間奏:鴻上紅羽の人生課題

おまけ:もしも中海家に行っていたら

黄金「今年もだね、紅羽」

紅羽「あっ・・・はい」

拓斗「・・・」

黄金「どこがわからないの?教えて?」

紅羽「ここと、ここと・・・」

拓斗「そんなところもわからないのかい?黄金君、この馬鹿でマヌケな鴻上紅羽君の相手は俺がするから。こいつには寝かさない程度の熱々コーヒーを、俺にはアイスコーヒーを淹れてもらえるかな」

黄金「・・・いびり倒さないでくださいよ」

紅羽「ちょっ・・・黄金!やだ!置いていかないで!このクズを!このクズは置いていかないで!回収して!」

拓斗「うるさいな。ほら、見せろ」

紅羽「殺さないでぇ・・・!」

拓斗「・・・こんな計算もわからないかい。これはね、ここをまずこうして」

紅羽「・・・教えてくれるの」

拓斗「お前がいたら黄金君と過ごす時間が短くなるからね。とっとと終わらせて帰れ」

紅羽「あっ・・・はい」


・国語編

拓斗「は〜?なんでこんな計画性もない消化率なんだい。今日中に終わるわけがないだろう」

拓斗「・・・書き取りを先に進めろ。その間に数学、計算式を書いておいてやる」


・数学・・・ではなく、世界史編

拓斗「それは今進めるな!教科書読んだら解ける世界史をやれ!」

拓斗「後、数学は終わったからな。ちゃんと後で意味を考えつつ書き写せ」

紅羽「はやっ」

拓斗「これでも特待生だぞ・・・。次、俺は化学に行く。お前は引き続き世界史な」

紅羽「うぃ〜す」


・英語編

拓斗「なんて貧弱な語彙力なんだ・・・どうしたらこんなにスペルミスを引き起こせるんだ・・・?」

紅羽「トリリンガルの先輩から見たら、日本語すらあやしい俺はやばいかもですね」

拓斗「aとe・・・それからlとrの違いが多いか。まあ単語ぐらい気合で覚えろ」

紅羽「最後の最後で面倒くさくなって根性論をお出しするのやめていただきます?」



・終わりに

紅羽「日が暮れる前に終わった・・・」

拓斗「俺の手にかかればこんなものだ。次はないからな」

紅羽「雪霧先輩って、本当に頭良かったんですね」

拓斗「今すぐ完成した宿題引き裂いてやろうか」


・・・


鴻上紅羽編について


こっちはまっとうに「くれは」読み

紅葉と書いて「あかば」と読む男から五回以内に似たような名前出すのどうなんでしょうね・・・?

(変換が非常に面倒くさいことになったのでよく印象に残っています。紅羽と紅葉が交互に出てくる。両方くれはで変換してたツケですね)

(今は紅羽はくれは、紅葉はもみじで変換しています。そこはあかばじゃないのな)


こちらも前回の鏡夜に引き続き本編が「黄昏時のサンクチュアリ」

今回は鏡夜編で出てきた二人と同じ枠組みにいる二人を出してみました


誰からも「一番」に思われることを半ば諦めていた紅羽は家庭環境が中々にひどい代物です

黄金や藍徒と比べたら両親が揃っている分マシに見せかけてガチのネグレクト

姉夫婦に引き取られるも、二人の心の一番は「病気で亡くなった息子」

黄金と藍徒がいなければ、本作で最初に潰れていたであろう存在です

紅羽自身、無自覚でしたが二人に依存することで自分を保っていましたからね

口数が少ない二人の精神的な支え、ムードメーカーの役割を自分に課し、馬鹿な自分を演じて過ごしていました

・・・高校入学までは平均的な成績でした。二人と同じ高校に通うほどの学力は有りました。ただ、演じることに集中しすぎて本当におバカになっただけです


そんな彼の相方として立つのは黄金でも藍徒でもなく、色々と自分に起きたことを割り切り、飄々としている南雲

彼女は紅羽とは逆で「一番」で有り続けることを強要された存在です

両親から愛されるために、天才である自分を演じ・・・子供らしい気持ちは全て押し殺していきました

結果として、高校入学時に拓斗と雫に負けたことで「初めての敗北」を味わい、自分が凡人であること。三年生になるまでの間で凡人でいいと二人から教えられ、今の南雲が出来上がりました

両親とは成績のことでよく揉めているようで、その件で拓斗と雫を心配させていますが、本人曰く「適当に鳴かせておけばいい」とのことです

けれど流石に「こんなことになるのなら産まなければよかった」と言われたのは堪えたようですね


かつて執着していた両親に対してはもう何も感じていないようで、大学進学を機に独り立ち。雫の助けや奨学金を使って大学へ通っているようです


彼らは真逆ではありますが、互いにまっとうに愛された記憶がないのは共通項

南雲は本編内に上記の爆弾発言を経た後、紅羽に「南雲先輩がいてくれたから」「いなかったら俺死んでるんですけど!?」「南雲先輩は南雲先輩でいいじゃないですか」等、存在を肯定されて続けた結果、陥落しています

それが自分を守るための演技だとしても、彼は三人の心を救ったのにはかわりありません


できれば黄昏時を経た後に投稿したい、紅羽が大学生になった後の話で南雲先輩が可愛いだけのラブコメ「南雲先輩の人生課題」をやりたいんですけど、その前に中海黄金をどうにかしないとですね・・・


本日はここまでにしておきましょう。また次の間奏で!


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