第15話
自分が今、とんでもない状況に置かれていることに……。
――あれからどれぐらいの時が流れただろうか。
もう時間の感覚すらもよくわからない。……ああ、ご主人に会いたい。
そう強く願ったその時、奇跡が起こった。
なんとご主人が現れたのである。
ご主人、会いたかったよー!! 吾輩は嬉しさのあまり飛びついた。
だが、どうやら様子がおかしい。
どうしたんだろう? いつもなら優しく撫でてくれるはずなのに、今日に限って何故か逃げられてしまう。
――なぜだ? 吾輩は不思議に思いながらも何度も追いかけてみたのだが、その度に上手くかわされてしまう。……いったいどういうことなのだろうか? 吾輩は困惑した。……しかし、すぐにその理由を理解することになる。
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