第280話 子供らの魔物狩り@マッシモ東ダンジョン その3
さあ今朝は朝一からみんな大好き美味しいクルージング・フィッシュ漁を行う事となる。
第12階層にゲートで移動して昨日の続きからスタートである。
渓谷の其処を流れる河川の騎士まで下って無属性のフォースで編んだ網を使ってみんなで投網漁である。
久々にこのクルージング・フィッシュを捕獲するので量は十分で一投で軽く20~30匹は入っている。
捕獲したクルージング・フィッシュには雷魔法のパラライズを強めに放って感電死して絞めてしまう。
「頻繁に来るのは面倒だから、出来る限り乱獲するぞ! ダンジョンの良いところは、乱獲しても一定期間でリポップするところだな!」と満面の笑みで子供達に指示を飛ばす俺。
「後で何匹か焼いて食うか!? 太刀魚に似てる感じで美味しいんだよな。」と説明しても元の世界の太刀魚を知らない子供達にはチンプンカンプンである。
結局子供らの士気を上げる為に先にBBQグルルで炭火を起こして1人1匹で4匹のクルージング・フィッシュを塩焼きにして食わせてやったのであった。
「「「美味しい!!」」」と焼きたて熱々に醤油(ソイ)を垂らしたクルージング・フィッシュをガブッと齧り付いた子供達が声を揃えて叫んで居る。
上品な白身にソイが良く合って絶品なのである。
この試食の効果は絶大で、3人共「お父さん、もっと沢山捕って行こうよ!!」とサチちゃんもノリノリである。こう言う言動を見ると、血を分けた我が娘って良く判る気がするよな。
結局3時間程川岸で投網漁を続け、昼飯に再度1人1匹焼いておにぎりとクルージング・フィッシュで昼食を満喫した後はサクっと第13階層へと降りたのであった。
■■■
グランドキャニオンステージに続く第13階層は、寂れた感じの荒野ステージである。
西部劇に出て来る様な乾いた風で土埃が舞う感じである。尤も栄華の様にゴーストタウンの様な廃墟破損罪しないのだけど、非常に空気まで乾いた感じなので空気に水分を吸い取られて仕舞う様な気になってしまう。
実際に鼻で息をすると、鼻毛まで乾いてしまう様な感覚がする。
ここのメインの魔物はコボルトの群れとウルフだが、グリフォンのも居るので要注意である。
尤も多少素早いとは言え、コボルトと普通のウルフである。この子らの敵では無い・・・筈。
ただ、数が多いのが厄介だった記憶がある。
あの時って、ミスト・バーン使ったんだっけ? ちょっと昔過ぎて覚えて無いけど、ヤバイ量が出て来て大変だったのは覚えて居る。
子供達に気負い過ぎない様に注意しつつ全員で360度全方位を警戒していると、何とコボルトやウルフの前に俺も直接は遭遇しなかった鷹の顔と翼を持つにライオンの手足持つグリフォンがギューェーー♪と言う雄叫びと共に急降下して突っ込んで来た。
流石に子供らでは対処が間に合わなさそうだったので、咄嗟に俺が戦闘に立って、全員を包むストーンウォールのドームを張った直後にドームの壁面にドッゴーンと頭から突っ込んだ間抜けなグリフォンがめを廻した所をいち早くドームから出たガスリー君が『高周波ブレード』で首をスパンと叩き斬って居たのであった。
血抜きまで終わって回収した後、咄嗟に俺が率先してガードした事にブーイングが出てしまうのであった・・・。
「もっと信用して欲しい。」と言う事らしい・・・。
まあ確かに俺より初動が若干遅れて居たが、実際に間に合わない程でも言う程危険な相手でも無かったから結果論的には無用の手出しって感じなのは認めよう。
「うむ・・・手を出して、すまんかったな。」と釈然としないものの一応詫びたのであった。
そんなグリフォンよりもコボルトやウルフの群れ、正に大群が非常にやばかった。
全員魔装マシマシにしてるので攻撃を受けても全く問題無い物の、バランスを崩して転倒したりするとジリ貧である。
なので、亡骸によって足場が無くならない様に、徐々に移動しつつ群がる敵を千切っては斬り、あるいは魔法で爆散させ・・・を繰り返してキリが無い状態であったが、40分程の連闘に次ぐ連闘を経た結果、漸く襲って来る魔物が0になったのであった。
全員グッタリであったが一応、魔石だけある程度回収しようと言う事になって、ちょっとした休憩の後、手分けして魔石をホジホジして集めるのであった。
実際コボルトやウルフの魔石は屑みたいな物なので無くても殆ど誤差なのだけど、ほら、子供の教育上ね。ちゃんっと残さずに食べるのと同じで出来る限り回収し、状況によっては損切りする事も学習させようって漢字だね。
そんな感じに結構クタクタになったので、第14階層を見るだけ見て本日は大量のクルージング・フィッシュのお土産と共に帰宅し、ガスリー君にもクルージング・フィッシュの煮付けの作り方の講習を自宅で行ってできた物を持って帰らせてやったのであった。
その日の夕ご飯は甘辛いクルージング・フィッシュの煮付けがご飯のお供に最適で白米が進む進むと子育て援助同居中のマッシュ夫妻にも大好評であった。
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