第301話 不穏な地震 その3

読者の皆様どうもです。

何時もお読み頂きありがとうございます!m(__)m

昨日投稿分で知らぬ間に300話だった様で、お祝いのコメントで気付いてビックリ。


これも偏に読者の皆様のお陰です。

この先も話は続きます・・・多分・・・。

面白い作品になる様に頑張りますので今後も宜しくお願い致します。

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そして考えが纏まらぬままで俺は一旦マッシモへと戻るのであった。


立ち向かうにしては数が多過ぎて魔物の最前列だけを叩いたところで横に流れ最前列の形が変わるだけである。

もしあの魔物の大群に対応するならば、横方向の逃げ道を漏斗の様な形状の壁で逃げ道を塞いで狭い通路に一列に並べて周囲から魔法で袋だ炊きが一番だろうが、問題は何度かそれをやったら細い通路上の魔物の亡骸が邪魔になって通路を塞いでしまい、その上に亡骸が積み重なる事によって徐々に高さが増して仕切りの壁を魔物が越えて来る可能性が有る事だろうか?



となると、仕切りの塀はより高い物にして、通路にもある程度の余裕が必要か・・・余り意味無くなってしまいそうだな。


それより土俵の様な戦いの程良い閉鎖空間に誘導して各個撃破か?


それにしても戦力の絶対数が足り無い・・・。


王宮魔法師団で、200名切る程度だろ? それに魔法学校の生徒の5グレード以上を駆り出すにしても良くて100名、家の子達から200名ぐらいか?トータル500名前後であのマン単位は居そうな魔物の対応、しかももし急場で先の仕切りや戦いのステージを整えるとなると、余計に厳しい。



一旦マッシモに戻った俺は、マッシモ様、ラフティ、それに冒険者ギルドのゲンダさんを連れて飛行船で敵情視察に連れ出した。


「と、トージ、あの下の地面に見える蟻の群れの様にゴチャゴチャしてるのが全部魔物なのか?」と言って息を飲むマッシモ様。

ゲンダさんに至っては頭を抱え込んで「もっと高度を下げて魔物の種類を見せてくれ!」と指示する。


俺は高度を下げながら先に確認済みの魔物の名前を列挙して行くと全員の顔色が更に悪くなる。


「一応気休めになるかは微妙ですが、エルフの里の方にはガッチリとした城壁を作って置いたので大丈夫がと思います。ただこれを殲滅せずに置くと余所に流れて行って責任問題等にも発展しかねないって事と、相当数の被害がでるだろうと言う事です。まあ、どっちにしても王都の方に援軍を要請しないととてもマッシモの戦力だけでは厳しいかと。」と俺が現状の補足をする。



マッシモ様は大きく頷き、その場で宰相閣下へと電話を入れる。


俺も念の為にジョニー殿下へと電話を入れ現状の報告と協力をお願いしといた。


王宮の対応は予想以上に早く、その日の内に王宮魔法師団と、第一騎士団~第三騎士団までをマッシモに派遣してくれてただでさえ被災者用の仮設住宅でゴチャゴチャしているところに混乱に拍車が掛かったのだった。



騎士団達から遅れる事3時間で王国の飛行船でジョニー殿下が登場し、一先ず状況確認の為魔物の群を上空から視察して貰ったのだった。



作戦面はお任せで彼らにお任せで良い過渡期を抜いていたら、結局一休みもさせて貰えずに作戦会議に呼ばれて意見を求められたので、先に頭の中で立案した漏斗状の仕切り通路からのコロセウムの闘技場方式のせんじょうの舞台作戦を提案すると、満場一致で採用となってしまったのだった。



作戦では、まず先にそれらの誘導通路等を建設した後囮の人員が魔物の群に攻撃を掛けて漏斗状の入り口に誘導して引っ張ると言う物。


そうすれば、殆どの魔物が此方にやって来るので、エルフの里には流れないだろうと言う希望的観測てんこ盛りであるが、これ以外に思い着かないので仕方が無い。


全てがこっちに誘導されれば漏れた小数を上空から見つけて各個撃破は子供らの遊びの一環で任せても良いだろう。



それからの約1週間の突貫工事で、漏斗状の入り口に高い通路の城壁と音符のオタマジャクシの様な形状の闘技場部分とそれを取り囲む高い城壁を作りあげて行った。


これらは出来るだけ、森の近くに建設し、1匹でも多く仕留める気で漏斗部分は大きく開いて魔物ギリギリの所まで延長しておいた。


「これでイケるだろうか?」と明日の本番を前にちょっと弱気になってしまって人には聞かれない様な音量で不安を吐露する俺。


多くの人の命が掛かって居るだけに責任は重大である・・・。



緊張で喉が渇くし、いても立ってもいられないような出産を待つ時の様な気持ちになってしまう。


いや、子供が産まれる時は良いハラハラ感だが此方のハラハラ感は胃に来るな。イカン奴だ。


本番前の夜と言うのに少しでも万全の状態で挑みたいのに眠気がしない。


それを察したアリーシアから呼ばれて、膝枕で耳掃除をして貰って居たら気付くと決戦当日の朝になっていたのだった・・・。


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