第208話 新たなる歴史の1ページ 更なる深みへGo! その4

昨夜の内に第61階層の詳細を纏めたレポートと解体に回す『デザート・ロック・バード』だけに非ずで、『ホワイト・デザート・フォング』が沢山入ったマジックバックを抱えて先に冒険者ギルドに顔を出しに行く。


やっぱりね、あんなヨレヨレのポンコツコンビ見ちゃうとね・・・。


特にこの『ホワイト・デザート・フォング』の毛皮とか良い金になりそうだしそれに伴って解体料金も相応に跳ね上がるだろうし。


そうすりゃ、少しは蓄えも出来るんじゃ?って思うじゃん。


いや、それが出来ない奴らだからのあの状況だったんだよなぁ~。と保護者でも無いのに思わず心配をしてしまうのであった。


一応ゲンダさんには小出しに彼奴らに解体依頼を出して彼奴らにやらせて一気に大金を渡さない感じにセーブして貰うとするかぁ~。


ゲンダさん面倒がって嫌がりそうだけど、あれで結構面倒見が良いから、ブツブツ言いながらも奴らの懐具合を管理しながら解体依頼をチョボチョボ出してくれるだろう・・・。


そんな訳で朝から冒険者ギルド経由で用事を済ませて、昨日の続きをしに第62階層へと向かう階段にゲートで移動したのだった。



今度の第62階層は、だだっ広い草原?と思いきや、暗くて良く見えないがどうやらだだっ広い廃墟っぽい平原と言う漢字だろうか!?


第61階層の眩しさの次は真っ暗とは言わないまでも、新月の曇り空のみたいで、星明かりもほぼ無くて第61階層と両極端と言った感じ。


勿論昨日散々お世話になった『サングラスゴーグル』はもうしていない。

こんな暗闇のなかで『サングラスゴーグル』なんか掛けたら、それこそ自殺行為である。


そんな所で良く辺りが見えるな!って思うだろうけど、それも勿論専用ボディの恩恵である。通常の状態でも高性能な専用ボディの視力にプラス身体強化で視力もアップしているのだ。


逆にそこまでしないと見えない様な悪環境って事。


俺虫も嫌いだけど、お化けや肝試しとか昔から嫌いなんだよね。


いや怖いからじゃないけど、あの手のドキドキ感が超嫌なんだよ! 怖い訳じゃないんだけどね。



だから、廃墟とかも嫌いだし。


あ、ゾンビも嫌だよ!!腐ってて臭いし!


いや、まだそう言う階層だと決め付けるのは良く無い。普通に位だけのフィールドだって偶にはあるだろうし。


不吉なフラグを建てるのは止めよう・・・。



って思った時期が俺にもありました。


初っ端から腐った匂いが漂って来るまでは・・・。


ズリュ、ズサ、ズズと何かを引き摺る音と、オエって嘔吐きたくなる悪臭・・・ゾンビ決定である。


俺は直ぐに風魔法の気密シールドと空気清浄を発動し、更に魔装も強化した。

これで俺の半径2m以内に入り込む事も、腐った汁を引っ被る事も腐った匂いで嘔吐く事もないだろう。


あれ?此奴らにも浄化って効くんだっけ?まあやってみてば良いか!?

と、広範囲なエリアでに浄化を発動するとギギギャー!グォォォ!とエリア内の方々から断末魔の声とも腐った身体からガスが漏れる音とも取れる音がしたのだった。


うむ、どぷやら浄化で政界だったらしい。


なによりもあんな腐った物と対面する必要が無いのが素晴らしい! お陰でちょっと心が軽くなった。



サクっと進もうと懐から心強い味方である『自動マップ』を取り出して魔力を注ぐと青丸1個に赤丸が30個位表示されて、緑丸の方向をグルッと回転しながら確認し、その階段に向かう途中に1箇所だけ在る宝箱を取りに行く感じで予定を立てて進み始め定期的に範囲浄化を掛けながら進む。


え?素材? 腐ったドロドロの素材欲しいのか?って話だよ。 え?魔石? 要らんゆよ。ドロドロの中に手突っ込む気にもならんし。確かに無属性の触手使えば魔石だけ選別することは可能だろうけど、ちょっとね・・・。


本当ならやるべきなんだろうけどね。 スケルトンとかならOKだけど、ゾンビの魔石をヘドロの中を弄って集めるだけの魅力は無い。



いや、対面しなくて楽で良いなんて最初は思ったけど、そんなに楽でも無かった。 何匹居るんだよ!ってツッコみたくなる程に切れ間無く続くゾンビの来襲の波。


10mも進まない内に次のゾンビの波が来て浄化で溶けるんだけど、お陰で地面がゾンビヘドロだらけ。幾ら全身に魔装を纏って居るとは言っても、ゾンビヘドロのン蟹足を突っ込みたくないし、しょうがないのでフォース・フィールドの足場を地面から1mぐらいの高さに出してその上を歩かざるを得ない状況である。



そんな具合なので、進むべき方向は判っていても遅々として進まないと言う・・・まるで俺の前世の人生みたいな状況だ。



そんなこんなで約1時間が新喜多頃、やっと清潔?なスケルトン君達が嬉し気にガチャガチャと骨の音を鳴らしながらやって来た。


まあ此奴らもゾンビと同じでエリアで浄化してしまえば即終了である。


何なら、倒した後の魔石厚めの方が時間が掛かる程だ。一応、無属性の触手で掻き集めているが、集め方もやる気も大雑把なので最低でも2割歩程ロストしていると思う。




そしてこの階層に入って3時間が過ぎた頃、漸く青丸ポイントへと到着したのだった。


そこにはこのフィールドに見合った悪い意味で雰囲気のある宗教的な建築物の廃墟があって、どうもその中が青丸ポイントと『自動マップ』先生は仰っておられるみたいである。


いや、ここまで来ておいて入らないって選択肢はないけどさ、まあこの世界では元の世界の様な幽霊ちか霊的な物とか無いっぽいし、悪くてグールやレイスそして臭いゾンビだろ!?


と覚悟を決めて建物内に入ると、どうやら礼拝堂的な所らしく、割れたステンドグラスにドクロを置かれた祭壇!? あれ?ドクロ???なんか変な方向混じって居る様な。

幽霊的な方向では無くて西洋の悪魔召喚的な方向なの?と一気に怖さが吹っ飛ぶ俺だった。 いや、怖くはなかったけど!!


何処に宝箱あるのか、ライト・ボールを方々に飛ばして隈無く探すも見つからない。変だなって思った瞬間腐った床の木が折れて落ち、一緒に俺も落ちるのであった。ガシャバラバラと言う派手な音と床の板と共に俺は3m程したの地下室へと落ちて居た。

そして地下室の床の上にまたもや銅の宝箱を発見したのだった。


果たしてこの床抜けがトラップだったのかは微妙だが、一応無事?に宝箱を発見出来たのでよしとしよう。


そして宝箱の蓋を開けると・・・元の世界では骨壺と言われていた様な普通の蓋付きの壺であった。


そう言えば、この世界の葬式事情は非常に微妙で普通に土葬するとゾンビ等のアンデッド化するので普通に焼く。日本のお葬式の様な情緒も何もない。


お墓に火葬した骨の一部を埋めて拝む事は合っても、非常にドライな印象を受けるし、安全な街の中で運良く亡くなった場合を除いて歩チン度墓には 何も埋まって無いのだ。


つまり骨壺を貰っても余り意味が無いのだ・・・。


楽しみにして居ただけにこれは流石にあんまりである。銅箱だからなのか?


余りにもガックリした俺は脱力そてしまい、拗ねて早上がりする事にしたのだった。


とは言っても直接自宅に戻る様な愚行はせずに一旦魔の森の小屋で風呂に入ってゾンビ臭を完全に落としてからサチちゃんんとアリーシア、そしてコータの待つ家へと戻るのであった。



------------------------------------------------------------------------------------------------読者の皆様、何時もお読み頂きありがとうございます。


この所の急激な気温変化に身体がついていけずに、風邪をひいたらしく、喉と咳が酷い状況でして・・・もしかすると明日は更新をお休みするかも知れません。

誠に申し訳ありませんが、最悪の場合何卒御了承ください。m(__)m

季節の変わり目だけに皆様も体調にはお気を付け下さい。

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