第233話 何か貨幣の種類が増えるってよ!?
レッド・ドラゴンの肉のブロックを進呈した事で取り敢えず督促が嘘の様に静まったのだが、何かを察したかの様に王国全土にとある通達が在った。
内容として一般庶民にはほぼ99%無縁な話で国内の最高価値の貨幣である
その名を
これまでは10枚で1つ上の貨幣と同じ価値だったのに、こんかだけは黒曜貨10枚では無く100枚で
ちなみに大黒曜貨だけど、直径は黒曜貨の2倍で、厚みは1.5倍くらい。一目であ!デカイって思えるデザインだそうな。
実物はまだ見てないけど一目で分かる物って全国の商人ギルドにも通達とイラストが届いたらしい。
そもそもだけど、黒曜貨でさえ、一生お目に掛からず死んで行く庶民が大半なので殆どの人は見分けもクソも無いだろう。
って言うか、この大黒曜貨って何となくピンポイントで俺対策に思えるのは気の所為だろうか?
だって王国と言うか王宮はもの凄い
実質問題、俺に全額支払おうとすると、現存する貨幣では足り無い的な事を言っていたし。 その結果実物を拝めない
そして今回の飛行船関連の諸々の支払いである。
とても現状のままだと何時完済できるかさえ全く先行き不透明なのだ。
前に説明したかは不明だが、この世界の貨幣は基本金本位制度と似ていて、貨幣の素材がそれなりに同等の価値を持つ素材で作られている。
尤も今回新設された大黒曜貨が本当に百億ギリーもの価値があるとは思えないが、そこは黒曜石自体を王宮で管理して居るので一般市場には流れない様になっているのである。
つまり、国に借金があるのなら、ジャンジャンお札を刷れば良いじゃん!?って発想と似ている感じ。
尤もお札を無闇に刷り過ぎると貨幣に対する信用度が薄れ貨幣価値が暴落しインフレ?とかになるんだっけか?
つまりそんなこんなでツケを精算しようとして居るんじゃ無いかと思われる。
まあ幸いな事に王国は大国だし、祖も為替レート等もないので貿易等での問題は虫出来るんだろうな・・・。
とか思ってたら同じ様なタイミングで帝国でも大黒曜貨が発行される事になったらしい。
そうそう帝国の貨幣単位も王国と同じで『ギリー』と呼ばれていて、前にも説明した様に陽刻感で1:1の貨幣レートで使える様になっている。
そう、帝国も『また』俺の方に飛行船のツケがあったのである。
うーん、これは両国共に賢いのか? まあ俺はどっちでも良いけどさ、どうせ使い道が無いし。
でも冷静に考えると、そんな大黒曜貨とか貰っても両替すら出来ないだろうな。
だって、貨幣の枚数がが足り無いって理由もあってツケとかになってた訳だし。
そして、貨幣の種類が増える件の騒ぎで忘れてたけど、ラルゴさんに任せて放置してた『レッド・ドラゴンの肉』20kgのオークションが始まったのであった。
てっきり、俺への『ツケ』の支払いとばかり思っていたが・・・もしかすると『レッド・ドラゴンの肉』20kgのオークション対策だったのかも知れない。
結果、もの凄い金額で落札されて俺の所に発行されたばかりの大黒曜貨が何枚かやって来た。 しかも王国の大黒曜貨と帝国の大黒曜貨が同じ枚数だけ・・・。
当日オークション会場に出向いたラルゴさんの話によると、大商人と呼ばれる商会が連合作ってまで落札に動いたり、大貴族らも初っ端からパカパカ金額を競り上げて凄い白熱だったらしい。
だけど、国王陛下と、ヘンリー君夫婦が何故か競り合って結局共同して最終的に落札したんだって。良く判らん事をするよなぁ~。
大人げないと言うか・・・そこまでして食うのか? とちょっと引いてしまったのは言うまでもない。
だってさ、先日10kg進呈したばっかだよ? どうするつもりなんだろう? いや、余計な事になりそうだから下手に聞いたりはしないけどね。
だから、このオークションの白熱振りもあって暫くの間ブルー・ドラゴンの方は『時空間庫』の中で静かに眠って貰う事にしたのであった。
何故って? やっぱり直ぐにだしたら先に買った人達の物の価値が下がってクレーム来たり恨まれたりしそうじゃない?
それにもう直ぐ3人目の産み月に入る頃合いだし、穏やかな日々を過ごして貰ってシッカリと見守りたいからね。
サチちゃんはもうお姉ちゃんだから大丈夫だけど、コータは、まだ赤ちゃん。漸く離乳食になって乳離れしたばかりだからな。
不安な思いをさせない様に俺がちゃんとシッカリと横に居てやらないとだし・・・。
サチちゃんはコータ出産の時を覚えている様でアリーシアのお腹の大きさを見て、
「お母さん、もう直ぐ赤ちゃん産まれるの? 可愛い赤ちゃん楽しみだね! 弟かな? 妹かな?」とアリーシアに話し掛けてたりしている。
「そうね、もう直ぐ産まれる頃合いね。 サチちゃんは、弟と妹どっちが良いの?」とアリーシアがサチちゃんの頭を撫でながら聞いていた。
「元気ならどっちでも良いけど、でも妹も欲しいかな・・・。 あ、でも弟も可愛いから、好きだよ! コータも可愛いし!!」と可愛い事を言っていた。
我が子ながら本当に良い子に育った物だ・・・。
反面、まだ幼いコータは自分より幼い赤ちゃんを見た事が無いので、赤ちゃんが生まれると言う意味が今一つ理解出来て居無いみたい。
まあそれもそうだよな。まだちゃんとに話す事もこちらの言ってる意味も理解が難しいレベルだしな。
そう言う訳で、俺はコータを連れてマッシモの街に繰り出して、赤ちゃん連れのお母さんを見つけて、コータに
「ほら、コータ、あれが赤ちゃんだよ! コータもあんなに小さかったんだよ。 お母さんのお腹の中に赤ちゃんが居て今度生まれて来るんだよ!」と教えていると。
「あーたん!?かーたん」と言っていたのだった。
多分赤ちゃんが何かかは多少判ったんじゃないかと思う・・・。
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