第268話 指名依頼のアフターサービス その1
一応指名依頼の分は熟したのだが、逃したオーガ1匹が心残りで本日も魔の森へとやって来た。
ラルゴさんには報告のあった以上に討伐済みなので逃した分は是とされているのだが、まあ自分の仕事に対するアフターフォローと言う名目の自己満足だ。
もし万が一って事もあるからね。
ほら、俺の逃がしたオーガの所為で孤児になっちゃう子がでたら寝覚めが悪いし、
何よりも申し訳ないからね・・・。
ただもしオーガによる被害があったとしても、逃がしたオーガと同一かの証明は出来ないけど、ここ数日久々に魔の森で狩りをしたのだけど、結構な数の魔物が増えてたんだよね。
そこでオーガ探しを兼ねた間引きと言う事だ。
って事で、目に付いた魔物を無作為に狩って廻る事にした。
親父の呼んでいた昭和の不良の漫画じゃないが、
此奴らはダンジョンに出て来るリザード・マンより強く素早い。
ギシャーと威嚇で吠えて来ようと関係無い。
まあ少々器用に撓る尻尾が在ろうと素早かろうと俺の敵じゃないのだ。
『黒竜丸』に魔力を纏わせて棍棒ごと首をスパンと横薙ぎに一閃だ。
1匹が瞬殺された事で慌てて逃げに入る他の3匹の内1匹を後ろからストーン・ブリッドでズドンと後頭部から貫通させると、残る2匹は必死で逃走に入ったのだった。
仕留めた最初の1匹と今回の1匹を飼い素早く回収して完全隠密モードのホバー移動で足音すら立てずに後を追う。
因みに、リザード・マンだが、外皮が硬く丈夫なので防具用の素材としてに重宝する。
肉は、脂肪が少ないが意外に柔らかく、唐揚げにすると肉汁タップリでジューシーである。
俺のお薦めは衣を付ける際にマヨネーズを混ぜる事かな。
イカン、後を追ってるのに、涎が出そうだよ。もっと真剣にやらないとな!
2匹は案の定、自分らの集落まで真っ直ぐに俺を案内してくれたよ。
普通人間なら、追われて居る状態で自分の
何はともあれ、俺の手間を省いてくれた事を多いに感謝しよう。
そんな訳で、フォレスト・ウルフの時と同じ手口で丸っと群ごと収穫させて頂いたのだった。
捕食系ばかり狩ると捕食系以外の雑色系(ゴブとかボアとか)が繁殖しちゃうから考え物だが短期的に考えると、
人を群れて遅いそうなウルフ系や人型の捕食系を狩るのが良いだろう。
のちのちのバランスを多少気にする程度だけど。
どうせこの森に間引きに来られるのは俺しか居ないから街道の往来にさえ支障出なければ問題無いだろう。
その内ここで間引き出来る様な後続が出来ると良いのだがな。何時までも俺が出来るとは限らないし。
その後もコカトリス(唐揚げ要員)やロック鳥(唐揚げ要員)・・・別に狙って無いのに唐揚げや焼き鳥に使えそう肉ばかりがが結構集まったのだった。
午後に入る頃に漸くオークの群れを発見し、これも難なく倒して血抜きして回収。
そうこうしてると先日オーガを見失った 辺りまでやって来たがやはりあのオーガの気配は掴めずにガックリと項垂れつつ本日は早めに那賀って子共達の為に美味しい唐揚げやコカトリスのローストチキンを作る事にしたのであった。
さて、子供らと言ってもこの時間に居るのはサチちゃんとガスリー君、そして戦力外のコータだけ。
結局作り方を申し訳程度に口で説明しつつ黙々と全員が食べられる量の唐揚げを仕込んでは揚げてを繰り返すのであった。
夏、唐揚げと来れば思い出すのは親父が美味しそうに唐揚げでビールを飲んで居た事である。
しかし、この世界にビールはなくて、微妙な味で温いエールしかない。
確かに日本の食の英知のインストールのお陰で美味しい日本の『ビール』も作れるのだけどどうもそのファイトが湧かないのである。
1つは俺が酒好きじゃない事と、周囲が未成年の子共だらけって事もその要因だな。
子共使って酒造りって何かちょっとね・・・。 やったとしてもせめてワイン辺りぐらいまでだな。
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