第237話 サチちゃん超進化する その2

結局悩んだ結果人体の何たるかや細胞やDNA等をを子供らに説明するには時期尚早と諦め取り敢えず光学迷彩から説明してみる事にしたのだった。



「よし、じゃあこれからさっきの光学迷彩を教えて行くから、判り難かったら言ってね。光魔法を使って光を素通しするシールドを全身に纏う訳だけど、判るかな?」と説明を始めるが首を傾げる2人。


そこで何故光なのかを図を描いたりプリズムを使って7色の光を出してみせたろして説明し行く俺。


え?プリズムは関係ないやろ!?って?良いんだよ!魔法のイメージなんて強い思い込みなんだから。後ろの光を屈折させて?若しくは光ファイバーの様に素通しさせられればOKなんだから。


ちなみに俺がイメージしてるのはエーリアンが宇宙から地球にハンティングにやって来る映画のエーリアンの装備ね。


そんな感じに子供らに信じ込ませてイメージさせて何度も目の前で俺が透明になって行く過程を徐々に診せて居る内に子供らにも徐々にそのイメージが焼き付いてくる訳で・・・。


2時間程経った頃、「お父さん、こんな感じかな?」とサチちゃんが徐々に透明になって行って完全に消えてしまった。


「おーー!俺の可愛い娘が消えてしまったぞー!大変だーー!」と俺が大袈裟に騒いで見せると左の方からクスクスとサチちゃんの可愛い笑い声が聞こえて来る。


「お!その可愛い笑い声はサチちゃんかなぁ~?」と言うと「じゃじゃ~ん!」と言いながら光学迷彩を解いたサチちゃんが現れたのであった。


と言うかマジで2~3時間程度で消えるって本当に家の子は天才だよ。


一方サチちゃん先を越されてしまったガスリー君は、まだ今一つ上手く行かない。


そんなガスリー君にサチちゃんがアドバイスしながら更に30分程経過した頃に、漸くガスリー君も消える事が出来たのであった。


「おう、ガスリー君もマスター出来た様だな。2人共本当に優秀だなぁ~。」普通結構時間掛かっても出来ない人が多いのに。」と褒めてやると2人共嬉しそうに微笑んでいたのだった。


「あ、先に言って置くけど、これを無闇矢鱈と使って悪戯とかしちゃあだめだぞ! 俺や魔法学校を出た者だと、魔力を感知出来るからバレて大変な事になるからな!」と念の為に釘を刺して置くのだった。


「お父さん! 次は攻撃魔法が良い!! 前に約束したでしょ!? 魔装と身体強化や攻撃魔法を使える様になったら、ダンジョンは難しいけど、魔物討伐に連れて行ってくれるって言ったよ!?」とかなり前にした約束を覚えて居て持ち出してくるサチちゃん。


「うむ・・・。確かに言ったな。」と素直に認めてしまう俺。


「サチちゃんの保護者は俺だから、俺かお母さんが良いと言えば教える事は可能だけど・・・、ガスリー君、ちょっとカレンさんの所に行って攻撃魔法習っても良いか許可を貰って来てくれるかい?」と取り敢えずガスリー君の保護者であるカレンさんの許可待ちとしたのだった。


もしカレンさんが許可しなければ、これに乗じて俺の方(サチちゃん)ももうちょっと先伸ばしに出来るかもしれないし。


既に約束しちゃったから、今更駄目って言い難いのだよね。まあこの子らなら大丈夫だと思うけど、言うてもまだ4歳と6歳だから十分に若過ぎると言う見方も出来る。俺としては、善し悪しの区別が付く子なら若い内にまなぶべきだと思うけど・・・。


なんてちょっと頭の中で考え込んでいたら、予想に反して速攻でガスリー君がカレンさんの許可を貰って来たのであった・・・。


カレンさん革新的だなぁ~。



昼ご飯の後、2人とサリエーナさんに絵本を読んで貰ったりしているものの、1人で寂しそうなコータを肩車して魔法の訓練場へと場所を移す。



サチちゃんとガスリー君は普通・・・所謂生活魔法程度の水、火、土、光、風は既にマスターしており、つまり初級程度の魔法なら恐らく直ぐに使える様になるだろう。


まずは安全な水・・・ウォーター・ボールからだろうと見本となるウォーター・ボールをゆっくり段階的に魔力を練って発動して見せてやる。ポイントとなるコツを説明してやると、2人共ににサッカーボール程度のサイズの水の塊を発動しやがった。


早い!!2人共早過ぎるよ!! もう水の玉を作る事に成功してしまっている。


そんな2人を見て俺の肩の上でキャッキャとコータが手を叩きながら喜んでいる。


コータもクリーンを使える様になっている事もあって、魔力の高まりを見て感じている様な気がする。


そんな事を考えていたら、突然ベシャって俺の頭の上から水が降って来てビショビショになってしまって、頭の中に『?』が浮かぶ。


さら、頭の上から「あ~あ!」と残念そうなコータの声が聞こえた・・・。


「え?今のはコータか!? 」と俺がコータに話し掛けると、「あい。」と言う声が返って来た。 そう、ここにももう1人天才が居たらしい・・・。


サチちゃんも早かったけど、コータは更に早い! もう驚き過ぎて思わず暫く放心してしまうのであった。


「コータちゃん、凄いねー!もう出来ちゃったの? よーし、サチ達も負けないぞ~!」と気合いを入れる2人に出来た水の玉を的に向かって飛ばすコツを教えてやると初っ端からウォーター・ボールを飛ばし始める2人。

頭の上の天才坊やも見様見真似で小さめのウォーター・ボールを飛ばし始めた。


ホント驚いたよ!


てか、コータを連れて来てしまったのは失敗だったかもしれないが、水から始めて大正解だった。水ならビシャビシャになる程度だし。火じゃなくて本当に良かった。これ以上の魔法はコータの胃無い所でやる方が良さそうだな。


2人共的に当たる様になり始めると、それに追い付こうとする様に、コータのテニスボール大のウォーター・ボールも的にビシャって当たったのであった・・・。


尤もコータはそれ程魔力を持ってなので3発目ぐらいで魔力が少なくなって疲れてしまった様にグタッとなってしまい。慌てて落ちない様に抱っこに切り替えたのであった。


しかし、この分だとその内コータから家の中を水浸しにされそうだな・・・と苦笑いするのであった・・・。

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