第213話 新たなる歴史の1ページ 更なる深みへGo! その9
念願のアリーシアへのお土産を持ってホクホクしてた俺はこの時重要な事に気付いて無かった。
魔の森の小屋に立ち寄って身繕いをしていてハタと気付いた。サチちゃんへの下らない物でもちょっとお土産とすべきじゃないかってね。
ほら既に前に渡して あるからと言って理解出来ても寂しい事には変わらないから。
俺が小さい頃、出張帰りの親父のお土産でただの現地の箱入りの饅頭だけでガックリしたのを思い出しちゃってさ。
次回から、行った先で買ったキーホルダーを毎回くれる様になって喜んだのを思い出す。
毎回凄い丁度良い物がお土産に出来るとは限らんし、何か無いかって考えたんだけど、直ぐに思い付くのは、サイレント・オウルやフォレスト・サンダー・イーグルの羽ぐらいしか思い付かなかった。
あれなら、カッコ良いしお人形さんの飾りに出来るんじゃないかな?
帰る寸前に思い付いて本当に良かった!
自宅に戻ると、笑顔のアリーシアと待ち構えて居たサチちゃんが出迎えてくれた。(これは魔の森の小屋からの帰るコールのお陰だけどね)
全員をハグし終えたら、いよいよお土産のお披露目タイムだ。
まずはサチちゃんにサイレント・オウルとフォレスト・サンダー・イーグルの羽を数枚手渡して、
「はい、これはサチちゃんへのお土産ね。」と言うと、
「おとーしゃん、ありゃーと!」と満面の笑みを浮かべてホッペにチューをしてくれた。 ああ、最高だ! 「あー、疲れが吹っ飛んだー!」と大袈裟に喜んで見せるとサチちゃんも喜んでくれたのだった。
そして、アリーシアに
「今回のはアリーシアに丁度良さそうな物だったから、使ってくれ。 はい、お土産!」と言って、フォレスト・ハンター・ウルフの白い毛皮で作られたモッズコートを肩に掛けてやる。
抱いていたコータを受け取って、俺が抱いてあやしているとアリーシアが「トージさんありがとう!」と言いながら鏡の前に行って、色んな確度から見て嬉しそうにポーズを取っている。
どうやら本当に気に入ってくれた様で、「ウフフ、似合ってますか?」と嬉し気に聞いて来た。
「うん、予想した以上に似合ってるよ!可愛いよ。」と返すと、抱きついて来てサチちゃんと逆のホッペにチュってしてくれたのだった。
◇◇◇◇
凄く良い一夜を過ごし翌朝、何時もの様にゲートでダンジョンへと向かう。
昨日フォレスト・サンダー・イーグルと戦った場所に戻って、最後の青丸ポイントへと、上空から向かうのであった。
流石に昨日あれだけ
30分程のフライトで漸く現地に到着するも、下は昨日同様に靄に包まれガスった状態である。重力制御で徐々に高度を降ろしつつ何処に宝箱が隠されて居るのかを確認しようとするのだが、司会が悪くて全く目視出来ない。
居る!居るな!!目には見えないがモゾモゾと蠢く気配を辛うじて察知している。ぞわっと背中に立つ鳥肌から察する感じだと、虫!・・・しかも芋虫系の様な気がするんだが?
目で見えてる分にはまだマシなんだが見えないのが悍ましさを加速する・・・。ホント止めて欲しい!!
周囲にライト・ボールを5個程浮かせて必死に視力を強化すると、上の枝から糸で垂れ下がってる芋虫とも毛虫ともとれる醜い奴を発見。
ああ~・・・俺の一番アカンパターンの奴やん!?と全身にゾワゾワと立つ鳥肌を身体中を擦ってリセットしようと無駄に必死な俺。
何とか全身の魔装とシールドをマシマシで気丈に大地に立とうとしたが、足下にもモゾモゾ動いて居たので、着地せずにギリギリの高度70cmぐらいを『ホバー移動』する事にした。
今まで虫との戦闘のの経験上、1匹を
アレは二度と経験したく無い。例え、魔装やシールドが在ってもだ!!
そこで俺は宝箱だけ密かに回収して、サッサとここから離脱すると言う計画を実行する事にした。
って言っても、この近辺なのは判るのだが、それらしい、オブジェクトも見当たらず、『自動マップ』で方向を探って徐々に進み盛大に顔を顰めた・・・。
宝箱は素で地面に置かれて居た。うん、これは金箱やね。チロチロと金色の輝きが見え隠れしてるから。周囲をグルグルと蠢いている何十匹もの毛虫の隙間からね。
これはアカンって!!
前回のアブソリュート
そに、宝箱内部への影響も判らんから、出来れば避けたいし、宝箱の周囲を無属性のシールドで囲んで中を真空にするのはどうだろうか?
幾ら魔物だって、呼吸はするだろうし、鈍感な虫だって、真空時の負圧には耐えられないだろう。
と言う事で方針も決まり、宝箱から半径4m位を半球状のドームのシールドで囲み、一気に真空にすると、効果は抜群と言うか、予想以上に悲惨で飛散だった。
負圧に耐えきれず、体内の水分が沸騰して内部から爆散し、飛び散る飛び散る・・・。
一瞬周囲の毛虫が襲って来ないかを気にしたが、真空中なので声も何も伝わらず、異変は無いのでホッとした。
ただ、問題はこのシールド内の飛散した状況で、宝箱にまでドップリと緑色の何かや気持ち悪い物が付着している。
辛うじて救いなのは内部が真空故に水分が無くカラッとして居る所だろう。
まあどうせクルーンで綺麗にしちゃうから良いんだけどな。
クリーンを掛けた後、シールドを解除すると、シュポンと空気が流れ混み、一瞬周囲の毛虫の注目を浴びて締まった来がするし、何か移動を始めて居る気もする。
ヤバイのでm巻きでサクっと蓋を開けて、中身とご対面。
サクっと回収し、即座に上空へとゲートで移動したのであった。
ふぅ~最後のが一番キツかったな。
さてここで中身を再確認したい所だが、ここまでくれば、緑ポイントを先に目指して、小屋でユックリ見るのも一興だろう。
これぞ、大人のゆとりだよな。と微笑みながら滑空に入るのであった。
最後の宝箱のポイントから、下層への階段の入り口は結構離れて居たので、その後1時間程の滑空を強いられてしまったが、それも終了!
階段から魔の森の小屋にゲートで移動し、ホッと一息。
よくよく考えると、今日は時間帯が悪く昼飯を食い損ねて居た事に気付きまずは、身綺麗に一っ風呂浴びてみを清めてからアリーシアのお弁当を開封してを合わせて頂きます。
今日は炊き込みご飯と里芋と竹の子の煮物とミノタウロスのしぐれ煮のお弁当で非常に美味しい物でした。
いいよ!と言っても、産後体調もリズムも落ち着いたからって、作ってくれるんだよ。
余り負担を掛けたくないんだけど、やっぱり、愛妻弁当って別格の美味しさだし、ご厚意に甘えてしまっているんだよね。
さて、パッとしか見ずにサッと回収しちゃったけど、これは凄い物をゲットしたんじゃなかろうか?
『女神の英知』先生総動員で手持ちのお宝の物と必要な材料をチェックしつつニンマリとしてしまう。
個人的に楽しむだけなら『アリ』な気もするし・・。
なによりも、材料が揃っているのに作らないってのも、錬金術師?魔動具職人?としてどうかって思うし・・・。
まあ良いさ、ちょっとユックリ考えるるとしよう。と思考を纏め、帰るコールの後自宅へと戻るのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます