間奏:久守楓のラブレター入ガラス瓶

おまけ1:年上ぶった、数日違いの・・・

楓「・・・なにこれ」

楓「好きな男にラブレター朗読された後で「自分のこと話して」なんて難題、こなせるわけ無い・・・」

楓「むしろ今すぐ穴があったら入りたいし。恥ずかしさで死ねるし・・・」

楓「まあ、うん・・・そうだね。ぎゃーぎゃー文句言ったところで状況は変わらないし、真面目にやろうと思う」

楓「ど、どうも・・・久守楓、です」

楓「・・・宗司とは、その、生まれた日が四日違うだけの、幼馴染です」

楓「私は、三月二十八日産まれ。宗司は四月二日生まれだから」

楓「小さい頃は、近所に住んでいた春ねえと三人でよく遊んでいたの」

楓「宗司が好きになるのもわかる、素敵な人だよ・・・私も、大好きなお姉ちゃんだから」


おまけ2:その後はどうだったんです、宗司さん

楓「なぜ宗司に聞く・・・?」

宗司「ん?ああ。あの後、返事を渡したんだが、めちゃくちゃ泣かれた」

宗司「楓的には、自分が選ばれるとは思っていなかったらしい」

宗司「あの時の俺の周囲には、色々な女の子がいたからな。その中の一人と噂が立ったこともある」

宗司「何もなかったんだけどな・・・」

宗司「楓は、俺が失恋から立ち直った後、その中の一人を好きになっていたと勘違いしていたそうだ」

宗司「俺としてはしばらく恋愛なんてしないほうがマシだと思っていたし・・・何も考えていなかった」

宗司「生徒会に所属したのも、雑務で嫌なことを考えずにいようとしただけだしな」

宗司「・・・いつもどおり、楽しい時間を過ごせていたらと思っていたよ」


宗司「あのゴミ拾いの日から、楓のことはしっかり考えてな」

宗司「思えば、失恋した時もずっとそばにいてくれたのは楓だったし・・・楽しい時間はいつだって楓が作ってくれていたと」

宗司「なんで俺みたいなのをずっと好きでいてくれるのかわからない。けれど、俺の事を好きだと言ってくれる楓」

宗司「・・・俺にはもったいないほどいい女の子だ。きちんと向き合うべき存在である彼女に、きちんと誠意のある返事をさせてもらった」

宗司「そして今に至るというわけだ」

楓「・・・」

宗司「楓、ありがとうな」

楓「べ、別にお礼を言われることはしてないし・・・」

楓「・・・そう面と向かってお礼とか、照れくさいじゃん」


・・・


久守楓編に関して


こちらも別サイトのマラソンお題ですね

確か「漂流物」に沿って作成しました

漂流物といったらやはりボトルメールという甘い連想

それに対して返事を書いて、新たな縁を繋ぐというのが定番の流れですよね

しかし、波の流れでそれが戻ってくるのもまた定番

今回は「きちんと流れたけれども、時を経て帰ってきた」ボトルメールを書いてみました。本人の目の前で朗読するのは流石にヤバいな・・・とは思いましたが、刺激としては十分すぎる威力かな、と思っています


今回の場合は渡るべき人物の元に渡ってくれましたが、これが彼を取り巻く女子生徒の誰か・・・または楓自身が一人で拾っていたら間違いなく処分だったでしょうね


二人の本編は現在、主要要素を別作品に移行して、ちょっとした抜け殻状態になっています

「リアト」という単語は、そう遠くない内に別の短編で見かけることがあるかもしれません・・・単語の響きが好きで流用しましたが、本作ではまた別の力として存在していましたよ

ただ「一年中冬」という舞台設定はそのままで、ラブコメはやりたいなぁとは思っています

彼を取り巻いていた他の三人の女の子、それぞれを選んだラブコメ?

なんなら楓とひたすら遊んでいるだけのイチャイチャラブコメだけでも良さそうですね

書けるかどうかは別問題として!


本作ができた経緯は高校二年生の冬ですね

当時は左足が包帯ぐるぐる巻になっていました。通称「(内出)血のバレンタイン」

靭帯損傷の治療中です

バス停でリア充を避けようとしたら、持っていた自分の傘に引っかかり、転んで(以下略)です。あまりにもマヌケすぎる

バス停に荷物はぶちまけて、買っていたふわふわジャリパンはぺしゃんこジャリパンです。バス停で転んだことよりジャリパンが潰れた事実のほうがしんどかった

病院に行くまでの間、見るからに腫れている足をローファーに無理やり突っ込むわ、体育は参加して片足で卓球するわ・・・と、めちゃくちゃやりすぎですね


松葉杖を使うほどではなかったのですが、当時は足を引きずりながら歩いていました

あの時は雪の日。バス停まで重い荷物を持って向かっている時に「雪国って冬場はほぼ毎日これなんだよなぁ・・・」なんて悠長に思いながら前進していました

それなら年中雪ならどういう苦労があるんだろうなぁ・・・それが、本作が出来上がる思考のきっかけですね


学生時代に色々と苦労?を得て、そして一番暇だった時期。当時とは全く違う物語の中で生きている彼らの本編もまた、今度こそお送りしたいですね


今回の間奏はここまでです。またお会いできるのを楽しみにしています!


















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る