第262話 親離れ子離れとは?
マッシュ達が結婚し一応形式的には巣立った事になるが別棟の家庭用宿舎に移っただけなので特に今までと変化は無いが、これまでの様に変な時間にお願い事とかしない様に気を付けなければならない。
そう、新婚さんに夜の時間は大切なのだ。邪魔をしちゃいけないのである。
そう思って夕食もこれまでと違って別かなぁ?って思ってたのに、ゲッ婚式の翌日も普通に家に来て食べてるし。
まあ俺達はこれまで数年そうしてきた事だし、来てくれて嬉しいがこれで良いのだろうか?
一応、俺は変な意味に誤解されない様に言葉を選びながらマッシュ達の5組の新婚夫婦に言ってみた。
「あのさ、嫌とか駄目とかそう言う意味じゃなくて聞いて欲しいんだが、もしかし、俺達に気を遣ってこれまで通りにここで夕飯たべてたりするなら、気を遣わなくて良いからな?
お前達はそれぞれ俺と同じ1つの家庭を持った身。それぞれの家庭の事を一に考えて行動するのが正しいとも言える。無理に毎日でなくても良いしたまにでも良い。
無論、毎日でも全然ウェルカムだからな。 つまり、義務じゃない。自由に来たり来なかったりしても自由って意味だ。」と俺が言うと、
「トージ兄ちゃん、何を今更~。俺達て元々が孤児院出身じゃん。だからみんなと顔を合わせて食ってるのが普通になっちゃってて。そしてトージ兄ちゃんの所に来てからはこのメンバーで食ってるし、特に気を遣って とか義務って思ってるわけじゃないから。
そうだね。家庭を持ったって事は親離れするのが普通なのか・・・。邪魔じゃなければ当面このスタンスで居させてね。その内徐々にって事で。」とマッシュが代表して答えたのであった。
「そうか。了解。 さあ食うか。いただきます。」と何時もの様に食べ始めるのであった。
トージはこの世界の一般家庭の常識と言う物が判って無かったのだけど、この世界の新婚家庭は余程の裕福でないとこの様な生活水準の暮らしは出来ず、パンと簡単なスープの家庭が大半だったりする。
つまり、出だしこそ、孤児院出身で非常に不利であったものの、トージ・ファミリーに入った事でマッシモだけでなく王国全体で見ても相当な勝ち組の境遇となっている。
しかも親代わり?のトージ一家との食卓は常に明るく温かい意美味しい空間なのである。だから、特に義務感とか関係無く、そう言う空間での夕食が、自分達の産みの親と味わえなかった一家団欒の食事風景が好きなだけであった。
■■■
保育所の方だが、既に敷地内の整地も終わり保育施設の建築に入っている。
トージが出張って魔法を織り交ぜれば話が早いのだが、敢えて現地の大工さんや職人さんにお願いしている。
多少は時間が掛かるがどうせ、保母さんや職員となる人材の確保もまだなので焦る事は無いと言う判断である。
それに、8都市で同時に着工しているので、現状でも割と(マッシュ達が)てんやわんやだったりする。
保育所関連は問題が無い間は全てマッシュ達に任せっきりで、俺はと言うと、今期の冬に向けて開発した大望の冬メニューの肉まんとあんまんのレシピと蒸籠様の魔動具を商人ギルドに登録しておいた。
お陰でマッシモの街では肉まんやあんまんを美味しそうに頬張る民衆の姿がよく見られる様になった。
最初こそ、1軒ぐらいだった肉まんあんまんの屋台も売れ始めると今まで様子見していた屋台の店主もコロッと肉まんあんまんの屋に鞍替えして居た。
まあ、多過ぎても競争が激しくなるだけで大変なんだがな・・・。
そんな状況なので一応、小籠包やシュウマイに加え、蒸しパンのレシピも追加で商人ギルドに加えておいた。
尤も蒸しパンは蒸すとは微妙に違う気もしないではないが、干しぶどうが無いので、サツマイモを使った蒸しパンは非常に美味しく腹持ちがすると大好評の様である。
蒸しパンは家の親父が大好きだったので思い出したんだよね。
思えば結構偏った物ばかり好きだったな・・・。蒸しパン、黒糖のかりんとう、鈴カステラにカンパン、それに激甘で俺はちょっと無理だったレーズンがギッシリ入ったお菓子とか。
親父の好みはさて置き、小籠包とシュウマイは餃子と共に食堂のメニューで出される様になった。
そりゃそうか。確かに、立ち食いでシュウマイはキツイよな?
コータの相手をしつつ、そんな地道なメニューを増やす活動をしている間に月日が流れ、徐々に気温も上がり吐く息が白くならない様になって来たのであった。
最近ではマッシュ達は、週1回我が家で集まって夕飯の食卓を囲む様になった。
やはり、判っててはいても、これはこれで実に寂しい物だ。
遠慮なんて要らないと言っておきながら・・・である。
きっと、週1でもありがたいと思うべきなんだろうな。
さて最近では、かなり歯が生えそろったコータの離乳食がより進んでおり、当初の流動食に近い者から割と形のある野菜や肉もガツガツと食べる様になった。
流石に、お箸を使うまでには遠いがフォークやスプーンを使って自分で美味しそうに食べている。
ちゃんと、「いただきます。」と「ご馳走様でした。」も言える様になったんだぞ? 勿論滑舌は悪いままで、俺やアリーシア以外には何を言ってるか判らないと思うけどね。
ユーキちゃんは、まだまだだよ、「だー!」とか「うきゃ」とかの奇声を上げて意思表示する程度のままだよ。
身体はかなり育って、現在約8kgぐらいかな。
肉付きの良い足が非常に可愛い感じだよ。
サチちゃんは本当にシッカリとしたお姉ちゃんになっちゃったよ・・・嬉しいけど、お父さん寂しいよぉ~。
多分同年代の子共の中ではピカ一なんじゃないか?
魔法も万全でシッカリ具合も賢さも、下手な10歳児より上だと思うから。
しかも性格も優しく可愛いからね!!
そんな感じに順調に春を迎える我が家であった・・・。
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読者の皆様どうもです。
何時もお読み頂き誠にありがとうございます。
一年早い物で、泣いても笑ってもいよいよ大晦日当日です。
皆さんにとってはどんな一年でしたか?
私にとっては今年は何十年振りかの引っ越しで本当にキツイ一年でした。
皆様のコメントや支援のお陰でなんとか書き続ける事が出来ました。
やりたい事や書きたい事は多くあれど、なかなか時間が取れずに困ってます。
来年こそは頑張りたい! と希望してます・・・。
さてそんな私ですが一応、年越し蕎麦はインスタントのカップ麺の蕎麦は各種(4種類程)購入してストックしてあるので、それで済ませようと思っております。
普通だと、カップ麺の蕎麦やうどんって、高塩分で食べられない事が多いんですけど、かなり低塩分の物を見つけて嬉々として数種飼っちゃいました!(*´∀`*)
さて、残り1日、1年の締め括りを皆さん安全に頑張ってください。m(__)m
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