第153話 ゲート爆誕@王国
それからの王国の・・・いや、国王陛下の動きは驚く程に早かった。
もう今までと中身が別人に入れ替わったんじゃないかって疑う程である。
やりゃ~出来るなら、最初からヤレよ!とツッコみたくなるのは許して欲しい。
まあ裏返すと、のろまで優柔不断な
ここの所、俺絡みでお取り潰すしになった貴族家は数多く、しかも王国の経済的な物はマッシモ領の一人勝ち状態。
俺に10年分の国家予算を支払った後なのに、国庫に負担の掛かる様な反逆やテロ・・・王宮にしてみれば堪ったもんじゃない。
そして、結局王国の、魔法組織の再編と教育課程の一新が急務となり、それも全て俺頼みとなり、現場は王都でなくてマッシモである。
現状、各貴族への統率力や結束力に陰りが出始めて居た矢先の吉報と言う訳だ。
つまり今回のゲートの魔動具は砂漠で飲む冷えた水みたいな物だった訳だ。 飛び付くだろうさ。
しかも今後の事を考えると、貴族に対する強力な交渉カードが出来た訳だ。
反抗的な領主のゲートを一方的に封鎖する事も出来るし。
早速ジェシカ経由で、取り敢えずで300セットと言う注文が入った。ジェシカの話だと、子爵以上の領地は王国内に500箇所以上あるらしく、その全てとは言わないけど、辺境や国境に面する領等の軍事的に重要な拠点や砦も含めると、300セット以上に膨らむだろうと言う事であった。
「毎度ありぃ~♪」と言いたい所だが、1セット幾らで販売するかがまだ決まってないのだ。
一般売りをしないで独占供給する訳だから、それも考慮した価格にして貰わないと拙い。事実上競合の無い唯一無二の魔動具であり、更に原材料がケープ・スパイダー・シルクって原価が高い物を使うので原価だけでも言い値段になってしまうのだ。
だが、一旦これを使い出すと、低コストの運用経費でズッとお金を生み続けてくれる『お金のなる木』となるのだ。
そりゃあ、余程のバカじゃなければ、即座に飛び付くだろう・・・。
このゲート網の構築が終われば、王都は王国の流通のハブとしての地位が復活するだろう。
俺って何気にこの国に貢献してるよな!?
■■■
久々に王都発のニュースが王国全土を揺るがした。
内容は勿論、俺の作ったゲートの魔動具によるゲート網の構築である。
ジェシカからの情報ではどうやら鉄道の駅の様な建物を建ててホールを中心に様々な都市と結ぶ通路を放射線状に作る予定だそうな。
既に初回オーダー分のゲート魔動具は製作済みであるが、俺がこれらの作成の為にケープ・スパイダー・シルクを大人買いしてしまった影響で、一時的に品薄となってしまい、価格がやや上昇してしまった様だ。
ゴメンね?ケープ・スパイダー・シルクを使う業界の方々。と若干反省するものの、この先もバックオーダーが入りそうなので暫くは品薄による高値が続くかも・・・。
だけど、ケープ・スパイダー・シルクを使った衣服等の需要って、基本庶民相手じゃ無いし、一般庶民が困る事は殆ど無いとは思う。
ジェシカが俺側?の交渉窓口と言うか、仲介役と言うべきか、王国側の立場に立って値切って来ると思ってたんだけど、全然その逆だった。
ジェシカ曰く「これでも安いぐらい」だそうで。俺の商人ギルドの口座にドンドンと0の桁が追加されて行ってるみたいである。
俺の所でお金が停滞しちゃうのは経済的に良くないので、景気良く散財したい所ではあるんだけど、実際欲しい物ってもう無いんだよね。
美人な奥さんそして愛くるしい娘、信頼する家族同然のスタッフと居心地の良い家、美味しい食べ物・・・全部在るからね。
そんな訳で、王国全土の孤児院に商人ギルド経由で毎月支援する事にした。
当初初等科に相当する小学校の建設支援や保育所の建設運営も考えたんだけど、何か良からぬ奴らがポッケ無い無いしそうな気がしたので止めたんだよね。
ほら、他の領の領主がこれまでに処分された様な碌でもない貴族のパターンって多そうじゃん? だからこその商人ギルド経由の孤児院への支援。
今の所商人ギルド自体は外れの経験無いし、契約を守る事に誇りを持って居ると思うので、そこは信用している。
孤児院も神殿の管轄下なので腐ってないと信じたいって所かな。
大丈夫だよね?マルーシャ様!?
そんな感じに王国全土が沸きに沸いている頃、漸く俺の神エリア内の新居とスタッフ用宿舎群が完成したのだった。
新居の敷地内には旧敷地に作ったゲートに繋がる独自のゲートステーションを設けて居るので、通勤や仕入れ等もサクサク移動出来るので非常に便利である。
魔法学校の方でも今回のゲート網の立役者が俺と言う事が何故か広まっており、今まで微妙な視線・・・何と言うか「この調子付いた平民が!」って言う悪意の籠もった感じが大幅に減って、非常に好意的な物や尊敬の念を感じる物に変わった気がする。
多分、当初の悪意の籠もった視線って貴族の子弟達じゃ無いかと思うんだけど、実家からの連絡かは知らないが、ゲート魔動具の作者が『オオサワ商会』・・・つまり俺と特定されたっぽい。
しかも、ジェシカはジェシカで、事ある毎に俺を賞賛する発言をするもんだから、今更否定も何も無いって感じかな・・・。
魔法学校の方だが、冒険者ギルドに護衛依頼を出して、グレード3の生徒達を引率して、魔物狩りの実戦授業を取り入れて居る。
所謂、前にジェシカも参加したあの『魔物狩り』の経験を生かした物となっている。
やはり、実戦を経験すると、訓練場での魔法発動では気付かない欠点等を自覚出来るので、ここで奮起した者はより上達して高みへと登れるのだ。
適正や実力にもよるが、メインが国費で賄っているので、ある一定の水準に達して無い者は幾ら本人が希望しても次のグレードに進級出来ない。
つまり、強制卒業となってしまうのだが、どちらにしても退校時には自分がマスターしたグレードの魔法師メダルを渡される事になっている。
これが今回の魔法改革の目玉となる。グレードは1~7まであり、通常ちゃんとに卒業した者はグレード5となる。
最高がグレード7だが、グレード7は手前味噌で申し訳無いが、俺と同等の実力者のみとなるので今の所この世に俺だけである。
一応、俺の直弟子であるジェシカ、ラフティや子供達、アリーシア、ソフィアは大体横並びでグレード6だな。
グレード6以上は講師として魔法を教える事が可能だが、教える際の模範やガイドとなる物は基本魔法学校の物となる。
ついまり嘘や適当だったり自分勝手な基準は許さんと言う方針だ。
もしグレード5まで行った者が希望すれば講師となれるグレード6の勉強をして貰い教育実習を経てグレード6となるシステムだ。
グレード6になれば、私塾を開けるが、そこで教えてもこのグレードのメダルは発行出来ない。
更にはデタラメな教育を行った事が発覚すると
つまり、私塾を開いても余りメリットが無いのだ。
どちらかと言うと、国に仕えるか、魔法学校に残って講師やって下さいね!と言う公言しない裏の要望の意味合いが強くあるのだ。
ほら、王宮魔術師団が解体(と言うか壊滅か)になったから、再構築しないとってのが本来の最終目標だからね。
別にグレードと言っても、期間が1年毎に進級するとかじゃ無くて、完全実力主義だから、進級か放校かのシビアな世界だ。
よって、才能があったり努力する者はメキメキと進級して行く。
やはり、ここでも貧しい出身の者やバックボーンによる支えの無いハングリーな者程、魔力量を上げて行って緻密な魔力操作を物にして上達して行く。
■■■
話は飛ぶが、家のサチはやっぱ、天才だ!!
俺は先日驚くシーンを目にしてしまった。
前々から魔力操作している様な節を感じていたんだけど、今日自分でオムツの中に致した後、クリーンを見様見真似で発動したたんだよ!ビックリしたよ。
まだ1歳になってないやっと掴まり立ちを覚えたばかりの赤ちゃんなのに。
この子は凄い! きっと俺を越えるだろう・・・。
とは言え、クリーンぐらいは良いんだけどさ、この子の前では、言葉を覚えるまでは火等の危ない魔法は厳禁だな。と言う事で、即座に家族や周囲にも厳命して置いた。
火事になって死傷者出たらシャレにならないし、家の子凄いとか親馬鹿言ってる場合じゃなくなるし。
願わくば、皆の安全の為にもサチには早く言葉を理解して欲しい物だ・・・。
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