第272話 月日の移り変わり その3
コータがサチちゃんとガスリー君の2人と同じ様に『高周波ブレード』を使える様になって、以降、俺の出番はトンと減って俺と訓練や遊ぶでは無くサチちゃんとガスリー君の2人に付いて行き3人で魔物狩りに出かける事が多くなってしまった・・・。
俺としては止めたい気持ち半分と誇らしい気持ち半分の複雑な心境である。
別に相手して貰えなくなって寂しいって事もあるけど、子供らだけで危なくないか?って言う心配もあるからね。
でも止めない訳?そりゃあ、あの子らが弱いなら是が非でも止めるけど、実際のところ、この国の魔法師団の精鋭よりもこの子供3名は現実として強いんだよね。
魔法学校で教えてない魔法まで教えて居るし。
この子らには
魔法学校では余り高い威力のある広域攻撃魔法やなんかはテロや悪事に使われるのが嫌なのでカリキュラムから除外してある。
その分、魔法師団長の方には教えても良いと思うけど、過ぎたる力は軋轢を生んだり、畏怖より戦争に発展するのも問題だしね・・・。
そんな訳でマッシュ達を含む我が家の子らにはフルスペックで教えてしまっているけど、我が家の子らは悪用しないからね。
マッシュ達の場合教えては居るけど、一部の魔法学校に出向して講師をしている子以外の場合、現在それを活かす様な職種に従事してないからね。
魔法も剣技や自転車なんかと同じで、一度覚えると、身体が感覚を覚えては居るけど、ズッと使って無ければやはり発動までの時間が長くなったり効果が弱くなったり、感覚のズレが出たりするんだよね。
ある意味宝の持ち腐れともとれるけど、誰もがみんな俺の様に魔法使ってダンジョンアタック楽しいなぁ~ゲームの世界だー!なんて思わないからね。
静かに平穏に幸せに暮らせればそれで満足って子が大半だし。
魔法だっって、本人が希望しない子には特に強制して教え込んだりはしてないから。
ああ、読み書き計算の勉強だけは一般教養って事で必須にしてるな。それ以外は本人の意思次第。
ただ、大半の子らは魔法が学べる事に大喜びして足を踏み入れるね。
そんな訳で我が家の子らの魔法習得率は異常に高いのである。
今の所特にドロップダウンした子は居なかったと思う。
更に言うと我が家の環境から望んで出て行こうとする子もした子も1人も居ない。それだけ住み易い環境だってお礼を言われる事は多くある。
まので、無理矢理同調圧力を掛けて抜け出せなくしているわけではないからね。
話がやや飛んだ けど、サチちゃんとガスリー君とコータの3人がマッシモ近辺の森で魔物を狩るぐらいは良いと思っているんだが、最近になって、サチちゃんから
「お父さん、前に約束して居たダンジョンに一緒に行く話はどうなったの? サチ楽しみにしているんだけど。」とせっつかれてしまった。
そう言えばかなり昔にそんな話が出ていた様な気がするな・・・どうしよう?
ルールからすると、ダンジョンに潜れるのはDランク以上の冒険者。パーティーの場合、D以上でCランクが最低1人は必要となるのだ。
つまりDランクの冒険者で無いサチちゃんとガスリー君、そして3歳のコータ等連れて行ける訳も無く・・・。
なので素直に事実を告げる事にした。
「サチ、前に言って無かったかも知れないが、ダンジョンに潜るにはDランク以上の冒険者である必要があるんだよ。まずは冒険者登録をして徐々にランクを上げてからだな。実力的に足りて無いとは思わないが、一応ダンジョンを管理尾する冒険者ギルドのルールだからな。」と俺が告げると愕然としていた。
それからのサチちゃんとガスリー君は直ぐに冒険者ギルドに登録しに行っていたが、残念ながら10歳未満と言う理由でゲンダさんに断られて半べそで帰って来たのであった・・・。
てか、一緒にべそ書きながらコータも帰って来たのだが、流石に3歳も当然に冒険者になれる訳も無く。まあそう言う簡単な常識を知らない所だけは歳相応なのかと荷が割らしてしまうのであった。
「でもお父さんなら、ゲートで行けるでしょ?」と聞かれ、
「そうだな行けるな。でも連れて行かないぞ!理由があるんだ。聞いてくれ。1度連れて行くとお前達コッソリ毎日行くどろ? 駄目って言っても。良いか、浅階層はまだ良いが、深い階層になるに従い即死級の罠が沢山出現して来るんだ。お前達まだ罠の見地の仕方も解除の仕方も知らないだろ?勝手に言って罠に引っ掛かって死なれたら俺は一生悔やんでも悔やみきれない。だから当分
その気は無い。だけど、何も対策させない訳じゃ無いぞ! 即ダンジョンアタックに役立つ訓練方法を教えてやるから、一緒に大手を振ってダンジョンに行ける様になるまでに鍛えて置くと良い。」と言うと漸く変べそ状態が落ち着いたのであった。
こうして俺はダンジョンアタックに即役に立つ魔力感知と気配察知を徹底的に鍛える様に3人に指示するのであった・・・。
ダンジョンは駄目だとしても罠の無い魔の森ぐらいは間引きも出来る事だし解禁してやるかな?
となると、この子らの装備を少し調えないとだな・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます