第277話 子供らの魔物狩り@魔の森 その4

子供らを対象とした料理教室は無事に第一段を完了しカレンさんの誕生日の後に第二段へと入る予定となった。



ガスリー君、悩んだ誕生日プレゼントは結局お洋服にしたらしい。

何時も同じ洋服ばかり着てるお母さんに新しい洋服をプレゼントする事に決めたとの事だった。


「でもサイズが判らないんですがどうしたら良いですかね?」と質問されたので女性の洋服は全く判らないので全部アリーシアにお願いし、誤魔化しの効くワンピースを選ぶ事にしたらしい。


服選びにもアリーシアが付き添ってくれるとの事で、その間は俺がユーキちゃんとお留守番である。


何気にユーキちゃんと2人でお留守番するのは初めてでちょっとドキドキするがまあ1時間程の事であるし、子育てのエキスパートのサリエーナも控えて居るので大丈夫だろう・・・。


ちなみに、コータとサチちゃんはアリーシアとガスリー君側に付いて行ってしまった・・・。


間静かに昼寝してる間だからきっと俺1人でも大丈夫だろう・・・と思ってた時期が俺にもありました。


一旦グズリ始めると全然駄目で、父親の俺では母乳も出ないしオムツもクリーンで綺麗にしても変わりなく泣いてるユーキちゃんにホトホト困り果てていると、横からサリエーナさんがヒョイyとユーキちゃんを取り上げて抱っこしてトントンとせなかをしてやったらピタリと泣き止んでしまったのだった。


凄い魔法の様である。


結局俺では留守番さえ出来なかった と言う事だ。ガーーン・・・一体何が違うのだろう?

背中のトントンのタイミング?? まさか性別の違いか??


と言う訳でアリーシアが帰って来るまで軽く落ち込む俺だった。


ちなみに、ガスリー君は素敵なワンピースと温かいコートを購入した様で嬉し気にお礼を言って帰って行ったのだった。


「アリーシア、ガスリー君のプレゼント選びに付き合ってくれてありがとうね! こっちは途中でユーキちゃんにグズられて全然泣き止まなくて抱っこして背中をトントンしても駄目でさ、やっぱ普段から四六時中一緒じゃないから駄目なのかな? ちょっと悲しかったよ。」と俺が溢すと、

「あら、それは大変でしたね。匂いとかですかね。嗅ぎ慣れた匂いかどうかとか。でもトージさんは普通のお父さんよりも多くの時間ユーキちゃんに接してるからお父さんの中では良い方だと思いますよ?」と慰めの言葉を頂いたのであった。



 ◇◇◇◇


翌日、朝から嬉し気な気配でテンションの高いカレンさんからお礼の電話を頂いて20分程、作って貰った料理の美味しさや貰ったプレゼントの素晴らしさを切々と語られたのであった。



どうやらガスリー君はミッションを無事にコンプリート出来た様である。



これだけ喜んで貰えたら手助けした俺も手を貸した甲斐があると言う物だ。 良かった良かった・・・。




さて、これでッ当初の目的の1つは達成されたけど、料理教室第ニ段もこのまま続ける予定なので暫く魔の森はお休みで良いだろう。


と思ったら、子供らからのお願いで、1日飛びで料理教室と魔の森を交代交代にやりたいらしい。


悪い話じゃないので了承し、取り敢えず本日から料理教室第ニ段を開催するのであった・・・。



■■■



1日置きに料理教室と魔の森の魔物討伐を繰り返す事、早3週間、最近かなり魔の森の魔物密度が減った様に思える。


余り生態系を破壊し過ぎるのも如何な物かと思うのでここらが引き時かも知れない。


「と言う訳でそろそろ魔の森の討伐は終わりにした方が良い様に思える。今後の魔物討伐に関してはダンジョンが使えないか俺がギルドに掛け合ってみるから・・・。」と子共達に言うと、ダンジョンと言う単語に目の色が変わるのであった。


「いや、交渉してみるだけだから! まだ期待するなよな!」と俺が落ち着く様に諫めるとウンウンと頷きつつもニコニコ微笑んで居るのであった。


討伐した魔物を入れたマジックバッグを抱えた子共らが嬉し気に冒険者ギルドに入って行き強面のゲンダさんの所にマジックバッグをニコニコしながら差し出して居る。


「ゲンダさん、また買い取ってやって。魔の森の魔物もかなり間引き終わったからこれで暫く魔の森シリーズはお休みかな。」と俺が言うと、驚いた顔をしていた。


「マジか!?そんなにか?」と聞き返すゲンダさん。


「うん俺の居た頃よりも間引きは進んだと思うよ。 まあそれでも自然と湧き出て来るのが魔の森なんだけどね。」と返す俺。


「で、ちょっとお願いがあるんだけどさ、此奴ら、ダンジョンに入れてやってくれないか? 折角ここまでに鍛錬したのに、ここで止めるのは勿体無い。実際、実力だけで言えばBランク相当は楽にあると思うし、保証するよ。」と俺が真剣な眼差しでゲンダさんにお願いしてみる。


「直ぐに即答出来ないが、ギルドマスターと一度相談して返答するので良いか?」と返してくれたのだった。


「「「宜しくお願い致します。」」」と子供らが声を揃えて頭話下げていた。


ゲンダさんは断り難いなぁ~って感じに苦笑して、「検討して連絡するさ。」と言ってマジックバックを持って消えたのであった・・・。

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