第242話 次のステップへの布石

本日も昨日同様に魔力切れのネムネム作戦が見事に嵌まり寝落ちした隙にサチちゃんとガスリー君の2人の広域魔法と極光レーザーの特訓を行い、夕方前には2人共に極光レーザーの連射や発動キープが出来るまでに至ったのであった。


尤も俺は特訓中の2人を魔法訓練場に残して一足先に自宅に戻ってコータの寝起きに間に合わせた。


寝起きのコータが俺を発見し、置いてきぼりで無い事を悟った様で今日はご機嫌だ。


そして報告を聞いた限りでは2人共何とか仕上がった様である。本人達は明日念の為に打ちっ放しを行う予定とか。


そうか・・・そろそろ実地研修でも良い頃合いなのかも知れないな。


6歳と4歳で魔物討伐早いと考えるか?または英才教育と考えるか? 一応ガスリー君の場合は保護者であるカレンさんの同意が必要だがサチちゃんの場合、前々から俺と一緒にダンジョンに行きたいと頻繁に言っていたぐらいなので、俺とアリーシアが許可すればOKだし。


しかし流石に子共2人を俺1人でカバーするのは万が一の事もあるから、マッシュ達にサポートの助っ人をお願いしようかな?


あ!!!そうすると、その前に一番弟子である1期生に『ゲート』を再度教え込まないと駄目だな。


現在、一番弟子を飛び越えて6歳4歳コンビだけ『ゲート』を取得しちゃってて、彼らのメンツ的に非常に良くない状況である。


■■■



そう言う訳で急遽湯食後の一時に一期生の5名に集まって貰い、

「っや、態々集まって貰って申し訳ない。悪い事じゃないんだがちょっと、不味い事になっちゃってね。一期生には大至急『ゲート』をマスターして貰わないと対外的にまずくなってしまった。すまない・・・。」とあたまを下げる俺。

「え?あの一度トライしたけど物にならなかった『ゲート』ですよね?えー? 出来ますかね?」と一度失敗して居るだけに懐疑的な返答をするマッシュ。


「うん、あの頃の俺は教え方が悪かったんだと思うし、ちょっと今回新しい教え方も発見したから、イケるんじゃないかな? ほら、今ちびっ子達に教えてるじゃん? あれでちょっとした発見もあったし。」と俺が言うと、

「もしかして、サチちゃんとガスリー君が『ゲート』をマスターしちゃったとか?」と冗談っぽく言うマッシュに真剣な表情で頷く俺。


「えー!?本当ですか?うわぁ~マジかぁ~。それは一番弟子的に『ゲート』マスターしないと示しが付かないですね・・・。」とショックを隠せない様子のマッシュと他の4名。

「って事で、ちょっと悪いけどさ、取り敢えず5日ぐらい、今受け持っている担当の業務を休んでさ、特訓しようよ! 大丈夫。お前達5人には魔法の才能もやる気も十分にあるし、俺も最大限の協力をするから!」と言ってスケジュールを空けて貰うのであった。


翌々日から久々5名一期生フルメンバーで集まり折角なのでちびっ子達が自主練している敷地内の魔法訓練場とかは都合が悪いのでとっておきの場所と言う事でアリーシア以外は来た事の無い魔の森の小屋の前の広場にいどうした。


「さあ、今日からここで訓練だ。ちなみに、ここは俺に取っては馴染みの深い『魔の森』の俺の拠点だった場所だ。俺はここで数年1人で済んで居たんだ。謂わば第ニの故郷かな。」と両手を広げ紹介すると始めて話した事だった様で驚いていた。


「もしかして、あの小屋に住んで居たんですか?」とマッシュに尋ねられて自慢の小屋を褒められた気になって嬉し気に頷く俺。


すると褒めた訳ではなかったのか、凄く気の毒そうな優しい目で見られてしまったのだった。


「いや、そんな飛散じゃな小屋じゃないんだよ! 立派な風呂やトイレだって付いてるし。1つだけ悪い所を挙げるならベッドが硬かった事かな? 他は良い小屋だったんだぞ。」とべんかするのであった。


若干不憫な子扱いになって話が逸れたが長々と持ち場の仕事を休めないので早速『ゲート』の特訓に入るのであった。


先日のサチちゃんとガスリー君に教えた時と同じくドアの付いた木枠と紙の2つ折りで穴を開けるイメージの説明をした後に、1人ずつ手を取って魔力を練って十大に発動してみせる手取方式で実演を何周かして見せる俺。

「兎に角一番重要なのは行き先のポイントとの距離何か全く虫して紙を折り曲げてくっつけた面に穴をあけてトンネルを作れば良いんだよ。」と言って4周目マッシュの手を取って魔力を練って行き自宅の俺の部屋に繋げるイメージで『ゲート』を展開する。


「あ・・・なんとなく掴めたかも・・・。」とマッシュが弾んだ声を上げる。

そして、自分の魔力を練って何処かに繋ぐゲートを発動したのであった。が安定せずに一度消えたが、「今度はイケそう!!」と気合いを入れてリトライし、今度はどうやら自分の部屋に『ゲート』を接続する事が出来たのであった。


「やったな!!」といって頭を撫でてやると「もう子共じゃないんだからぁ~。」と口では言って照れる物の満更でもない様に喜ぶマッシュ。


そして、実演体験5周目ぐらい回ったところで漸く一期生全員が『ゲート』をマスター出来たのであった。


「トージ兄ちゃん!!ありがとう!こえれで一番弟子だって胸を張って言う事が出来るよ!」と皆を代表してお礼を言うマッシュ。


「良かった。これで上には上があるって言う事をちびっ子だけで無く他の後輩達にも言えるな! 第二期生とかにも教える時間作らないとだな。」と俺が言うと、

「それは俺達も今日して貰った様にしてちょっとチャレンジしてみますよ。駄目だったらまたご相談しますんで。」とドンと任せろと言う風なマッシュ。


「あそれはそうとさ、ちょっと申し訳無いけど今度サチちゃんとガスリー君の2人を場外の森の手前当たりで、魔物狩りの実践させたいって思って居るんだよ。1人なら問題無いけど、2人だと片方が手薄になる可能性あるから、ちょっとサポートをお願い出来ないかな?」と聞いてみたら、どうせ今回の特訓で5日間空けてるからと言う事でどうせなら久々に5名全員揃って魔物狩りに付いて行こうって話に纏まったのであった。


言ってからこのタイミングでのお願いってちょっとズルかったかなって少し反省したのだった・・・。


しかし幸いな事にそんな俺の内心のモヤモヤとか吹き飛ばす様に久々のこのメンバーでの遠征と言うかお出かけに一期生5名はやれ、「お弁当を持って行こう!」とか「いやBBQが良い!」だのと盛り上がって居たのであった。


しかし、あれだ! 本当に一期生全員が無事に『ゲート』を物に出来て本当に心からホッとしたよ。 大見得切ってああは言った物の、魔法の習得に絶対なんかはあり得ないし。俺の教え方だって万全じゃないからな。


事実前回教えようとした際には失敗してて、それで若干彼らの自信を壊してしまったのではないかとズーッと気になっていたのだ。


今夜は気持ち良く寝られそうだ。と心からホッとするのであった。


そう、この時実践に出かける際のコータの取り扱いの事を完全に忘れて居て完全に油断しきって居たのだった。

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