第238話 サチちゃん超進化する その3

さて翌日からは危険なのでコータはお留守番として2人のみを対象として授業を始める。


昨日に引き続きファイヤーボールはファイヤーボールでもより温度の高いファイヤーボールの生成方法として、酸素と水素の存在や火を消す効果のある二酸化炭素の存在を教え、実際に実験をしてコップの中に二酸化炭素を貯める事で枝に付けた火が消える事等を見せて理解させた。


更に水を分解して酸素と水素に分けてみせたりして、酸素の中に火の点いた枝を入れる事で爆発的に大火力になるところを見せたり、水素に火を点けてボンっと爆発することを教えてやった。


普段普通に吸ってる空気や飲んでる水がこう言う気体になると始めて知って驚くと共に「お父さん、凄いよ!!凄い!」と言う賞賛の小束を何度も頂きニマニマしてしまうのであった。


「大分話が横道に逸れたけど、この酸素をファイヤーボールの炎に送り込む事で、もっと高温にする事が出来るんだ。」と言いながら掌の上にファイヤーボールを発動して見せた跡に酸素を送り込んで赤い炎から青白い帆脳へと変化させてやると、「青白くなったよ!」と騒いでいた。


先に実験して見せた事でより現実敵にイメージ出来る様になった様で、2人共にすんなりと青白い炎のファイヤーボールを的に打ち込んで、鉄製の的を真っ赤にしれ爆散させていた。


てか、ちょっと未成年には強力過ぎる魔法だっただろうか?


いや、でも今回のゴールはまだまだ先なので行ける所まで付いてきて貰おう。


今度はファイヤーボールに続きより殺傷能力や貫通力の高いファイヤーアローの訓練に入る。


これまたスンナリと物にする天才児2人。


取り敢えず、ファイヤーアローが出来る様になった所で火系の魔法は一旦終わり。


「2人共本当に凄いな・・・。アッという間に習得するな。 次は別系統の魔法になるが、火属性魔法は使い処が限られるし、場所によっては注意が必要だからな。特に森屋街中だと大火事になるから使えないし。

まあ、そもそも街中で魔法を使う事自体法律で禁止されているのだけどな。あと火属性魔法は狭い洞窟等だと下手するとさっき教えた『呼吸に必要な』酸素が無くなって『酸欠状態』になって意識を失う可能性もあるので要注意だ。」と言いながら水属性魔法の発展形として


アイス・ランス、アイス・カッター、アイス・ウォール等を教えて行くと、

「トージ兄ちゃん、聞いて良いですか? アイス・ウォールがあるなら、ファイヤー・ウォールもアリなんじゃないですか?」と察しの良いガスリー君。


「うむ。良い所に気付いたね。ガスリー、その通りだ。ファイヤー・ウォールもアリだ。」と言って、実際にファイヤー・ウォールを目の前に発動してみせる。


「これは火に弱い相手には有効だが、物理的な壁になる物が有る訳じゃ無いから、使い処が難しいし、実際の所、自分達も熱いんだよね。俺は今日まで一度も使った事が無い。森では使えないし、ダンジョンでも難しからな。そうだなぁ~。余り良い例えじゃ無いけど、対人戦・・・戦争や、盗賊等の敵襲児には虚仮威しに使えると思うぞ。幸い俺にはそう言う事を必要とするシーンは無かったがな。」と解説したのであった。


水属性の各種をマスターした後はいよいよ実用性の高い土属性魔法に入る。


まずは、ストーン・ブリッド、やストーン・ランス、ストーン・ウォールの順でより硬い高圧縮高密度の石を作る事を徹底的に教え込む。


流石の天才児2人も、高圧縮高密度の課題はかなり難しい様で、うーん、うーんと唸っていたのだった。


今回の最終目的が魔弾なので、『高圧縮高密度』は重要なポイントである。


「良いか? どの属性の魔法でもそうだが、威力を上げるには『高圧縮高密度』は欠かせない。例を見せてやるから、威力と結果を良く見ておけ。」と2人に言って。


まずは通常のファイヤーボールを作って見せてそれを鉄の的に向かって撃つ。


ボンと当たって、的が赤くなった。


「通常のファイヤーボールだとこの程度だ。今度は更に、半分の大きさになる、まで高圧縮高密度化するぞ!」と言って先程と同じ通常サイズのファイヤーボールを作って高圧縮高密度して、サッカーボール大から、テニスボールサイズまで圧縮すると、それだけで、赤い炎が真っ白い色になって輝く


それを的に向かって撃つ。と

バーーン!と言う爆発音がして的が破裂し、驚く2人と俺。


まさかこんなに大きな音がするなんて思わないじゃん? ちょっと心臓がドキドキしちゃったよ・・・。


「しゅごい!お父さん!バーンって鳴って飛び散ったよ!!」と興奮するサチちゃん。


もうここ数日『凄い』を連発してくれるから、お父さんデレデレに蕩けてしまいそうだよ!!と心の中でニヤける俺。


でも、至って平常運転ですよ? 何か在りました?って感じにシラッとした感じに振る舞ってみせ、2人に高圧縮高密度を練習させる。


どうも、圧力を掛けると言う意味の実感が湧かない事が上手く行かない原因の様に思えるので、一計を案じて、3人でうどんの麺作りをする事にしたのであった。


2人共にフォース・フィールドの足場を作る事は既に習得しており、フォース・フィールド自体はそこそこ使えて居るが、うどんの麺の生地を作る為に麺棒とフォース・フィールドも使って、

圧力を掛けると言う意味を体感させてやると、うどんが出来上がって美味しく頂いた後の修練では一発で第一段階の高圧縮高密度化を成功させたのであった。


「まずストーン・ブリッドだが、こう言う形の弾を作るんだ! この形状は、空気抵抗を少なくして飛距離と威力を落とさない為に必要な事だ。良いか、更にこの弾を高速に回転させる事でフラつかずに真っ直ぐに飛ぶ様になる。」と言って、

板を振ってみさせて、空気抵抗とは何かを実感させてみた。

更には木の棒を回転させずに飛ばしてブレる事、回転させるとブレずに真っ直ぐ飛ぶ事を実際に見せてやったのだった。


弾の形状にするのは直ぐに出来た2人だが、これを高圧縮高密度化しながら更に高速回転させるのは困難な様で大苦戦して居た。


こうして良い時間になったのと、家で置いてきぼりになっているコータが心配なので、本日は早めに修練を終え急いで家に戻ったのだが・・・置いてきぼりにあったコータがグズっておりなかなk機嫌を直してくれずに、かなり苦戦するのであった・・・。

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