第3話 友人、友情

現在のステータス

職業:なし

レベル:300

魔力:900

筋力:1000

防御力:2000

俊敏:2500

運:5000

スキル

《アイテムボックス》


「霧隠優也です。よろしくお願いします」

「「……………………」」

「おーい、お前ら、ラグってるぞ~!」

(イケメン)

(なにあれ)

(人間?)

先生が手をパンパンと叩き、


「おいおい、ここまでか~」


と声を漏らす。


「霧隠はあの席に座ってくれ」


先生に言われた席は窓側の一番後ろ。

その時、ウィンドウが開いた。


《限界突破》

を習得しました。


限界突破、アニメとかなら大きな負担がかかる分、大きな力を得る、みたいなのだがこれも同じだろう。たまにいきなり現れるのだ。この画面は。


「一時間目は体育だ、急いで着替えろよ~」


更衣室に移動し、買ったばっかりの体操服に腕を通す。


「すんげぇ筋肉……」

「?」

「あ、わりぃ、いい筋肉してんなぁと思ってよ」

「君は……」

「俺は鎌倉大樹、よろしくな」

「ああ、よろしく」


今日の授業はサッカー。何でも、近々他の学校との交流試合があるそう。


男子対女子って、戦力差大きくない?

と思っていたのだが――。


「ぐわああああ!!!!」

「助けてくれえええええ!!!!」

「止めろ!止めろ!!!!」


女子が強すぎる。身体能力どうなってんだ。男子が吹き飛ばされてるぞ。


「セイッ!!」


女子のシュート――。

それはキーパーを吹き飛ばして、ゴールに突き刺さった。


こっちからのボール――。


「大樹、ちょっと俺にボールを回してくれ」

「いいけど……何する気だ?」

「ちょっと、な」

「……わかった、頼むぞ」

「任せて」


女子側では


「男子を完封するよ!」

「ええ!」


美人しかいないのに何てこと言ってんだよ……。


ピーッ!


ホイッスルと共に、大樹が俺にボールを送る。


「ボール貰うよ!転校生君!」


ザッ……


球を上にあげて回避。

そして更に高く上げる。


「なっ……」

「戻って、みんな戻って!」


女子がゴール前に集まる。


「おい、無理だ!あれじゃ……」

「まあ、任せといて、……ハアッ……!」


落下してきたボールをゴールに向けてシュート。

それはキーパーが手で防ぐ……しかし止めきれなかったボールが、またコッチに。


ダイレクトシュート


二連、三連、四連、五連、六連、七連、八連、九連、十連、十一連、十二連、十三連十四連、十五連。

十六連。


必死にボールを止めようとする女子が全員倒れ、ゴールが開く。


「ラスト」


十七連。


十七連式・機関掃射蹴撃ジュウナナレンシキ・マシンガンブラスト


その一発は、ゴールを貫いた。


「すげえぞ優也!」

「よくやった!」

「ありがとう!」


男子の歓声。


女子からのボール。


奪いっとって――。

コートの半分。


「ここから撃つよ」

「え⁉」

「流石に無理だろ!」

「いや、行けるよ」


と言っても、ただ蹴るわけじゃない。


先代たちの技をトレース。


隠・錬・気・解


4つを同時発動。


錬で闘気を爆破的に増大。

隠でそれを隠す。

解で空気を斬り、空気抵抗をゼロに。

気で闘気を足に集めて、螺旋状に。紫電と風が足を覆う。

しかしみんなには何も見えていない。


「セ、……ァアアアアアアアアアア!!!!」


勇者の突撃ブレイブストライカー


見えない竜の形の闘気がボールを覆い、荒れ狂う。

そのままゴールに突き進む。


「なに、このシュート……ボールが、暴れて……!」


キーパーを吹き飛ばし、ゴールに突き刺さる


「「「「いよっしゃあああああ!!!!!!!!」」」


これが新しい学園生活の、始まりである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る