第210話 新たなる歴史の1ページ 更なる深みへGo! その6
さあ一夜明け第63階層である。そろそろ『普通』のフィールドを探検したい物だ。
明るすぎるのも暗すぎるのも臭いのも御免蒙りたい!!な~んて考えているとい見透かした様にそう言う普通でないフィールドをぶつけて来るから変なフラグを建て無い様に無心が一番だな。
そう心の片隅で思いつつ階段を降りて第63階層に降り立った。
良かった!一見 普通に明るく、普通に息の出来る平原っぽいフィールドの様だ。
空は高く澄み渡り普通に気分の良い景色である。
こころからホッと息を付いて。今では頼もしい相棒にまで昇格した『自動マップ』を懐から取り出し、魔力を注ぐ。
浮かび上がる地形と多数の赤丸や5個の青丸と目指すべき緑丸
だが平原とだけだと思ったのはほんの一部でグランドキャニオンの様な起伏に富んだ渓谷もある平原?と言う感じであった。
目の前には暫し先の方まで続く草原と階段の出口に近い手前の方は花が咲き乱れて居り、そのちょっと先にポツポツと弱い魔物の反応は在る。
雰囲気としてはホーンラビットぐらいの反応である。
これまでの殺意高めの階層から一気に浅い階層に戻った様な錯覚に陥ってしまうのはしょうがないぐらいの長閑さである。
あの秘密の花園を思い出しピクニックでもしたくなる様な雰囲気なのだ。
空は青く澄み渡り花は咲き乱れると来れば、思わず油断しても不思議は無い。
もしこれがダンジョン側の狙いならば見事としか言い様が無い。
さて、それは兎も角5箇所の青丸の宝箱を回収して廻って、最終的に緑丸を目指す感じに向かう為一番近い宝箱の方向を探る為にグルリと回って方向を定める。
一瞬空からショートカットする事も考えたが、後進の為にもこの階層の魔物がどんな雰囲気なのかを一応情報を得た方が良かろうと考え、先の階層同様に『ホバー移動』で移動を開始たのであった。
花を踏み荒らさずに草原の近くまで辿り着くと草原に潜む進行方向の魔物が俺に気付いて殺意が溢れ出し始める。腰の高ぐらいの草原だけに直接目視出来ないのだが、浮いてる俺には余り脅威でも無いだろう。と高を括って居たが、
弾丸の様にツッコんで来てガキンと俺の魔装に弾かれた奴はキューと鳴き声を上げて草の中に落ちて行く。うん、やはりホーンラビット!? とおもったら普通のホーンラビットではなく、ホーンラビット・アクセラレートと言う通常種よりもツッコむ速度の速い上位種らしい。
そして額の角も通常種よりも硬く強い資材と言う事だった。 そして肉も通常種より更に美味いらしい。
ホーンラビット自体は鶏肉に似た感じで鶏肉をもっとパサパサにした感じの食感である。 不味くは無いが絶品でもない。そう言う感じなので、「今夜の夕食はホーンラビットよ!」とお母さんに言われて「わーい!!」と喜ぶ程じゃないってことだ。
とは言え、世の中にはそんなホーンラビットでさえ食えない人々が居るので贅沢な話だがな。やはり、『頂きます』の精神でありがたく頂かないとイカンな・・・。
と言う事で魔装に弾かれ目を回し地面に落ちたホーンラビット・アクセラレート君を先日宝箱からドロップしたミスリルの短剣でサクっと首に刃を入れて血抜きを済ませ,ありがたく回収する。
一応、此奴らの突進力を試す為に丸太を取り出して次のホーンラビット・アクセラレートの反応の方へ寄ってみて挑発し魔装では無く丸太で突進を受けてみた。バキン!と言う音と共にホーンラビット・アクセラレートの角が刺さった丸太が薪割りで楔を打ち込んだ様に2つに割れてしまった。
これには正直驚きである。直径40cm近い丸太を割り裂く程の角の堅さと突進力。侮れない。普通に生身でこの突進を受けると致命傷になりかねないだろう。
まあしかし、頭は悪そうで、丸太に刺さってプランプランとしてるホーンラビット・アクセラレートの首に裂くっとミスリルの短剣の刃をいれて又血抜きして回収だ。
試食してみないと判らないが、『女神の英知』が美味いって言う程の場合はご多分に漏れずに美味しいのだ。
そう言う意味では、この階層の序盤は俺との相性は悪くないのかも知れないな。 後で1匹試食してみよう・・・味によっては狩り尽くすぐらいの勢いにテンションが上がるやも知れんし。
10匹程狩った頃合いで一旦魔の森の小屋にゲートで移動して、落ち着いてホーンラビット・アクセラレートを正式に1匹解体する。綺麗に肉うぃ洗い流して余計な血を洗い落とし、適当なサイズにカットしてホーンラビット・アクセラレートの肉を駆使に刺して肉串状にする。
そしてパラパラと上から塩を振り掛けて炭火で焼いて行くと、通常種のホーンラビットよりも滴る肉汁と油が多い事が直ぐに判る。肉汁の焦げる良い匂いが白い煙となって辺りに充満しながらが立ち上っている。
これは匂いだけでもかなり美味い事が判る感じである。
そして焼き上がった肉串を手に取りパクりと一口。
肉を噛み締める前からジュワーと大量の熱い肉汁が零れて軽く口内を火傷してしまったが・・・美味い!!! これはホーンラビットとは全くの別物でパサパサの
パの字すら無く、臭みも無く旨味しかない。これ、ネギマにしてタレ焼きにしも美味そうだな。と思い付いて早速葱とタレの壺を引っ張り出して、ネギマの串をセッセと作って行く俺。
既にこの時点で俺の頭からダンジョンアタック中と言う事は完全に忘れ去られてしまっていたのだった。
出来たネギマ串をタレで焼き始める俺。タレの焦げる匂いが堪らない。「兎美味しいあの頃~♪」とちょっと意味の違う歌を歌いつつ上機嫌でホーンラビット・アクセラレートのネギマを焼く俺。
焼き上がったネギマは予想通り最高で思わず口内の火傷も厭わずに3本程平らげるのであった。
取り敢えず火傷自体は既に回復魔法で元通りに治療済みなので心配無用だが、これの最大のネックは豊富な肉汁と葱の汁で口内を火傷する事である。
特にサチちゃんに食べさせる際には要注意だな・・・。
と言う事で早速お土産用のネギマと通常の肉串を取り敢えず解体済みの1匹分作成し焼いた後、収納したのだった。
漸くここでダンジョンアタック中だった事を思い出して、更にホーンラビット・アクセラレートを狩る為に先の第63階層に戻るのであった。
油断する訳では無いが、先程の歌を口ずさみながら一応青丸地点を目指しつつもメインはホーンラビット・アクセラレート狩りにシフトチェンジしてその大漁っぷりにホクホクするのであった。
やっぱり、俺はガツガツ殺伐としたダンジョンアタックよりこれくらのゆるふわな感覚が性に合ってると改めて思うのだった。
とは言っても草原ゾーンが終わる頃にはちょっとした川と聳え立つ渓谷ゾーンに突入すると、ゆるふわ感は消え失せて、ハイランド・キャノン・ゴートと言う岩の砲弾を蹴り飛ばしたり頭突きで飛ばして来る厄介な山羊が渓谷は俺のディフェンスゾーンだと主張するかの如くに砲弾を飛ばして来る。
まあ俺の魔装を突き破る程の威力は無い物の、小刻みに魔装で弾く際の衝撃が響きかなり鬱陶しいのだ。
イラッとするので、バンバン魔弾で狙撃しているのだが一向に怯む様子もてを抜く様子も無い。
迂回出来れば良いのだが第一の宝箱ポイントはこの鬱陶しい渓谷ゾーンの谷間にあるのだ。
ワンショットワンキルで地道に数を減らしているんだが、その攻撃に対するせめてもの抵抗と寛大な心で受け止めて最短コースで宝箱ポイントに向かって行くのだった。
崖の中腹にポッカリ空いた洞窟がどうやら宝箱のポイントらしい。重力制御で高さを合わせ『ジェットブースター』で一気に洞窟に飛び込んだのであった。
割と手間暇掛けて来た割には木箱と言うショボい宝箱に開ける前から既にテンションは下がって居る。
中身を確認すると・・・1つの鍋がポツンと置いて在る。
『女神の英知』先生によると、魔力を注ぐ事で火を起こさないでも調理の出来る鍋だそうで・・・。ショボ!!
一応効果としてこの鍋で作った料理はやや美味しくなるらしいけど『やや』だもんなぁ~。ショボ過ぎっしょ!?
何かこの階層の宝箱、出だしから相性悪いのか?と思わず負の方向に思ってしまいそうになるが首を振って否定し、気を取り直して次の宝箱ポイントへと最短コースで飛ぶのであった。
え?魔物の調査は良いのかって? 良いんだよ。適当で。って事でウィングスーツで滑空を開始している訳だ。
つまり苦労して行くから余計に中身に期待しちゃうんだよ。 『ここまでやって、これかよ!?』ってね。
だから、いい加減な感じでゆる~く行こうと。
2個目の宝箱も同じく木箱・・・中身は察した通りにショボくてまた調理器具シリーズ。今回はフライパンで魔力を注ぐと加熱出来る物で、鍋同様作った食事が『やや』美味しくなるという特殊効果が付いて来る。
あ、一応補足すると、贅沢にもこの2つはミスリル製なんだよね。無駄に贅沢。
この2つ、オークションにだそうかなぁ? どっかのバカが買うかも知れんし。
そして、何とかギリ夕方前に3つ目の宝箱のポイントに到着したら今度は銀箱で思わず握った拳を上に突き上げて「キターーーー!」って叫んじゃったよ。
箱の中身は、ティーセット・・・ミスリル製のポットは魔力を注ぐだけでお湯を沸かせるけどさ・・・。
白無垢のソーサーとカップって貧相じゃない?これってそうなんだろう?
ああ、このセットにも、『やや』美味しくなる効果と、汚い水を使っても浄化されると言う特殊効果付きだったりするし、ソーサーとティーカップは不壊属性も付いているので割れないらしい。
像が踏んでも壊れないってキャッチフレーズの文具を思い出してしまうよね。
まあ今日はこの残念宝箱3連発で時間切れ。 サチちゃん達の待つ我が家にネギマ持ってレッツゴーだ・・・。
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どうもです。
まだしつこい咳と痰に悩まされている私です。
何とか体調ギリギリで連日投稿は続いておりますが、咳こんでその反動でタイプミスが連発中です。
龍角散喉飴舐めてるんですが、最近のは龍角散の粉が少なくなってますね。
昔程白い粉が付いて無い様子。
どうしようかなぁ? 咳のし過ぎで肺と気管支が痛いので病院行って来ようかな・・・。
龍角散は良いけど、病院の粉薬って小学校の頃から駄目なんですよね・・・。
熱はほぼ引いて、気怠さも大分マシになったんですが、現在咳が最大のネックです。
皆さんも身体にお気を付け下さいm(__)m
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