第282話 子供らの魔物狩り@マッシモ東ダンジョン その5

20階層以降の攻略は本当におれは付き添いに専念して日々お気楽に子供達の成長っぷりを間近で観察し続けた。


本当にこの子らは凄い勢いで進化成長している。


実際のところ、俺の付き添い自体不要に感じる程にシッカリと自分らだけで判断して行動し廻れている状況である。


勿論、罠の検知や解除等も含めての話だ。


従って、じゃあ何時まで俺はこの子らに同伴するのか?と言う事が問題だ。


実際こうして子供らの活躍を見ているのは微笑ましいと言うか、やっている事が魔物の虐殺で無ければホッコリするのだろうけど、過激な運動会の見学と言った感じだろうか?


こう見えて俺も暇では無いので何時までもこうして付き添っている場合では無いのである。


徐々に出て来る魔物が強くなったり階層自体が嫌らしくなったりするが、その脅威の進歩に付いて行く様に子供らも日々進化し続け、今では一端のダンジョン・アタッカー(冒険者)である。



20階層のボス部屋から2ヵ月が過ぎた頃、何と3に人一緒ではあるものの、多数の動きの素早いウッド・ゴーレムが出て来る第30階層のボス部屋を危なげ無くクリアしてしまった。


尤も、ボス部屋に入る前に思えわず助言してしまったのだけど、それが無くても、無傷でクリア出来たんじゃないかとは思う。


このボス部屋の嫌らしい所は床がこれまでのボス部屋の様にフラットではなく、大小の窪みが沢山あって、足を挫きやすい最悪の足場で有る所だ。

窪みの大きい物だとコータの下半身が嵌まる位の物もあるから凄く危険なのである。


つまり自前のフォース・フィールドの足場さえ使ってしまえば足を取られる事も無くサクサク何時もの要領でイケると言う事だ。


ほんの小さい助言だがこの答えを現場で見出せなかったらジリ貧の末の全滅もあり得たのだから流石に一言口が滑らざらるを得ないだろ?




残る階層をサクサクと1週間で済ませ、漸く当初子供らのゴールと位置付けしていた第34階層のミノタウロスの肉階層へとヤって来たのだった。


「良いか、冒険者登録が正式に出来る様になるまではここ(第34階層)までだ。以降の事は正式な冒険者となってお前達だけで行ける様にならないと駄目だ。これより下は今より倍位強くならないと簡単に死んでしまうから良いか、絶対に先に進まないと約束しろ!!俺を後悔させないでくれよ!?」と俺が子供らにクドクドと念を押す様に言って聞かせると、

「「「はい」」」と一応良い返事を返してはくれたのだった。




■■■


「よし、そっちはコータ任せた!」

「あい! あ!!ねーちゃん、左から2匹来たよ!」


と子供らが連携を取りながら果敢にミノタウロスを肉に変えて行く。


素晴らしいじゃないか。この調子なら、第40階層のボス部屋の手前まででも大丈夫そうだが其処までは今は行かせる気は無い。


暫くはここらでミノ肉の安定供給に精を出して貰おうじゃないか。フフフ。






こうして漸く俺も自由な時間を得られる様になったのだった。


とは言っても3人への料理教室は相変わらず続いており、六割程自由時間が増えた感じだろうか。



空いた時間で何をするってね・・・。


前々から気になっていた事の研究開発をしたいなって思って居る所だ。



前に教材用のテキストを作る際に印刷云々の事を検討したがあの時作った『シルク印刷擬き』を使ってもっと安価に本を印刷出来る様にしたいと思うじゃん?


そうするとネックなのは紙だよ紙!! 日本のコピー用紙に比べメッチャ品質悪いのに高いんだうよ。


漂白されてないから茶色いし、そこでどうせ品質悪いなら藁半紙で良いんじゃ無いかってってね。


もしその後漂白出来る様になれば藁ベースでももっとマシになるだろうし。



そんな訳で、マイマイの藁を貰って刻んでグツグツ煮込んであの簾っぽい物を敷いた四角い枠で掬って藁半紙作ってみたんだよ。


これ、天日干しで乾かす工程が滅茶滅茶時間と場所を取るから、ピーンと来たんだよね。


そうだ、この乾かす工程を魔動具で補助しちゃえば良いじゃん!?ってね。


ドライの魔法自体は簡単なので箪笥っぽい筐体の乾燥容器に並べて入れる感じにして、内部を乾燥させる様にしてみたら、20枚の藁半紙を乾かすのに3分掛からずに出来る事が判明。


まあ殆どが筐体の中の棚に枠を並べて行くのに掛かる時間だったけど。



こうして試作で上手くいったので本格的に乾燥機を増やして行って100枚単位でバンバン作れる様にしてみたのだった。



ここはマイマイの産地だけに、マイマイや麦の藁等が豊富でほぼ燃やすか棄てるたけだったので俺が藁を購入する事でガルダさん達や小麦を作っている農家の皆さんからは大変喜ばれたのだった。



取り敢えず、漂白は諦めて藁を刻む際の効率化を魔動具で図る事にして鍛冶屋のオヤジに頼んで扇風機の様な回転刃を作って貰って魔導モーターに取り付けて細かくカットしてくれる魔動具を作成したのだが・・・。



実験中に藁の粉が宙に舞った結果粉塵爆発を引き起こしそうだと気付いて慌てて一旦停止して、粉塵の収拾システムならぬ空気浄化集塵魔動具を作る事にしたのであった。


実際の話、ミキサーを作るよりもこっちの空気浄化集塵魔動具の方が面倒で、思った以上に時間を食ってさいまった。



後々よくよく考えると、電気のスイッチ等のスパークが元で粉塵爆発の最初の一発目の火が起きるのだが、中で火器や火花が散る事が無ければ不要であったかも知れない・・・と気付いたのだった。



まあドンマイである。



王都邸の敷地が余っているので其処に本格的な藁半紙工場を作ってしまうかとサンプルの藁半紙を商人ギルドのロバートさん達に見せたところ、


「いやいや、これは是非ともマッシモで製産すべきですよ!! だって原料が豊富なのはマッシモでしょう?」と必死に説得されて、家の新邸宅敷地の空きスペース(飛行船の格納庫)の横・・・よく王都等から訃報駐機しにクル奴の指定席に作らざるを得ない雰囲気になるのであった・・・。


大丈夫なのか?とやや不安に感じつつ、少し再検討する事にしたのだった。


まあ、後で文句言われるのは間違い無く俺だもんな・・・。

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読者の皆様どうもです。

何時もお読み頂きありがとうございます。

ここ最近の投稿分約20話程に

マイマイ農家のガルダさん

冒険者ギルドギルドサブマスターのゲンダさん


が書き間違って使われて居た事が判明し、過去に遡って修正致しました。(^_^)ゞ

いやぁ~紛らわしい響きの名前駄目ですね。反省反省。m(__)m

前作でも似た事あったのに、学習してないのかよ!って突っ込みは言いっこなしで!

今後も宜しくお願い致します。

明日、親不知を抜歯するので、最悪投稿出来ない可能性在ります。

その場合は痛みで死にかけてると思ってご容赦ください。m(__)m

怖いよーーー!(^_^;

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