第103話 仮の住居へお引っ越し
すみません、投稿予約の日時を間違っておりました。更新が遅くなり申し訳ありません。m(__)m
------------------------------------------------------------------------------------------------
家の建て替え話が出て1週間ぐらいするとあれよあれよと言う感じにアリーシア主動で計画が進んで行き、女性陣全員がキャッキャと楽し気に話をしていて、そんな彼女らと俺を時々交互チラチラ見ながら師匠がニマニマしている。
何と言うか、含みがあると言うか、『何か』を口にだすべきかを迷って居る様な感じと言えば伝わるだろうか?
特に何も反対意見述べないところを見るに恐らくアリーシアが先手を打って既に懐柔しているのか、又はこのプランだか内容にに賛成して居るのだろう。
そう、建て替え計画はほぼ完全に任せっきりだが、一応数少ない要望はポイントとして挙げている。
男風呂と女風呂を個別に作る事と、トイレを多めに作る事、更にキッチンは今後入って来るだろう子供達への実習も考慮して広くする事、そして換気扇とその排気口も付ける事。
現行の換気扇の魔動具は煙自体を魔動具で浄化する様な排気口の要らないポン付け可能な物を使って居るが、アンテナショップで態と匂いを外に撒き散らす為に排気口を必要とする日本にあるのと同じ様な吸排気タイプを開発して取り付けたのだが、これが以外に能力が高く効率良く匂いと煙を排気してぃれるのだ。
なので、新居ではこの吸排気タイプの換気扇をメインとして、従来品(ポン付け可能な浄化型)はサブとして空気清浄機の代わりぐらいの感じで取り付け様かとおもっているのだ。
フード・ストッカーも然りで、魔動具のオーブンや、発酵器、フリーザー、ミート・スライサー等、意外にキッチンで場所を取る機材は多いので、広いに越した事はない。
俺の部屋は今の部屋と同等で十分なので、特に要望は無い。
家の中の女性陣の機嫌が良いと非常に家の中が明るくて和やかな空気になって健やかに過ごせる。
いよいよ仮の住居へと移動する日となった。
『時空間庫』がある俺は当然だが、1人1個マジックバッグを与えて居るので引っ越し荷物の整理と運搬なんか、全く問題が無い。
とは言え、マジックバッグに入れるのも荷物の多い女性陣は一苦労だろうが、俺も子供らも、前夜の段階で殆ど一瞬で終わっている。
長くお世話になったこの家ともお別れである。
アリーシアと共に引っ越して来た日が昨日の様に感じる。思えばこの家に住む人数が大幅に増えた物だ。
若干寂しい気持ちになるが、同じ場所に新しい家と生まれ変わるだけつまり転生する様な物だと思って壁をポンポンと優しく叩いて「今までありがとうな!」と家に別れを告げたのであった。
何か知らないが、敷地の前に竜車が3台も停車していて子供達は始めて竜車に乗るのではしゃいで居る。
「さ、通行の妨げになるので、皆さん早く乗って下さい。さ!トージさんも!」とアリーシアに急かされて、竜車に乗った。
竜車は相変わらず苦手なのだが、ここはマッシモの街の中なので道がキチンとフラットに整備されて固められているので、場外の街道の様なシェイク状態にならないので幾分マシである。
全員が乗車して、出発して10分程すると何故か周囲の景色と言うか、並んで居る店等がドンドンと高級な物ばかり売る所へと代わって行く。
あれ?って思って、「ねぇ、アリーシア、そう言えば任せっきりで聞いて無かったんだけど、俺達の仮の住居って何処にあるの?」と尋ねてみた。
するとアリーシアはニコリと笑って「ええ、ちょと前よりギルドやお店は遠くなりますけど、建築完了までの間はジェシカさんの所の空いてる部屋でお世話にな事になっております。」とサラリと言ってのけた。
「え? それは拙いだろ!?」と俺が慌てて否定すると、いえ、大丈夫です。ジェシカさんの所には男性のスタッフも住み込んで居りますし、対外的にも問題はございません。 とジェシカさんだけでなくラフティさんのお墨付きです。」と微妙な保証を付けて来た。
「それに、それを言うなら、ジェシカさんが毎日の様にトージさんの家に通って居る段階で対外的に手遅れですし・・・。」と初めて知る俺の周囲をビッシリ取り囲んだ爆弾?の存在に気付かされた感じである。
「え?何?対外的に通うだけで駄目なの?」と驚いて聞くと、「まあ、見聞は宜しく無いですね。特に王女殿下ですし。婚約者以外の自宅に入り浸る時点で周囲が察してしまいますので。
そう言う目で見てしまいますね。」と驚きの事実をサラッと告げるアリーシア。
あと、家賃と言うかお礼と言う意味では、ジェシカ邸の調理人に料理を教える事になっているのでチャラらしい。
つまり、アリーシア曰く、既に手遅れだから、今更多少ジェシカ邸に泊まっても同じって事を言いたい様である。
俺は、ここ最近で最大級のショックを受けて茫然自失に暫し固まっていたのだった。
何だろう?当たり屋に当たられた後なし崩し的に丸め込まれて居る様なこの感じ。
まあしょうがない・・・(魔法の修行の意味で)時期的にも丁度良い頃だし、俺はダンジョンアタックを再開して家に居る時間を減らそう。と心に決めるのであった。
到着したジェシカ邸は前に上空からコッソリ覗いた通りのピカピカの住居に豪華で落ち着いた雰囲気の庭園が整備されていて、素晴らしい雰囲気となって居る。
ここがあの数ヶ月前には廃墟だったとはとても思えない変貌ッぷりである。
そして面白いのはその庭園の隅に魔法の訓練様の射撃場の様な無骨な空間がある事である。
門から入った竜車がロータリーの玄関前で次々と停まり、全員が竜車から降りるとジェシカとラフティ、そしてラフティとは違って通常のメイド達がズラリと並んで出迎えてくれた。
「ようこそいらっしゃいました、トージ師匠、そして兄弟弟子の皆様!」と笑顔のジェシカ。
「何か良く知らなかったとは言え、家の完成までの間申し訳無いけど暫くお世話になります。」と頭を下げたのであった。
「ええ、ご滞在中はご自分の家と思って気楽にお過ごし下さいね。なんなら、ズーッとここに住んで頂いても全く問題無いぐらいなので・・・。」と後半の方でゴニュゴニョと呟いていた。
全員で一通り食堂や厨房、風呂にトイレ等を案内して貰った。
外装もそうだが、内装も間取りもあの頃とは全くの別物である。蜘蛛の巣一つ、塵一つ無く、上品に纏められた各所が素晴らしい。
「おい、お前達、大丈夫だと思うけど、迂闊に飾ってある物を触って壊すなよ!!どれもヤバイ価値がありそうだからな!」と子供らに先に釘を刺して置くと、子供らもその価値や価格は判らないのでギクリとして居た。
「まぁ、そんなに縮こまらないで下さいまし。どれも大した物は持って来ておりませんし、お気になさらないで大丈夫ですわよ。」とジェシカがフォローしていたが、どうも言葉通りに受け取りのは危険な香りがする。
さて、調度品は兎も角、素晴らしいと思ったのはg風呂であった。 まあ俺の趣味では無いが、ライオンでは無く、飾りの金のグリフォンの口からお湯が出て来て湯船に注ぎ込んでいる風呂はなかなかに広くて素晴らしい。
おれの心の中で新しい家の風呂も素晴らしい物にしたいと言う願望が湧き上がって来るのであった。
あ!そうそう、ここ
ジェシカ邸のお風呂は基本女性専用の風呂らしく、ここで働く男性スタッフ達は、基本別館のお風呂を利用して居るらしい。
え?男女を隔離してるじゃん!?って事は俺も含んで子供らでも男の子は別個で入る必要あるんじゃないの?って思って聞くと、時間帯で分ければ問題ございませんわ。」とシレッと軽く言っていた。
どうも泥濘を前進して深みに嵌まって行ってる様な気がするのは俺の錯覚だろうか?
まあ、元々俺の家で時間で男女を分けて居たから同じなんだけど、ちょっとスッキリしない。
ジェシカ邸ツアーが終わった後、部屋割となったのだが、俺に宛がわれた部屋が何か異常に豪華で広過ぎてヤバイ。
どう考えても、屋敷の主人用の部屋と言った感じのサイズと調度品なのである。
この屋敷の主人は紛れもなくジェシカ(第一王女殿下)である。
調度品も部屋の、造形的なセンスも女性の部屋と言う風にはそもそも作られていないのだ。 何かおかしいよね?
尤も、この世界の女性の部屋って見た事ないけど、天蓋付きのヒラヒラしたベッドとか、ぬいぐるみや人形とか、ピンクをあしらった何かとか、女性の部屋特有のヒラついた何かとか在りそうなイメージあるじゃん?
そう言うのが無いこの部屋って、つまり男性のご主人?いや、御亭主?を想定してそうじゃん? な!?ヤバイだろ?
それを俺が(初めて)使うって。怖いよね?
そう、無駄に部屋が広くて落ち着かないって言うのも在るが、空いてる空間にテントを建てて置いて中で生活出来るくらいに広いのである。
まあ、ごねても余り意味は無さそうだから文句も言わず、ありがたく使わせて頂く事にしたが、
子供達にも1人1部屋で6畳くらいの広さの部屋らしく、やはり子供らも広過ぎて寂しいらしく、男の子はクリスの部屋に集まったり、女の子は女の子の部屋で集まったりして寂しくな様にしているらしい。
俺も子供達の中に混じりたいかも・・・。
朝からの移動だったので、もう直ぐ昼時である。
アリーシア女性陣と子供らが手伝って全員分(この屋敷のスタッフの分まで)の昼食を作るらしい。
謂わば、引っ越し蕎麦的な感じだろうか?
出来上がった昼食はオーソドックスな和食であったが、この屋敷のスタッフ達にも大変に好評だったらしい。
午後に折角魔法の訓練場があるので、全員を呼んで攻撃魔法の講義を行った。
あと、身を守るのに重要な魔装や、身体強化の方法も含め俺が名付けた『無属性魔法』の有効活用法を含んだフォースフィールド等の紹介をした。
特に防御手段の魔装は命を守る最大の武器にもなるので是非とも日々練習する様に言って、最後に魔弾のイメージ作りの方法やその有効性の説明をすると全員何度か魔弾を撃とうと頑張って居た様だが、スンナリ撃てる者はやはり居なかった。
「最初から無属性の弾と言うと難しいかも知れないから、最初は目で見える石の弾を作る方が良いかも知れない」とアドバイスをしてこの日の訓練を締め括ったのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます