第263話 痛恨のミス・・・

読者の皆様、あけましておめでとうございます。\(^O^)/

本年も変わらず宜しくお願い致します。m(__)m

さあ、初詣何処に行こうか・・・。

神社近所に在るのかな?

引っ越して以来じんじゃを見た記憶が・・・。

ちょっとググるか!?

------------------------------------------------------------------------------------------------光陰矢の如しとはよく言った物で、気が付くと4ヵ月が過ぎ、季節はもう雨期も終わって夏となった。


マッシュ達の頑張りのお陰で、保育所の方は既に8都市共に稼働して居り非常に好評を得ている。


何より、これまでまだ子守が必要な幼い子を抱えていて働きたくとも働きに出られなかった片親達・・・そうこのままだと子共を孤児院に預けて別々に暮らすより手段が無かった瀬戸際の親子の多くがそのまま親子一緒に暮らせる様になったのが大きい変化である。


と言うと良い事ばかりの様に聞こえるが、そうでも無い。



簡単に説明すると、保育所を出す際の地上げに協力してくれた8都市の領主からの面倒なパーティーや茶会へのお誘いが増えてしまった。


そもそもこう言う事が無い様にと独力での開設を目指していたのだが・・・。


殆どは丁寧にお断りしているものの、目に見えない助力をされた後、全部丸っと断る訳にもいかず5回目に1回だけお礼を言いに顔を出したのだが、これが最大のミスだった・・・。


どうせなら、全部お断りし続けてて置けば良かったのだ。



半端に『参加した』と言う前例を作ったが為にその後苦しむ事になるのだ。


ベールに包まれた『オオサワ商会』の会長の俺が宴席に『参加した』と言う情報が光の速さで広まってしまって、あっちには参加で家は不参加?って感じになってしまい非常に断り難い状況になってしまったのだ。


保育所を作った8都市の貴族だけならまだしも、8都市以外の貴族からの高圧的なお誘いを含めて鬱陶しい事この上無い。


その鬱陶しさや横柄っぷりと言うと、位が下の貴族程その度合いが増す傾向にある様だ。



なので苦肉の策として、まずは保育所を出した8都市の領主からの誘いに対してお礼状に理由を記載し、これ以上のお誘いはご遠慮願いたい事と、『断られた』と言う事実を貴族界隈に周知して欲しい旨を理由を添えてお願いして置いた。


それ以降は8都市の領主の席であっても全部断りを徹底した事で、予想以上に効果を見せて、これ以降伯爵家以上の貴族家からの鬱陶しい誘いはピタッと止まったのだった。


ただ何事にも例外はあり、それは騎士爵や準男爵家等の常識の通じない下級貴族家である。




何で伯爵家でさえ断られているのに、それより下級である自家の宴席に参加して貰えると思っているのか理解不能である。


しかも、『参加させてやる!』だよ? 驚くよね?


普段温厚な俺が青筋立ててしまうぐらいに頭に血が昇ってしまったよ。


極力コータや子供の前で怒る姿を見せたくないので平常心に戻すのに結構大変だった。



で、そう言う鬱陶しいバカ貴族共の誘いをどうしたかと言うと、返事を出すのもムカつくのでガン無視した。


下手に此方に手を出してくれれば、例のメダルの効力でワンチャン返り討ちに出来そうじゃない?


まあ多少やり口は当たり屋っぽいけどバカが減るのなら世の為領民の為でもあるだろう?



そんな訳でガン無視をキメてたのだけど、準男爵の次男坊がある日マッシモに乗り込んで来てオオサワ商会の店舗(事務所)で騒ぎを起こして事件となってしまった。


幸い店舗に居た魔法の堪能な二期生のヨハンが対応したのだが幸いし、相手が剣に手を掛けエキサイトした時点で咄嗟に魔装を展開して何を逃れ逆にフィールドで雁字搦めに固めてその隙に衛兵の詰め所へと他の店番の子が走った。


それと同時に俺にも連絡が入ったのでゲートで急行したのであった。



店舗に辿り着くと床の上に雁字搦めで押さえつけられて居る年の頃の23~24歳ぐらいの如何にも貴族と言う風な服装ではあるが、やや程度の低そうな感じの青年が怒り狂ってらっしゃった。




余りにも五月蠅く頭に血が昇った所為か言う事が意味不明な言語になってたので雷魔法でバシン♪とパラライズで一撃を入れて気絶して貰ったのだった。


「ヨハン、無事か?怪我は無いか?」と俺が慌てて聞くと、「はい!」と答えたものの、緊張が解けたのか、腰砕けにヘナヘナと床に座り込みそうだったので俺が受け止めて頭を撫でながら「良くやった!!後は俺に任せろ!」と言って椅子に座らせて水を入れたコップを手渡したのであった。



俺は直ぐにジョニー殿下に連絡を入れ、貴族からの襲撃を受けた事を報告したのであった。


俺には全く理解出来ないのだが、俺が宴席に参加する事に何か貴族側にメリットがあるのだろうか?


話のネタ? アイドルと握手した的な? いや、確かに前世より良い顔に転生したけどそう言う問題じゃ無いと思うし、やっぱり俺の付加価値がやっぱり理解出来ないな。



後でジョニー殿下経由で魂胆と言うか俺が宴席に参加する事の付加価値が漸く判明した。



要は自分の領土に対して開発させて自分らウマーな取らぬ狸の皮算用を計画したり、美味い事言って利益を得る事が目的だったらしい。


アホくさ!!


誰がそんなバカ貴族の領地を発展させてやったりするかっては無しだよ。

そして電話で教えてくれたジョニー殿下に苦言を呈してしまったよ。


「ジョニー殿下、これって氷山の一角・・・と言っても意味伝わないかな? 水に氷を浮かべると水面から見えてるのはほんの一部で水の中の表から見えない部分に大半があるって意味なんだけど、それと同じでこう言うバカな貴族っておおそうだよね?


一番それで不幸なのは領民だと思うんだけど、定期的に資質を問う様な試験や視察ってやらないの? 領民だって領主ガチャのハズレで巻き添いが可哀想なんだけど?」と突っ込んでしまったのだった。


答としては、数年に1回は官僚による視察が行われているらしいが、そもそも各貴族には領地の自主統治をある程度認めて居るので明らかな不正等や今回の様な不祥事が無いとお取り潰し等は難しいらしい。


「そうか・・・もっと何か手を考え無いと先祖が優秀だったといって現在の当主や次期当主が優秀とは限らないし、人命や人々の暮らしが掛かっているから、頑張ってくださいね!!」と一応締め括ったのだった。



あ、その次男坊の準男爵家? そもそも準男爵家自体は一代限りで相続権もなく二代目以降は平民堕ちなんだよね。


それで功を焦ったと言うか領地経営を上手くやれば、その功績で男爵に・・・って夢を見たらしいがお取り潰しとなって、隣接する子爵家に併合される事となったみたい。

領民にとっては、真面目で真面な領地経営をしている子爵領になる方が幸せだったみたいで、取り敢えずはハッピーエンドかな?

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