から上を失った足だけが残ったり、足を失っても尚此方に這って来ようとする魔物が居たり、最前列以降の無傷な魔物がそれらを踏みつけて此方に迫ろうとしたり、更には傷付いた同胞を食おうとする奴等が入り乱れてカオスな状況となっている。
俺は、再度魔力を練って『レザーサーベル』を発動して、今度はもう少し高い、1.5m位の高さで一振り横薙ぎに振って、より奥の方に居るトロール委やオーガ等の巨体を持つ魔物にダメージを与えて置いた。
この2回の『レザーサーベル』で、俺の総魔力量の1/5程を失ったが、想定の範囲内である。この2回の攻撃で100匹ぐらいは間引き出来たのでは無いかと思う。
今度は牽引の為にファイヤーボールを数発20m位先を狙って撃ち込んでバーンと言う炸裂音を態と響かせてやると、こっちの方に向けて足の早いウルフ系の魔物やキラー・キャット等がドンドンと釣られてやって来る。
今度は魔力をセーブする為に、ストーン・ブリッドの散弾を使って面で攻撃を仕掛けて手負い状態にしてやる。
散弾を食らって明らかに失速する物も多数出て来ると仕上げに魔弾でヘッドショットで倒し、更にファイヤーボールを炸裂させて、奥の方の魔物を誘導して来る俺、
そうやって、1時間程の間この戦法のループを行いドンドンと魔物の群から俺の方に向かう列が出来上がって行った。俺の狙い通りである。
途中上空のジョニー殿下からも、狙い通りになって居る旨の連絡を貰った。魔力残量はまだまだ余裕で消費したのは総魔力の2/5位、王国一の魔力量を自負する俺にとってはまだまだ余裕である。
時々『レザーサーベル』を混ぜて魔物の総数自体も徐々に削って置く事にして、更に2時間牽引して魔力量が総魔力量の1/3位になったので只管誘導に努めてやっと、漏斗の入り口部分に突入した。
ここら辺から本格的に肉弾戦に切り替えて、『高周波ブレード』を両手に構えて男の憧れである二刀流による剣舞擬きを見せようとズイと,魔物の先頭集団との距離を詰めると後ろの方から殺気だったオーガが体験片手にグワーと雄叫びを上げながら突っ込んで来る。
其奴の袈裟斬りの一撃を半身になってをヒョイと躱して両手の『高周波ブレード』でなます斬りにしてやった。 うん、華麗である。
続く吐出して来た魔物も同様に斬り倒し次々に剣舞の様に舞って斬る俺、俺の後方の通路部分には既にスタンバって居る王宮魔法師団や魔法学校の生徒達が待ち構えて居るので、ここで多少でもオーガ等の硬い奴を減らして置けば後が楽になるのだ。
そうして総魔力の1/3を切った頃合いで、俺は最後にファイヤーボールの炸裂音で最後の誘導を煎れた後、踵を返して通路の方へと歩いて行ってゲートで一旦上空の飛行船の方へと上昇して、浮遊で搭乗口から乗り込むのであった。
コントロールルームに入ると、
「お疲れさんかなりの数を削っていたよ。」と満面の笑みのジョニー殿下が迎えてくれてた。
底部カメラのモニターを見ると、今まさに先頭の魔物が通路に入らんとする所であった。
さあ、あの通路がどれ位まで保つかが大きな問題である。亡骸が溜まってしまうと通路を越えてしまうので、通路脇の城壁の魔法使いは状況に応じて自分の足場である、城壁を上に延長する様に言ってあるんだが何処まで冷静にそれに対処出来るかが成否を分けるポイントの一つとなるだろう。
俺は減った魔力の補充を急ぐ為に、アリーシア作のお弁当を広げてパク付き、コントロールルームに毛布を敷いてゴロリと横になるのであった・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます