食べたいな
まただ。
暗闇の中で、視線を感じて瞼を空ける。
「…………」
お姉ちゃんが、ベッドの横に座っていた。
座って、ジッとボクを見ている。
「可愛い」
ぷに、ぷに。
指で頬を突かれる。
お姉ちゃんは、ボクの頬を優しくつねったり、指でグリグリと押したりするのが好きなようだった。
起きている時にも、ちょくちょく同じことをしてくるけど。
寝ている間は、ずっとだった。
「リクくんは、お姉ちゃんが好き?」
ボクは寝たフリをして、答えない。
お姉ちゃんだって、寝ていると思って聞いてるんだろう。
もちろん、嫌いなわけはなかった。
変な所があるけど、やっぱり優しくて、不思議な雰囲気がある所には惹かれてしまう。
「ぷに、ぷに」
唇を摘ままれ、ボクは頬が引き攣るのを我慢した。
「――食べたいなぁ」
なんてことを言いながら、お姉ちゃんはずっと顔を弄ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます