第234話 出産とかって夜中多く無い?

1ヵ月がアッと言う間に過ぎていよいよ3人目の出産となってしまった。


昨夜の夜中~断続的な陣痛通が始まり、またもやマッシュとリンダに頼ってマッシュにはサンドラ産婆さんを呼びに行って貰って、その間にリンダには助っ人の女性陣を集めて貰いお任せし、

俺はと言うと、サチちゃんとコータが騒動で起きない様に防音のシールドを張って朝まで熟睡して貰う事にしつつ、ちょいちょい心配でアリーシアの元に通ってチョロチョロとしていたが、リンダ率いる女性陣から、


「トージ兄ちゃん、気持ちは判るけど邪魔!」と言われて落ち着かない気持ちを抑えてアリーシアの額の汗を拭いたりしてベッドの傍に居た。


マッシュがサンドラ産婆さんを連れて来てくれたので俺は部屋から締め出されてしまった。


「マッシュ、毎回ありがとうな!!夜中に申し訳無いね。」と俺がお礼を言うと、


「いえいえ、嬉しい出来事のお手伝いですから。その代わり・・・俺の時はご助力お願いしますね。」と言ってちょっと顔を赤くして居た。


「勿論だよ。お前達もそろそろ歳的には結婚しても問題ないし、良い頃合いなんじゃないか?俺はお前達の親代わりでもあるんだし、婚姻の儀とか諸々俺に全部任せて良いんだからな!遠慮無くドンと相談してくれ。」と言うと、嬉し気に頷いていたのだった。


しかし、出産ってなんか夜中とかに始まったりするの多くないか?コータの時もそうじゃなかったっけ?


でも今回は子供達が寝てる間で良かったよ。コータが起きていると不安がりそうだし。


って言うか、大人の俺でさえ未だに不安だもんな。3人目だろうが5人目だろうがきっとこの不安感は慣れないし無くならないんだと思う。


しかし、アリーシアの方は3人人目ともなれば加減も判る様になったみたいで、そんなに苦しむ事も難産と言う事も無くサンドラ産婆さんが部屋に入ってから2時間もしたらアッサリと産み終わって居た。


でも3人目の子供の『オンギャー』と言う可愛い泣き声が聞こえた時、俺はやっぱり前回同様に嬉し泣きしていたのだった。


このきもちは親になった物の味わう至高の喜びの瞬間だろうな。 何か年々涙腺が弱くバカになって来てる気がするが・・・実年齢よりも精神年齢的な物の所為かな?



リンダに呼ばれ部屋に入るとちょっと疲れた顔のアリーシアが嬉し気に生まれたての我が子を抱いていた。


「トージさん、女の子でしたよ! また可愛い素敵な名前を宜しくお願いしますね!! ほら、おチビちゃん、お父さんが会いに来てくれたわよ。」と言いながら、白いシーツにくるまれた娘を抱かせてくれようとして差し出してくれたのであった。


俺は赤ちゃんを受け取り優しく腕の中に抱いて顔を覗き込む。アリーシアに似て美人さんになりそうな端正な顔立ちの赤ちゃんである。


俺は、赤ちゃんとアリーシアにクリーンと回復魔法を掛けてやった後、

「実は今回はもう名前考えてあるんだよ。優希ユーキと言うのはどうだろうか?優しくみんなの希望の星となる様にと言う願いを込めてみたんだけど。」と珍しく先回りしてかんがえていた名前を打診してみると、

「あらユーキちゃん?可愛いじゃないですか! 良かったわねぇ~ユーキちゃん、良い名前貰えたわね~♪」とスヤスヤ眠るユーキちゃんに語り掛けるのであった。


え?今回はエラク手回しが良いって? うん、3人目だもんこう言う流れになるなら、余裕ある内に時間掛けて候補考えたいじゃん。


それに優希ユーキなら、ワンチャン男の子でも女の子でもイケるし。悪くないでしょ?


他に考えたのは愛って字を入れて愛菜アイナとかも候補にあったんだけどね。 ほら男の子には合わないかもだしそうすると男の子用の名前も考え無いといけなくなるじゃん?


そうして、ジュンとか色々男女イケそうな名前の候補考えたけど、結局一番最初に思い付いた優希ユーキにしたんだよね。


ああ、今回はスンナリ名前まで決まったしちょっとホッとしたよ。


やっぱり赤ちゃんは女性陣に大人気で起こさない様に気を付けながら、静かにキャイキャイとユーキちゃんの顔を見てコソコソはなしていた。


出産を手伝ってくれた女性陣に何度もお礼を言ってサンドラ産婆さんにお礼のと代金をお渡ししてから、ご自宅へとお送りしたのであった。


マッシュとリンダは俺がサンドラ産婆さんを送って戻って来るまでアリーシアとサチちゃんとコータの眠る子供部屋の番をしてくれていた。


「ありがとう、2人とも! 夜中に本当に毎回申し訳ない。この俺は君達の婚礼の儀でキッチリ返させてもらうからな!」と俺が言うと真っ赤な顔になるリンダ。その手をソッと握るマッシュ。


ヤルな!マッシュ。



結局、出産は終わった ものの、まだ1人で身動き出来る訳じゃないと言って明日サリエーナさんが来るまでリンダがアリーシアの部屋にサポートで付いてくれる事になったのだった。


俺は、子供部屋の床の上で芋虫の様に寝袋に入って朝まで仮眠取る事にしたよ。



翌朝子供達のキャッキャと言う奇声と、ボディープレスによって起こされたのであった。

「お父さん、何でそんな所で寝てるの?」サチちゃんに不思議そうな顔で覗き込まれたのであった。


「ああ、お早う! 昨夜ね赤ちゃんが生まれたんだよ!! 元気な女子でした。2人の妹が出来たんだよ! 名前は、ユーキちゃんに決まったから後でソッと見に行こうね。」と言うとサチちゃんが嬉しそうに喜んでいたが、


「あーたん?うーた?」とコータにはちょっと難しそうであった。


俺は寝袋から脱出して、みんなの朝食を用意しにキッチンへと向かうのであった。


と言うか、実際にはかなり寝坊していたらしく、先にマッシュが気を利かせて朝食を用意して置いておいてくれていたのであった。



本当にマッシュにもリンダにも頭が上がらないな・・・。


アリーシアの部屋に行くと、既にサリエーナさんが出勤して居て暫くと言うか、旧邸宅から完全にこっちの新邸宅へと転居してもらって終日サポートをお願いする事になったのだった。


マッシモの旧市街地の方がサリエーナさんの子供らと会うのに都合が良いと言う事で旧邸宅に居残ってたんだよね。


ほら、家の場合新旧の邸宅はプライベートゲートで繋いであるからどっちでも良かったんだけどね。子供が3人に増えたのでこっちに移って貰って正式に本腰を入れて貰う感じだね。




サチちゃんとコータはユーキちゃんを見た時、サチちゃんは「可愛い!!」と喜び、コータは「あーたん?」と不思議そうな顔をしていたが、アリーシアに抱っこされているユーキちゃんが少し羨ましそうな風にも見えるのであった・・・。


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※補足と免責事項とお詫び

名前の部分で男の子の名前や女の子の名前と言う表記や名前による性別の限定的な表記があると思いますが、性別云々に五月蠅い昨今、差別意識等も他意も無く別に否定も肯定も致しませんが、これまでの日本にける極一般的な名前の判断基準を元にしております。御了承下さい。

もしご不快に思う方は読み飛ばしてください。

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