第8話

「ありがとうございます!それでこそ我が社の社員です!これからよろしくお願いします!」

こうして僕は監督になった。

その日の夜、僕は早速シナリオを読んでみた。

内容はよくあるようなMMORPGだが奥が深いしそれにいろんな戦国から三国志からの英雄を実体験する。エピソードとかも凄い面白い。

流石だなと感心した。

しかし、一つだけ引っかかることがある。

まあ、いいか

。明日からは忙しくなってゲームどころじゃなくなるかもしれないけど、それでも僕は諦めずにやり遂げようと心に決めた。

翌日、僕はいつものように仕事に向かった。

すると、そこには社長がいた。

「おはようございます」

机について

パソコンをカタカタと操作する。

ゲームの画面を出す。

システムを構築する画面を出す。

入力を開始した。

そして1日が終わった。

次の日も同じように仕事をしていた。

すると突然電話が来た。

「もしもし」

『あーもしもし?』

「どちら様ですか?」

『あっ、すみません。わたしく…………でして』

「すみませんもう一度言ってくれませんか?」

『すみません!私の名前は桜川です!以後お見知りおきを!』

「あぁ!はい。で、なんでしたっけ?」

『あの!いきなりで申し訳ないのですが、今度、私が所属している事務所にきてくれませんか!一応、挨拶しておかないとと思って……』

「はい!大丈夫ですよ」

そう言うと相手は喜びながら感謝の言葉を並べて、また明日会おうと言ってきた。

僕は、はい、また明日といって通話を切った。

そして、僕は仕事に戻った。

明日のスケジュールに桜川に会うを追加した。

それから数日後、ついにアフレコの日がやってきた。

僕は緊張してなかなか寝れなかった。

そして、当日。

僕は車で向かう。

車の中で僕は今日の台本を見ていた。

今日は5人くらい出演するらしい。

僕は、どんな人がくるのか楽しみだった。

そして、現場についた。

僕は車を降りて現場へと向かっていった。

中に入るとそこはスタジオだった。

出演者の声優と顔を合わせ

僕は監督初仕事である。

緊張しか無いんだがー!

まあ、やったるでー

! やる気満々な僕であった。

収録が始まった。

5人のうち4人は有名な方達だった。

一人目は女性声優で名前は花咲りんさん。

2人目は男性声優で名前は新山響也さん。

3人目は女性声優で名前は神坂葵さん。

4人目は女性声優で名前が白雪ほむらさん。

そして、最後の一人は新人声優で名前を橘ひかりさんと言う。

最初は僕が指示を出して声優さんが声を当てていくという形なのだが、僕は監督だけどまだ素人なので心配だな。

「じゃあここいってみましょうか」

と、僕は声優さんに指示を出す。

「はい!」

と、元気よく返事をする。

そして、

「ここでこのセリフを言ってください」

「はい!」

そして、その通りに動いていく。

「はいOKです!」

「お疲れさまでした!」

と、スタッフの方達が言っている。

皆が帰って行くなか、僕は帰らなかった。

そして、残ったのは僕ともう1人自分の演技に納得がいってない『彼女』だった。

「どうしました?」

と、聞くと彼女はこう言った。

「このキャラの気持ちになって考えたんですけど、なんか違う気がするんですよね……」

「なにが違うんでしょうか?」

「それはですね……ごめんなさい。やっぱりなんでもないです」

と言ったきり黙ってしまった。

「そうですか?ではお気をつけてお帰り下さい。おつかれさまでした〜」

「はい!お疲れ様でした!!」

こうして彼女の初めてのアフレコは終わったのだった。

彼女が帰った後、僕は少し考えていた。

「あの子は一体何を伝えようとしていたんだろう……。でも、まあいいか。今は、とにかく進めよう」

こうして僕の初の仕事は幕を閉じた。

あれから数日が経った。

僕は、オンラインゲームをやっていた。

例のオンラインゲームである。

今回は

三国志を実体験でやることにした。

僕は『呂布奉先』で登録したのだ。

・呂布奉先が主役である。

・オンラインゲームである。

・バトルロワイヤル形式のゲームである。

これが主なルールだ。

さて、そろそろ始めますか。

僕は開始ボタンを押してゲームを始める。

そして、ゲームが始まった。

始まった瞬間、目の前には一人の男が立っていた。

「お前が俺の最初の獲物か」

と、男は言い出した。

僕は答える。

「そうだよ。君は誰だい?」

「俺は『呂伯奢』だ!よろしくな!」

と、彼は答えた。

そして、戦いが始まる。

武器は剣と盾を使うようだ。

そして、彼が攻撃を仕掛けてくる。

僕はそれをかわす。

そして、反撃に転じる。

一撃を与える。

しかし、あまり効いていない様子だ。

今度はこちらから攻撃する。

二撃与える。

すると、相手は吹っ飛んでいった。

「ぐはぁっ!やるな!だが、まだまだこれからだぞ」

と、相手が言う。

そして、再び戦闘が開始される。

僕は、相手の攻撃を上手くかわし、そして、隙をついて切り込む。

そんな攻防を10分くらい繰り返していた。

そして、決着がついた。

「くそぉ!負けちまったぜ。お前強いなぁ……名前聞いてなかったなそういや

俺は、呂伯奢」

「俺は呂布奉先だ」

「ほう、じゃあ、呂布さんよ次は絶対に勝つからな!覚えておけよ!」

「ああ!また会おう!それまで首を洗って待っていろ」

こうして2人の勝負は幕を下ろした。

月曜日、監督としての仕事開始。

今回は台本に誤字がないかのチェックと声優さんとの台詞の間違いとかこれを使っていこうというやつを行なった。

そして、火曜日、水曜日、木曜日も同じように行なった。

そして、金曜日になった。

今日はアフレコだ。

まずは、僕が指示を出していく。

そして、声をあてていく。

そのようにして収録は進んでいき、アフレコは終了した。

アフレコ終了後、僕は一人の少女に声をかけられた。

「あの、すみません」

「はい?」

「あの、私の演技大丈夫でしたか?」

「はい。問題ありませんでしたよ」

と、返す。

「あ、ありがとうございます……あの、この後食事でもどうですか?」

食事かあ。いいな。

「わかりました。行きましょうか」

僕は、彼女に案内されるがままについていった。

レストランへと着いた。

席へとつく。

「好きなものを頼んでください」

と、彼女は僕に言う。

「あ、はい。えっと……」

メニュー表を開く。

どれにしようかな? 悩んだ結果ハンバーグセットにすることにした。

注文をして料理が来るまで雑談をした。

そして、話しているうちにお互いの趣味の話となった。

彼女は、アニメが好きらしい。

僕は漫画とラノベが好きだと答えた。

そして、お互いの好きな作品を教えあったりしていたらあっという間に時間が過ぎていった。

そして、帰る時間となり、会計を済ませて僕らは別れた。

次の日、僕は仕事へと向かった。

今回は、ゲームのバグデータが無いかどうかのチェックだ。

カタカタとパソコンを操作する。

1日中ずっと作業を行なっていた。そして、夜になり、家に帰ってからもまた作業をした。

寝る時間は午前3時だった。

僕は起きてからすぐに仕事場へと向かう。

それから、1週間ほどこのような日々が続いた。

そんなある日のこと、僕の元に一本の電話がかかってきた。

それは、僕が担当している声優の桜川からのものだった。

『おはようございます!』

「はい、おはようございます」

『あのですねー今度一緒にご飯食べに行きましょうよ』

「はい、良いですよ」

『やった!では、今週の土曜日でどうでしょう?』

「いいですね」

『では、決まりですね。場所はどこにしますか?』

「う〜ん。そうですね〜」

『私はどこでも構いませんよ』

「そうですか?では……○○の辺りでどうですか?」

『了解です!では、土曜日の朝9時に〇〇集合でお願いします』

「はい、分かりました。では、当日よろしくお願いします」

そう言って電話を切った。

そして、ついに約束の日の前日。

明日は、アフレコがある。

だから、今日中に終わらせないといけないんだ。

よし、頑張るか!そう思いながら、仕事をしていった。

そして、時刻は午後6時半を過ぎた頃だった。あと少しで終わりそうなところまできているのだが、どうしてもわからない箇所があった。そこをどのように表現すれば良いのかが分からず悩んでいたのだ。

「ここの部分が分からないんだよなぁ……」

と、僕は呟いていた。

「どこが分からないんですか?」

と、後ろから声が聞こえてきた。僕は振り返るとそこには彼女が居た。

「あぁ、桜川さんですか。このシーンなんですよね」

と、僕は指をさす。

「ああ、この部分ですね。ここは、こうやってセリフを言うのが良いと思いますよ!」

「な、なるほど……。やってみます!」

「頑張ってください!」

「はい!」

そして、僕は言われた通りにやってみるとすんなり

イメージ通りになった。これは桜川さんのお陰だな。

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アンダーワールドストーリー~英雄はそこに居る~ みなと劉 @minatoryu

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