第198話 明日の為の実証実験旅行 からの寄り道?
一瞬自室から帰るコールする事も考えたけど、そう言う物じゃないなって思って素直に謝る事にした。
ノックしてアリーシアの部屋に入ると、一瞬アレ?って顔をされたが素直に無事に帰って来た事を喜んで迎えてくれた。
「ごめんね、帰り際にゴタついて早くアリーシアの顔が見たくってそのまま連絡せずに帰ってきちゃったよ・・・。」と俺が素直に謝ると、
「フフフ、大丈夫ですよ!無事に帰ってきてくれるだけで。」と優しく女神の様に微笑んでくれるのであった。
いや、すまん、あの女神の姿を知る俺にとってはこれこそ女神と呼ぶに相応しい微笑みだと思う訳で・・・。
「ありがとう、無事帰って来たよ。」と言いながらアリーシアの額に軽くキスをしてそっと見事に大きくなったお腹に軽くてを当てて「やあ、おチビちゃん、お父さん帰って来たよ。
今日も元気に良い子にしてか?」と声を掛けるとそれに呼応する様に、お腹の中からポコボコってハッキリ判る程にパンチ?蹴りが返って来た。
「おー!元気元気!! 何かサチの時より元気?激しい感じだな?」と俺がアリーシアに尋ねると、
「そうなんですよ、凄く元気でやんちゃなんですよ。フフ。生まれて来た後が大変かも。」と嬉し気に自分のお腹を軽くトントンと指で叩いて居る。
すると、それに応える様に、また中からポコって返って来る。
「後ちょっとで会えるな!?楽しみに待ってるからな。」と言いながら、気になる事をアリーシアに尋ねる。
何時もなら俺を出迎えてくれるもう1人のマイ・エンジェルy・・・の姿が見えないのである。
「アリーシア、サチちゃんの姿が見えない様だけど?」と俺が質問すると、
「今日はカレンさんの所でお人形マッキーさんの弟を産んで貰うんだって言って午前中に出かけたんですよ。多分、カレンさんの工房の方だと思います。」と言っていた。
なる程! 弟か、もしかして、このおチビちゃんは男の子かもな・・・・。
「そうか、じゃあそろそろ夕方だし、俺が迎えに行って来るよ。」と言ってアリーシアの部屋を後にしたのであった。
カレンさんの工房に着くと、サチちゃんのお人形遊び攻撃でややグッタリ気味のガスリー君が居て俺の顔を見ると、『やったー!解放だー!』って顔をしていた。
そして漸くマイ・エンジェルからあ!「おとーしゃん、おかえりー!」とお帰りなさいの言葉を貰えたのだった。
「カレンさん、ガスリー君、すまないね、気を利かせてサチちゃんの相手してくれて居たんだよね?ありがとうね、ガスリー君。美味しい海のお魚大量に仕入れて来たんで、今日は俺の自宅の方で夕食みんなと一緒に如何ですか?」とお礼も兼ねてお誘いしたら、
一番サチちゃんが喜んでいて、やや複雑な心境の俺だった・・・。
その日の夕食は俺と、マッシュ達第一期生との合作で、サバ風の魚の味噌煮や焼き魚、つみれ汁に加え、刺身等もメニューに加えこの世界に来て始めて舟盛りをご披露すると、えらく予想以上に請けてしまったのだった。
この日の為に1年以上前から作って死蔵して居て良かったよ。舟盛りの舟10艘も作った甲斐があったよ。
夕食時に『イーラスト』の話をして、二期生のジャンにイーラストとの交易の責任者を打診し、必要に応じて何名かで上手くローテーションを組んで欲しいとお願いすると、即答でOKを貰えた。
と言う事で、店舗の準備や工事もあるので、明日はジャンも一緒にイーラストへ随行してくれる事になったのだった。
店舗や裏の家部分の工事に使う材木やガラス等の材料は明日の朝一番で揃えて目標午前11時に出発と言う事に決定した。
あれれ?おかしいな?携帯電話を作っている筈で何故か当然の様に『また』土木工事?建築工事に戻って居る気がするのは俺だけだろうか?
余りにも自分自身で違和感を感じないまでになってしまった『擦り込まれた』事に驚愕するのだった。
■■■
翌朝、ジャンと一緒に第三期生のラッセルもイーラスト組に加わってくれて手伝って貰い資材等を集め終わって、目標時間よりやや遅くなったが午後からイーラストで工事に入った。
俺達が午後にイーラストにゲートで到着し昨日ザッと作った家の部分から出て来ると、見学にきていた街の人たちが、「おー!来たぞー!人が増とるぞー!」と騒いで居る。
本日始めてやって来たジャンもラッセルもその大声に最初こそビビって居たが、「何か凄い所ですね。」と微笑んでいた。
既にマッシモの方で軽く図を描いて説明していたが、店舗部分を見せてガラスのショーウィンドーにする事や、その他の細かい事をザザッと2人に場所を指足ながら説明すると、早速2人も土魔法で、商品を置く棚やカウンター等を作って行く。
工事を再開して居る所にジェイクさんが嬉し気にやって来て、早速俺と2人に挨拶をする。
「どうも、ジェイクさん、今日から助っ人を2名連れて来ました。こちらがここイーラストの店舗の運営責任者となるジャン、こっちはその補佐のラッセル。2人とも優秀な家の子でして。宜しくお願いしますね。」と言うと、
「イーラスト街の長をやって居るジェイクです。これからも末永く宜しくお願いする。 こちら側から店員候補を選出して出せば良いんじゃが、田舎者故にみんなまだビビって居ってのぉ。暫し待って欲しいのじゃ。」と言っていた。
「大丈夫ですよ。店舗が完成する頃までにユックリ良い人をご推薦頂ければ・・・。」と返して直ぐに工事を再開したのだった。
結局、俺達3名の突貫工事で何とか店舗の営業可能に「なったのは3日後、更に裏の家の方に至っては、プラス3日掛かってしまった。
ま時間が掛かった理由は、ジャンとラッセルの2名に直々『無属性魔法工具』を使った木工作業の方法と言うか魔法の応用の仕方を手取り足取り教えていた為である。
つまり、電動の丸鋸や、電動鉋、エアーリューターやトリマー的な物を無属性魔法で再現し、ドアや椅子やテーブル等を作り込みショーケース、ショーウィンドーの修正等窓枠の作成等多岐に渡って大工の棟梁やってたって訳だ。
まあ、イーラスト側の店員候補が決まって無かったので丁度良かったのだがソロソロこっちは準備OKなので、最悪マッシモから、第三期生を2名程引き込んで営業を開始する事も検討し始めた頃、
出来上がった店のここイーラストでは見た事も無い様な豪華っぷりに飛び付いたかなり可愛い女の子・・・いや美少女のレイニーさんを従えてジェイクさんがやって来たのであった。
海辺の街だからなのか小麦色の健康的な濃いブラウンの髪をリボンでポニーテールに縛った少女15歳の存在感はマッシモの女子しか見た事が無い2人にはインパクトがあったらしい・・・。
更に3日ぐらいの訓練期間を置いてから、オオサワ商会初の本格的店舗のイーラスト店はオープンしたのであった。
オープンしてから3日ぐらいはチョイチョイ様子を見に来たが、全然問題無さそうで、店も繁盛しており、順調そのもの。
そして、俺側の第一目的であった魚介類等の海産物も順調に購入して輸入が開始されている。
量的にマッシモだけでは捌き切れないので、王都の方にも仕方無くオオサワ商会の店舗を出す事にしたのであった。
さて、何処に店を出すか?旧城内に1店舗、
拡張エリアに1店舗の合計2店舗と言う強気の姿勢で行く事にしようかと一瞬考えたが、それよりも、旧城内に店舗を持つラルゴさんを泣き込んだ方が俺もラルゴさんもwinn-winだと思い、うちの大手支店の店舗は拡張エリアのみにする事になったのだった。
お互いの店舗で客を食い合わないかって? 大丈夫なんだよ。お互い店舗の位置は遠く離れて居るし、しかも王都は広く住民も店も多い。
家やラルゴ商会が販売しても、直接エンドユーザーの場合もあるが、その多くは食堂であったり、ちょっと離れた所にある一般販売の店の仕入れだったりするので問題が無いのだ。
実際、売って居るけど、マジックバッグを持って店を運営している所なんて極少数である。
そう、マジックバッグに関しては面倒なので商人ギルドの
そんな訳でまたもやサラッと王都で建築業を間に挟んで王都支店が1人作業1週間で建築完了したのであった。
なんか最近、こう言う建築業ばかりの腕があがっている気がするが・・・そもそもの目的をここでハタと思い出し、スッカリ携帯電話開発を忘れて捻り鉢巻で店舗を建築して居たた自分に苦笑いするのであった。
取り敢えず、店舗が完成し、第二期生のラクートに王都支店を託し、第三期生3名と第四期生5名で王都支店を運営する許可を求められたので、
「それを含め任せるから、OKだよ!何か問題あれば何でも遠慮せずに聞いてくれ。」と言って励ましてやると嬉し気に張り切って居たのだった。
尤も、ここ王都支店、オープン早々、凄い来客数で慌てて、オープン3日で早々に人員を増やし、10名体制に変わったのであった。
漸く王都支店も俺の手を離れ、今度こそ忘れずに携帯電話開発に戻るのであった・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます