第270話 月日の移り変わり その1
1年の月日が流れ2期生3期生の大半がそれぞれ結婚して行き早いところで一期生にも子共が出来たりして徐々に役割の世代交代や何かも進んで行く。
え? マッシュ? 勿論我が家(オオサワ商会)の大番頭のままだよ!!
マッシュの所にもコハルちゃんと言う名の女の子が出来て、今や新米パパさんである。
名前から判る様に本人達立っての希望で小春日に産まれた事から俺が名付け親となったのである。女の子の名前は基本響きが可愛い方が良いよね?
ネーミングセンスの無い俺に大事な第一子の名前を任せると言う暴挙・・・思い切った冒険をした2人の期待に応えられたとは治部している。
願わくば小春ちゃんの人生がどんな時も小春日の様にポカポカとした日溜まりの様に温かい物である事を俺は望む。
一応、そう言う名前の由来はちゃんと2人に説名した上で決定された。
俺に取ってはコハルちゃんは孫も同然である。ユーキちゃん同様に可愛いくて仕方無い。産後の大変な時期だけでもと言う事でマッシュ一家に俺の自宅の空き部屋に住んで貰って当面の育児のサポートをする事にしたのであった。
一発で決まって良かったけど、孤児達のトップであるマッシュとリンダの第一子の名付け親になってしまった事で今後同じ様な流れで他が追従しない事を
強く願ってしまう。
何しろ自分の子の名付けにさえ地震が無い野田からこれから先々何十人もの名付けとか完全にキャパオーバーである・・・。
サチちゃんとガスリー君はそれぞれ5歳と7歳になり、コータは既に3歳で言葉もかなりシッカリして来ているが相変わらずのパパっ子で可愛い。
ユーキちゃんは1歳半を過ぎて片言の言葉で話し掛けに応えてくれたり、超絶天使で癒される。
俺の事はコータの時と同じで「とーたん」でアリーシアの事は「かーたん」って呼んでくれる。
コータは既に「お父さん」「お母さん」呼びに変わってしまっててちょっと嬉しい様な寂しい様な。
で、漸く意思疎通が万全に出来る様になったので、本格的にこの魔法の天才児に魔法教育を始めた所で超アッサリ『ゲート』を習得し、更に復習とばかりに以前から使っていた魔法も色々不足する理論や現象を教え込んで行った結果、より洗練された物になってしまいその成長っぷりにビックリだよ。
尤も俺もここ数ヶ月で更にゲートのイメージの具体化して教えるのが上手くなった結果でもある筈だけど、自分の功績ってより我が子の出来るちゃんっぷりは素直に喜ばしい!!
これは広域攻撃魔法を習得させてしまうとマジで本格的に先行してた筈のサチちゃんとガスリー君に並んだぐらいになってしまうね。
これは親として非常に頼もしいし、誇らしい。
広域攻撃魔法・・・・2日でほぼマスターして通常の単発の攻撃魔法の使い分けの判断基準等も教え込んだし、もう其処らの駆け出しの冒険者より強いかも知れない。
今度サチちゃんとガスリー君とコータの4名で近所の森の付近で魔物狩りをしようと思っているところである。
サチちゃんも魔物討伐デビューは今のコータと同じ3歳だったし、こんな世界だ、早過ぎるって事は無いだろう!?
更にコータの場合攻撃魔法の一撃必殺(ワンショット・ワンキル)を高める為に俺がロープ等で緩急付けて引っ張って動く標的に当てる訓練までして居るから完璧だと思うんだよね。
とまあ、そんな幸福な日々を送っていた訳だ。
ラルゴさんはここ1年で極寒の冬対策の決定打と言う事で俺の提案したダウンジャケットやダウンコートを完成させて販売に至っている。
出来は予想以上に良く、日本に居た頃の物と概ね遜色は無いんじゃないかと思うが、一番の違いは表面の生地の機能の違いぐらいだろうか。
ゴアテックスの様な通気性と防水性を領立する様な生地は流石にこの世界には無いものの、ケープ・スパイダー・シルクに特殊樹液でコーティングする事で撥水性はかなり向上するみたいだ。
尤もその分、お値段に反映してビックリ価格になるけどね。
俺も、家族の分オーダーして購入したんだけど、スッゴく良い物だった。
何しろ軽くて温かくホカホカして下は裸でも大丈夫な位だ。
おっと、そう言う性癖は無いので安心して欲しい・・・。
俺が出来映えの素晴らしさをラルゴさんに伝えて絶賛したら、凄く嬉しそうな顔で「そうでしょう!?そうでしょう!!」と満足気であった。
■■■
いよいよコータの初めての魔物討伐デビューの日となった。
この日初めて4名で森の近所の平原にゲートで移動して討伐開始となる。
コータは既に『気配察知』を範囲攻撃魔法をマスターした後にある程度使える様になって居り、本日初めて実践で魔物の気配を感じ取る事となったのである。
サチちゃんとガスリー君の2人は既にちょくちょく魔物討伐に出かけて居り、2人共に何の不安も感じさせない戦いっぷりだったりする。
そうそう、2人には請われて『高周波ブレード』を既に教えてマスターさせている。
教えた当時、「岩が豆腐の様に斬れる!」って歓喜してて、それから暫くして、マッシモ付近に真っ二つになった謎の岩が点在してやや問題になったのは良い思いで?である。
それとなく立ち寄った冒険者ギルドでその噂を聞いて、2人に言った所、「ヤベ!!」って顔を2人してしてたので間違い無いだろう・・・。
それ以降ピタって謎の真っ二つ岩事件も収まったらしい。
さて、コータの初陣である。
自分で探り当てた7m先のホーンラビットを地上3mの高さのフォース・フィールドの足場から、スナイパーの様に魔弾でパシュっと狙撃して、ワンショットワンキルで仕留めたのだった。
素早く駆けよって、ウィンドカッターで首を刎ねさせて血抜き方法を教えてやると、俺が最初の頃若干怯んだのが恥ずかしく感じるぐらいにシャンとして生き物の生を奪う事の意味を噛み締めて居る様であった。
こんな弱小のホーンラビットでさえ庶民が対峙したら、下手すると命を落とす事もあるのだからこの世は厳しい。
「父さん、このホーンラビット、どうやって持って帰るのマジックバッグで良い?」と聞いて来たので頷いた。
そうそう、スッカリ忘れていたのだがまだコータには『時空間庫』を教えて居なかったのである。
サチちゃんとガスリー君らは自分達で狩りに出かける様になった際に『時空間庫』を教えてやり自前の『時空間庫』とマジックバッグ両方で討伐した獲物を持ち帰る様になっているのだ。
「コータ、貴方も『時空間庫』をお父さんから教えて貰いなさい。何かの際に身一つで戦う事になった際にも使えるから便利よ!」とサチちゃんに言われ、俺の方をガッと見て、なんで教えてくれなかったの?って顔で俺を見つめるコータ。
「すまん、コータ余りにも順調に吸収しちゃうから、『時空間庫』の事スッカリ忘れてたよ。」と言って素直に謝った後、サチちゃんとガスリー君に教えた時同様にイメージを教えると、30分も掛からずに最初の『時空間庫』を成功させたのであった。
出し入れを何度かさせて問題の無い事を確認すると、嬉し気に最初の獲物のホーンラビットを自分の『時空間庫』に移し替えて居たのだった。こう言う子共っぽい所を見るとホッとすると言うか年相応なんだと思ってしまうけど、やってる意内容は3歳児のヤル事から大きく外れてるよなぁ~。
次に大物のワイルド・ボアを仕留め、フォース・フィールドを使った血抜きの方法も教えつつ順調に次の獲物を探索してサーチアンド・キルを繰り返す。
昼時になると、サチちゃんとガスリー君が2人でBBQの用意を先にしてくれていて、俺達を招き食事をテーブルに並べてくれていて、初めての娘の手料理に思わず感動してウルッとしてしまうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます