第151話 祝! 王立魔法学校 開校

皆様どうもです。

何時もお読み頂き誠にありがとうございます。

久々に指先を包丁でスパッと斬ってしまってブルーな私です。


指先の絆創膏って割とキーボードに引っ掛かってタイプし難いですね。


切った理由は、調理でなくて、食べ終わった後の洗い物中でして、

自分の事ながら、何であんな包丁の触り方をしたのか?理解に苦しむ様な洗い方が原因と言う・・・(´・ω・`)

まあ豚の生姜焼きは美味しかったんですが、最後が・・・。

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一応泣き落としに近い形で頼み込まれて役所や衛兵の詰め所等、本来なら今直ぐにでも稼働させなきゃならない公的機関の建物の建設のみをちょこちょこと手助けして、トータル的には先のオークションの収益を為しにしても軽く300年ぐらい働かずに暮らして行ける程には稼いだらしい。


とは言え、件の保育所に出資してる分があるからこれでも多少は減っている筈なんだが俺の預金金額は0の数がバグっている。


日本の学校で普通に習う桁って、京くらいだっけ?国家予算とかで兆は見かけるけど、普通に生きてる分に京は見かけないなぁ~実際、庶民の感覚だと億の桁が関の山って所だろうか?


余り俺個人がお金をキープしているのは経済的に悪いと思うのだがな・・・。


斯く言う俺も億万長者にニアミスしたぐらいだし。


こっちに来て最初の頃はそれを思い出して無い物尽くしで虚しくなったりしてたけど、今は大丈夫! てか、逆に今はこっちの方が幸せだし!


綺麗な奥さんに可愛い娘、信頼の置ける家族の様な仲間。 どれを取っても日本に居た頃より比べ物にならない程の待遇である。



 ◇◇◇◇

サチが生後1ヵ月になった頃、今まで場外だったエリア増築部分の場内化をする日となった。


つまり、俺が新規で作った城壁の城門が唯一の外部との通用門となるって意味ね。


今までの旧城門は基本素通しのオープン状態の門となる。

そして、万が一の際に籠城する時には閉じて最後の守りの要となる感じである。


ここ1ヵ月で冒険者ギルドと連携し、俺が増築した新しいエリア内に入り込んでると言うか、元々生息していて取り残された魔物を一掃する合同掃討作戦が冒険者、騎士団と衛兵の連携で執り行われた。


まあ、そうは言っても、既に俺が相当数の魔物を上空から狙い撃って一掃しておいたので、仰々しく大騒ぎした割には殆ど残って無かった筈だ。



そんなこんなで王立魔法学校に関しては全ての工事が終わり、城門の切り替わり以降は本格的に学園地区の役所やなんかも稼働を開始したのだった。


そうなれば学校へと入学する生徒達が王国全土から集まって来る訳で、城門の切り替わりの前後ぐらいからマッシモに雪崩混む人の数が爆発していた。


概ねは成人したかどうかぐらいの13歳~17歳ぐらいが多く、庶民に混じって貴族の子弟がちらほらと見受けられる。


マッシモ様やジェシカに『強く』要望して、学園内は身分を問わず、身分を盾に横暴や横柄な態度を取った者は退学にして、貴族の場合その貴族の家門からの入学は永劫に受け付けないと言う校則を作って貰った。


だって、こう言う学園物で身分持ち出しての横暴や虐めって異世界学園物の定番だからね。

俺は別に支配階級全部を憎んでいる訳じゃ無いし、立場故の責任や振る舞いってのがあるのは理解するけど、何時しか支配層ってそこに胡座掻いて無茶し出すんだよね。


それはこのせかいだけじゃなくて、俺の元居た世界も同じでさ。

だから、出鼻を挫くと言うか最初に徹底してそれは通用しないってのを示して置く必要があると。

折角遠方から素質のある子が入学して来たとしてものにそんな下らない事で学ぶ機会や将来の可能性を潰されたら堪ったもんじゃないからね!



王立魔法学校の開校式及び第一期生の入学式の当日となった。


何か知らんけど、ジェシカに上手く言い包められて、名誉総長なる役職を押しつけられてしまった・・・。


交渉の時にサチの事をい引き合いに出されて、「ほら、師匠、サチちゃんが物心付いた時に、お父さんしゅごーい!って言われたいじゃないですか!?」って言葉巧みに誘導されて気が付いたら受けてたんだよな。


今の俺はサチを持ち出されると判断基準がバカになってしまう傾向があるかも知れない。


日本に居る頃は赤ちゃんの泣き声を聞いて可愛いとか、愛おしいとかってプラスの感情は湧かなかったんだけど、愛する我が娘のは鳴き声でさえ愛おしく感じるからね。


我ながら、変わればれば変わる物だと感心してしまう。



おっと話が逸れちゃったけど、そんな経緯で王立魔法学校の名誉総長なる偉いのか何なのか判らない役職を賜ったのだけど、今日の式典でスピーチを突然振られて安直に請け負った自分を恨んだのだった。


「皆さん、初めまして。『名誉総長』を拝命したトージです。冒険者でもあり、現在も尚マッシモ東ダンジョンの最下層を目指し潜ってます。 今までの常識?は知らないが、誰でも努力次第で魔法が使える様になる可能性がある。俺もそうだったが、ジェシカ第一王女殿下は努力して1ヵ月余りで最初の魔法を会得された。魔法の才能? いや直向きに目標に向かって努力すると言う才能こそが重要なんじゃないかと俺は思う。


俺の故郷の諺で『好きこそものの上手なれ』と言う物がある。 今日ここに魔法を学びたくて夢を持って集まった皆さん、どうぞ、魔法を好きになって、修練に励んで下さい。毎日では無いですが、時々学園の方に俺も顔を出すと思うので、不審者と間違わないで下さいね! 短いけど、これにて。入学おめでとう!」と締め括ると会場内の生徒達や集まった大人などの来賓から一斉に拍手が鳴り響いたのだった。


冷や汗をクリーンで綺麗に無かった事にして、ステージを後にしたが、ジェシカが最後の締めの挨拶で壇上に上がって、何を言うのかと思ったら、如何に俺が凄い魔法使いで素晴らしい師匠か!?を力説していて、折角クリーンを掛けたばかりなのに、照れると言うか恥ずかしいと言うのか、ドッと余計な汗を掻いてしまったのだった。


ちなみに王立魔法学校の学長はジェシカで、ラフティは教師と言う立場らしいが、現状圧倒的に教師不足で困っているらしい・・・。



と式典の後に我が家にやって来たジェシカが、何故かサチのホッペを優しくツンツンしながら愚痴って居た。


我が子を変な愚痴相手にするのは、教育上宜しく無いので止めて欲しい所だ。



結局、アリーシアの口添えもあって、俺とソフィアが講師として参加する事になってしまったのだった。



まあ、今まで合計で20人までは行かないけど魔法を教えて来たからね、慣れた物でもあるし、最善の手順も大分判ってきてるからね。


俺は常勤で無くて、ピンチヒッター的な週1回とかの予定だが、どうなるかは様子を見ながらだな。


それに俺にはヤル事多いし、新しい自宅の建設や、かなり間が空いたダンジョンアタックの続きや、なによりもサチの成長をこの目に焼き付けると言う最大にして最高の任務があるし・・・とても忙しいのだよ。


ソフィアに関しては、アンテナショップからの移籍と言うか出向扱いかな。店の方の店長役はマッシュにバトンタッチする事になる。


学園の講師役をマッシュ達に遣らせるのも考えたのだけど、殆ど同世代の者が生徒なので舐められる可能性も考えて、一番年上となったソフィアを生贄・・・いや、講師役に抜擢したのである。


って言うと酷い事をしてる様に聞こえるかも知れないけど、心配ご無用、ソフィアは割と講師役にノリノリで、『先生』と呼ばれる事に幻想を見ている様だ。


■■■


まず、初年度の魔法学校のカリキュラムを説明しておこう。

今正にこの魔法学校を通して新しい魔法に関する常識を作り広げて行こうとしているので初年度である今年は無理なのだが、後々は入学試験や暮らす分け試験的な事をやって暮らす単位でレベルを合わせて授業内容の効率化を図る予定なのだ。


魔力感知の可否でクラスを分けてしまえれば、非常に教え易い。


逆に全ての基本となる魔法感知が出来てない生徒を取り溢さずに魔力が感知出来る様に集中的に面倒を見て行く事で可能な限りドロップアウトさせない方向だ。


とは言え、何事も限度はあるし、庶民の授業料が国庫から出ている以上、無駄にダラダラ長引かせて党費させるのも良くないから、難しい所ではある。


勿論、貴族の子弟は自費でバカ高い授業料を払って貰う事になってる。


それでも、学園の年間運営費はとても高額で建設費用まで考えると、恐ろしい金額らしい。俺は白金貨以上の金額は基本ピンと来ない脳内フィルターが付いているから大丈夫だけど、一般人なら卒倒するかもね。



授業を開始するに際して、俺達は1つ重要な大前提を見落としていた事に気付いてしまい開始早々に慌てる事となった。


元々、ジェシカも俺もだが、スッカリ自分の周囲が基準となっていて、この世界の水準を忘れてしまってたんだよね。


入学し、最初の授業で黒板に魔力感知のポイントを箇条書きに書いて説明し始めたのだが、ガヤガヤし始めて、問いただしてあ!って思わず声が漏れてしまった。


そう、『幸運な』マッシュ達は孤児院でちゃんと読み書きや簡単な計算程度が出来る様に習っていたが、普通に貧しい家の子や、両親が読み書き出来ない家の子は同様に読み書きが出来ないのだ。


舐めて居た訳じゃないのだが、初っ端から大誤算である。よもやこんな落とし穴が在るとは・・・。


これには授業そっちのけで急遽ジェシカやマッシモ様も含めて緊急会議を行う事なった・・・。


この世界に小学校は無く、まずは読み書きが出来ない者を無くす所から始めるべきだと言う事だ。


そして初年度の今年は最初の半年間で全員に読み書き算数を教える事となった。来年以降に関しては今年の状態(出来映え)を見て要相談ってところだろう。

そして、その初期の読み書きや算数のクラスを初等科とし、そこのクラスの講師は商人ギルドや冒険者ギルドで公募する事とした。


初等科を経た者、元から読み書き算数が出来る者を魔法科に上げて効率良く魔法を教え込む様な感じだ。


何気に俺の周囲って普通に読み書き出来て世間では優秀な者ばかりに囲まれてたんだなぁ~って改めて思ったのだった。



 ◇◇◇◇


何とか半年も掛からずに初年度の入学者全員が初等科をクリアして、魔法科にステップアップ出来た。


ヤル気になった子供らは正味4ヵ月でキッチリと読み書き算数をマスターした。


知識欲と言うか、ハングリー精神が凄いね。


そして魔法科・・・つまり、第一段階である魔力感知だが、先行して鼻息荒かった貴族の子弟が思いっきり躓いてしまっている。


彼らは打たれ弱いと言うか、『石に齧り付いてでも』と言う危機感や気合いが希薄な気がする。


現に4ヵ月先行していたのに、後で合流した初等科経由の庶民が先に魔力感知を会得して先のクラスへとステップアップして行ってる。


そこで俺は

「良いか、お前らには生死を賭けた切羽詰まった物が全く感じられない。

自慢じゃないが、俺は魔法が使えなかったら『、魔の森』で死んでいた。飲み水も食料も無く、周囲は魔物だらけ・・・魔法が無ければ、魔物に食われる前に乾涸らびる。だから日々必死になっていた。焦る必要は無いかも知れないが、気合いを入れて乗り越えて欲しい。」と檄を飛ばしたのだが、どうやら心に届かなかった様だ。


勿論色んな手段を試し、助力を惜しまなかったのだが、不器用なのか、ヤル気の問題か、魔力感知が出来ない者がクラスに残って行った。



そうすると、心が荒んで行ったのか、徐々に庶民出身の生徒への当たりが強くなり、とうとう構内の廊下で擦れ違い様に事件と言うか揉め事は貴族の子弟と庶民の子共間で起きてしまって、結局その貴族の子弟はジェシカによって退学を言い渡されて出禁となってしまったのだった。


可哀想と言えば可哀想なのだが、ジェシカ校長の判定は覆らなかった・・・。

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