第239話 サチちゃん超進化する その4
朝から離れようとしないコータが俺に強烈な力でしがみ着いて居てどうしようかと悩んでいるところである。
まあ火属性は本日使う予定は無いので万が一も無い筈なんだけど、コータのこの強烈な力って、どう見ても『身体強化』だよなぁ~。本当に家の子達は凄すぎる。
結局根負けしてコータも連れて行く事にしたら、今日は置いて行かれない事がわかったらしく上機嫌に早変わり。
言って聞くにはまだまだ月日が掛かるだろうけど、円滑な意思疎通の為にコータよ、早く言葉を覚えてくれーー!と心の中で願う俺だった。
魔法訓練場に到着すると一足先に来て練習を始めて居たガスリー君と合流して、早速2人で昨日の続きで弾丸形状の石の弾を高圧縮高密度化して必死で回そうと苦労して居る。
まあ火魔法じゃないし、良いだろうと、俺に肩車されて2人のやっている事を必死に理解して真似しようとしてるコータ・・・おおお!石の弾丸作りたがったよ!
ここまで来ると興味本位と言うか何処まで出来る物か非常に気になってしまうのは俺だけじゃないだろう?
全国100万人くらいは居るだろう親馬鹿達だったら理解してくれるだろ?
そこで、2人に見本を見せる体で、ユックリと土属性魔法で弾丸を作りそれを高圧縮高密度化してもっとシュッとした弾丸に仕上げる。
そして、それを高速回転させて、バシュッと的に向かって発射すると、バーン!と言う音と共に鉄製の的の中心にあなが空くのであった。
頭の上のコータが手で俺の頭をテンテンと叩いて、「とーたん、あーうー♪」と興奮していらっしゃる。
再度、ユックリ工程を見せながら、回転させてバシュッと撃つ、そしてバーン!を繰り返してやると、ガスリー君が回転させるのに成功して、的にドン!って音と共に当てて居た。
サチちゃんは負けて居られないとばかりにもう訓練して居るが、コータの奴・・・圧縮は¥がちょっと甘い弾丸だけど、回転させて的に向かって撃ちだして、その打ち出しの初速が足りずにポコン♪という音で的に弾かれていた。
2歳に満たないのにこれは・・・本当に末恐ろしい。
本人は俺の様に『バーン』って音が鳴らないのが気にいらないらしく、何度もやり直しては自分の口で、「ばーん♪」と口で効果音を入れている。ちょっとそんな様子が可愛くてニンマリとしてしまう。
サチちゃんはコータが回転させるのに成功したのがややショックだったみたいだが、ガスリー君のフォローのお陰でようやく、ドンって音と共に的に当てられる様になったのだった。
それで納得いかないのはコータだが・・・。俺に頻りと「ーたんバーン、とーたん、バーン」と言って来る。様は俺に再度撃って見本見せろと言う事が言いたいのだろう。
しょうがないので、一回肩からコータを降ろして自分の足で立たせ、後ろから、コータの身体を包み込む様にしてコータの腕に手を添えて、ユックリ魔力を流しながら、コータの指先にストーン・バレッドを発動させて高圧縮高密度化して高速回転させてみせつつ、的に向かってバシュっと撃って見せる。
その直後にバーン!と言う音と共に的に当たって貫通する石の弾丸。
そしてキャッキャと大はしゃぎで喜ぶコータ。
そして、その直ぐ後に自分で魔力を練って同じ工程をトレースして、最初と全く堅さの違う俺の弾丸と同じ程度の高圧縮高密度化した弾丸に回転を入れてバシュっと撃ちやがった・・・。
その一瞬後にバーン♪と言う音と共に的を貫通するコータのストーン・バレッド「とーたん、うーあー♪」と奇声を上げて喜ぶコータとそんなコータを唖然として、見て居るサチちゃんとガスリー君。
「何かすまん。2人も同じ様に補助するから、感じ取ってくれ。」とサラッと流して2人にも同じ様に体験させると、あっという間に物にしてしまいましたとさ・・・。
この方法は何気に使えるな。
てか、それでもちゃんとにそれを感じ取れる感覚を持ち合わせて無いと無意味なんだけど、この子らは本当に凄いな。
破壊され尽くした的を全部修復して置き直し、只管3人に撃ち込みをさせてやった。
的の後ろには俺の作った防護壁(城壁と同じ強度)が設置してあるんだけど、貫通した弾が当たって結構傷が入っている。
これは俺のストーン・バレッドと威力的に変わらないって事だよな。本当に末恐ろしい・・・。
将来、子供達とダンジョンアタック!? うーん、それも悪く無いな。
今まで何気に1人でダンジョンアタックしてたけど、かなり寂しかったんだよね。話す相手が殺しに掛かって来る魔物しか居無いってキツい物があるんだよね。
幸か不幸か魔の森の生活で慣れてしまったけど、一度人と・・・家族と話せる暖かさを知っちゃうと余計に寂しく感じちゃうんだよね。
丁度昼飯時まで撃ち込みをやって、ちょっと早いけど、丁度良いので本日は終了。
ほら、コータに「さあ、コータ、止めてお家でご飯だよ!」と言うと疲れたらしく駄々を捏ねることも無く大人しく抱っこされて自宅へと戻ったのであった。
いよいよ明日は魔弾に入れるかなぁ?
てかやっぱり明日もコータは着いて来るって言うんだろうな・・・。
そもそもだけど、サチちゃんとガスリー君の魔法訓練でスタートダッシュさせる予定だったんだけどなぁ~。
なんか方向が怪しげな事になっているけどヤバイよね?
幼児にこんな殺傷能力の高い魔法を教えてしまうって、アカンよね?とは言え、時既に遅しなんだよな。
と流れ的には不可抗力とは言え深く反省する俺だった。
その後、アリーシアにコータの状況を自白して謝ったのだが、
「うーん、あの子達の能力と言うか才能だからしょうがないと言う事なのかと思いますが、こうなったら、早く言葉を覚えて貰って、人に向けて使っちゃ駄目って事を判らせるしかないですね・・・。」と起こると言うよりも諦めに近い淡々とした口調で返されたのであった。
ちょっとマジで怖かった・・・。
コータ、マジで頼むよぉ~!!と本気で心の中で叫ぶ俺だった。
近々にマルーシャ様にお窺いを立てに行くかな・・・。
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読者の皆様どうもです。
もう直ぐ2023年が終わろうとしてます。
寒さが染みる中、皆様体調壊してませんでしょうか?
今年は皆様にとってどんな一年だったでしょうか?
今年の残り僅かですが、年越しまでこのままお付き合い宜しくお願い致しますね!
さて、この季節街に出ると、何処も彼処もBGMはクリスマス一色!
このクリスマスソングを聴くと、何か追い立てられている気になってしまうのは歳の所為でしょうか?
余談ですがこのコータの話、実はモデルになった知り合いの家の子共の幼少期の話がありまして。
ある日その家のビデオデッキが突然壊れたそうで・・・。
そして、ビデオデッキを調べたら、『あん』パンがカセットデッキのスロットに詰まっていたとの事で・・・。大好きな○○パンマンのカセットの代わりに入れたのかも・・・と嘆いておられました。
見様見真似で禄でも無い事をやってしまう・・・幼児には要注意ですね。
ではお体壊さぬ様に!(^_^)ゞ
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