間奏:シルヴィアと魔法旗杖「リュミエール」

おまけ1:軽い登場人物紹介


・シルヴィア・ユージュリアル

通称「しーさん」。自他共に認める天才魔法使いで後に鈴海の創造主と呼ばれることになる「優しい大魔法使い」譲のご先祖様で彼の生まれ変わりポジションとして彼が正しい未来を歩むその瞬間まで、人生を共に過ごしていた。元々性格は陽気で面倒くさいのが嫌いなタイプ。戦争を経てからは親友を殺した罪悪感を抱えていた。魔法以外はからっきしだが、能力を持っていた故に迫害されていた時子をはじめとする住民を救った過去があり、人望はかなりのもの。あの後時子に背中を押される形で友人を作っている。本人曰く「寿命で死んでいないから時子をめちゃくちゃ泣かせた」とのこと


・椎名時子

シルヴィアのマシンガントークを雑に聞き流し、彼と唯一まともな会話ができると噂のお話担当の少女。後に「大魔女様」と呼ばれるほどの魔法の才能を開花し、シルヴィアを公私共に支えていた。彼の死後も妻として鈴海の創造を一部担い、後に第四区域・第五区域と呼ばれる人工エリアは彼女が作り上げたとか、なんとか。淡白な性格で基本的に受け身。自分というものがなかったが、シルヴィアと和義の前では自分を見せていた。最期は七人の子供とその孫たちに看取られて、天寿を全うした。その後、シルヴィアが役目を終えるまでどこにも行かず彼を待ち続けていた。彼と、終を迎える為に


・椎名和義

時子の兄で鈴鳴の行政に関わっていた青年。シルヴィアの性格は苦手にしているけれど、時子を含め、能力者の自分を、同胞を救ってくれたこともあり恩義を感じているし、彼自身のことは好きではある。義弟になってからは普通にお酒を飲める間柄になったらしい。家族から見放された中、唯一一緒に過ごしたのが妹ということもあり、妹の幸せは自分の幸せのように思っている。時子やシルヴィアと比べて能力は弱いが、彼の残した鈴鳴の記録は今もなお、鈴海に残り続けている。能力の詳細は不明だが「保存」の能力だったらしい


おまけ2:好みの女は変わらずに

紅葉「そういや千早」

千早「なにかしら」

紅葉「千早って、鈴海創設時代・・・ざっくり言えば鈴鳴島時代の事も調べたんだろ?」

千早「そうだけど・・・なにか知りたいことでも?」

紅葉「創造主ことシルヴィアってさ、譲の前世でご先祖様なわけじゃん?」

千早「そうね。そう聞いているわ」

紅葉「と、いうことは嫁さんがいたはずだ」

千早「時子さんという方がいたわね」

紅葉「誰似だ?」

千早「それを聞いてどうするのよ」

紅葉「いやぁ、俺としては大社に所属するまで世話になった家の子供の恋路を応援したいわけでして」

千早「気持ちはわかるわ。私としても、早く譲は身を固めたほうが安全だと思うし」

紅葉(日々音を始めとするあぶねえ奴らに日夜問わず貞操狙われてるもんな)

千早「あの子の気持ちも知っているからね。ほら、これが答え」

紅葉「写真・・・じゃなくて、絵か」

千早「鈴鳴島にいた画家が描いた集合写真。この人がシルヴィア」

紅葉「うげ、譲そっくりじゃん・・・で、隣は。ああ、これはこれは」

千早「好みのタイプは、前世も今も一緒らしいわ」

紅葉「黒髪セミロングで貧乳が趣味たぁ・・・業が深いねぇ」


・・・


シルヴィア編に関して


パスカル魔法帝国に生まれ育った彼は語っていないだけで兄が三人、姉が四人います。実は末っ子なんですね

母親は元魔法騎士。任務中に殉職しており、物心付く前には死に別れています

兄と姉は七人とも魔法の才能は平均並か平均以下。もちろん父親も些細な魔法しか使用できません

「魔法が使えないのが当たり前の家庭」

流石にその状況下で魔法の才を明らかにしてしまえば、シルヴィア自身・・・どう思われるか幼いながらに考えていたと思います


そして彼が選んだのは「その才能は腐らせず、隠していく道」

前途多難ですが、魔法学校に入学しまえば、いい師に巡り会えて才能が芽生えたとか多少は言い訳もしやすくなりますので

もっとも、彼が魔法騎士になれるほど強くなれたのは「ライバル」・・・クロードのおかげではあります

彼には負けたくない。一緒に最高峰の魔法使いになりたい

そんな願いを抱え、影で一人訓練に励んでいました


しかし、クロードとの間だけでも隠し事はせず、「天才」のシルヴィアではなくて「努力家」のシルヴィアとして接するべきでした

誰が悪いわけでもありませんが・・・努力を隠す癖がついていたのも、一因ではありますね

魔法騎士に選ばれたのはシルヴィアただ一人

革命戦争が起きたのは、シルヴィアもクロードも預かり知らぬ別の理由ですが・・・

魔法騎士を夢見ていた彼が、夢を叶えられなかった

天才には勝てない。魔法の才能が全てを語る

・・・そんな世界はおかしい

それが、クロードが敵対してしまう一因です。詳細は後に投稿予定のクロード編で彼の心境もお話できればと思います


本作の流れの通り、シルヴィアは「天才ゆえ」にクロードとその家族を殺しています。天才と彼が言い続けるのは自分への戒めです

「天才だから、数多の人間の人生を狂わせた」

そのことを、忘れないように


シルヴィアが生前愛用にしていた魔法旗杖「リュミエール」は椎名家の家宝として受け継がれ、今は譲の武器として手元にあったりします

全体的に白と金装飾だけ。中央にはめ込まれているのは空色の魔法石のようです


また、彼の妻・・・譲のご先祖として時子が名を連ねることになります

しかし、おまけでシルヴィアが寿命で死んだわけではないと情報を出してしまいました。せっかくなので彼の死因までお話しましょうか


自分の才能で世界を壊した彼が次に願ったのは、世界を作り変えること

誰かの願いと自分がもつ魔力全てを糧に、世界を書き換える機械を作り出しました

そして出来上がった「世界構成」の初動で彼は

「魔法や特殊能力が当たり前に存在している世界」を作り上げました

同時に「世界構成の起動キーの選定として、自分の生まれ変わりを判別する」機能をつけて完成。

魔力を練り上げる核まで世界構成に奪われた彼は、魔力の回復が出来ずに・・・最終的には魔力欠乏症で死亡しています

傍からみたら病死に近いですね。時子も病死として受け入れています


そして時が経ち・・・残されたのは世界構成のシステムのみ

書き換えられた世界は再起動し、本来とは異なる線を歩み始めました

そして鍵は代々椎名家に生まれ・・・シルヴィアと同じ、青髪と紫の目を持つ存在が世界構成の「鍵」として認識されるようになりましたとさ


その鍵もまたそう遠くないうちに会えると思います

彼が青から白になった理由は・・・観測記録のほうで取り扱っています

近いうちにそちらも持ってこないとですね

それではまた次回!お会いできれば嬉しいです

















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