第6話

僕はこの世界で生きるために必死になって強くなってきたんだ。負けるはずがない!それに、この世界では絶対に誰も傷つけたくないんだ。

「輝久君、あいつは私に任せて、輝久君はあの白いローブの女の人を倒す事に専念して」

「了解!」

僕と結衣は2人に分かれ、それぞれの目的のために行動を開始した。

「私は、あんたみたいな卑怯者が一番嫌い!消えなさい!」

「小娘に何ができる!貴様もまとめて始末してくれるわ!」

「私を舐めないで!私は輝久君を守るためにここにいるの!あなたのようなクズには負けない!」

「私も輝久君を守る!輝久君を傷つけようとする奴は許さない!」

「さあ、来い!雑魚共が!」

僕は真菜ちゃんの指示通り、もう一人のフードを被った女の人を探そうとしたが、なぜか見つからなかった。

「どこ行った?まさか逃げたか……?」

そう思った矢先、僕の目の前から急に現れた。しかもナイフを持っている これはやばいと思った瞬間、僕に向かってきたナイフの攻撃を防いだ人物がいた。

「輝久君大丈夫!?」

結衣が間一髪のところで助けてくれた。「ありがとう!」

僕はすぐに銃を構えるが、さっきの男がこちらに向けて銃を放ってきた

「邪魔をするな!」

僕はなんとか避けて銃を放つが、相手は僕の攻撃を避ける

「お前は後回しだ」

まずはさっきの男だ

「させるかよ!」

そう言う男は、織田信長が放った炎で焼かれて消えた やった、とりあえず今は1対1だ

「輝久君、気をつけて、こいつ強いよ」

「うん、でも僕が勝つよ」

「輝久君が負けるわけないよ」

「そうだね、頑張ろう!」

「いくよ!」

僕と結衣は同時に走り出した。

結衣は刀を振り下ろすが、相手は避けるだけで攻撃してこない。

「どうして攻撃しないの!」

「君たちと戦うつもりはないのよ」

「じゃあなんで僕の前に現れたの!」

「それはね、私が君の敵だから」

「えっ?」

「私は君の敵、つまり君の味方でもある」

「意味がわからない」

「簡単に言えば、私の計画に必要なのよ」

「そんなことさせない!輝久君は渡さない!」

「それを決めるのは君じゃない」

「そんなのわかってるけど……」

「もう、めんどくさいわね。とにかく、私の計画は誰にも止められない。邪魔するなら殺すしかないわ」

「輝久君逃げて!」

「逃がすと思う?」

「逃げるもん!」

「なら追いかけるまで」

僕が振り返ると、すでに目の前にいた。

「うわっ!?」

「遅い」

「うぅ……」

「輝久君!!」

「あらら、今の一撃で倒れちゃった」

「よくも輝久君を!!」

「次はあなたの番だね」

「そんなの決まってるでしょ!!」

「かかってきなさい」

「言われなくても!!」

それから、僕と結衣はひたすら戦った。

僕は何度も殴られたり蹴られたり、それでも負けじと相手にダメージを与えた。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

「どうしたの?息上がってるよ」

「うるさい!!」

「まあ、そろそろいいかしら」

「えっ……?」

その瞬間、相手の女は結衣の心臓にナイフを突き刺した。

「ぐふっ……ごほっ……げほぉおおお!!」

「結衣ぃいいいいいい!!」

「あーあ、やっぱり弱いわね」

「結衣!しっかりしろ!!」

「て……輝久君」

「喋っちゃダメだ!」

「お願いがあるの」

「なんだ!」

「キスして欲しい」

「わかった!」

「ん……」

「えへへ♡」

「これでいいのか?」

「ありがと」

「なんだよ!もっと生きたいこと言ってくれてもいいじゃん!」

「だって……輝久君と一緒に居たかったんだもん」

「これからも一緒に居るじゃないか」

「違うの……本当のことを言っただけ」

「なんだよ……嘘つき」

「輝久君、大好きだよ」

「僕も好きだよ」

「嬉しいな」

「結衣?」

「私、本当は輝久君より先に死んじゃう運命だったんだ。でも、輝久君のおかげで少しだけど未来を変えれたよ」

「どういうこと?」

「輝久君、私を救ってくれてありがとう」

「待て!お前ら俺を忘れるな!!」

織田信長がいう。

「信長さん、ありがとう。この世界を作ってくれて」

「おい、まだ死ぬのは早いぞ」

「輝久君、私がいないからって浮気しちゃだめだよ」

「当たり前だろ!」

「私、輝久君の彼女になれて本当に幸せだったよ」

「結衣!結衣!目を開けてくれ!結衣!」

結衣はログアウトした。

実際の死でないのは分かってる。結衣はゲームからログオフしただけである。「お前のせいだ!お前のせいで結衣が死んだ!」

「俺は関係ない。このイベントは俺が考えた。それに、あいつも自分の意志で死んだはずだ」

「黙れ!僕は絶対に許さない!必ずお前を殺してやる!」

「そうか、せいぜい頑張るがいい」

「結衣、仇は必ず取るからね」

僕がそう言うと、信長は消えていった。

現実世界へ1度帰還する。

結衣と電話する。

「もしもし」

「結衣、今日はありがとうな加勢してくれてログアウトさせてしまうことにはなってしまったけど……」

「いいよ輝久くん。イベント頑張ってね……いまの輝久くんのレイドイベント終わるまではわたしは参加権無くなってしまったから次のイベントでまた再会しよう!次はもしかしたら敵からもしれないけどね!」

「うん、約束するよ」

「じゃあ、私は帰るね!」

「気をつけて帰ってね」

「うん、バイバーイ!」

「うん、ばいばい」

結衣との通話を終えた後、すぐにログインして織田信長を探したが、織田信長の姿はどこにもなかった。

そして僕は再び戦いの場に戻った。

「輝久君、いや、伊達政宗様おかえり」

「ただいま。織田信長はどこに行った?」

「さあね、それより政宗様、食事にしましょうか」

「そうだね、腹減ったよ」

「じゃあ行きますよ!」

僕たちは、みんなでお城に向かった。

城の中に入ると、そこには豪華な料理が用意されていた。

僕と真菜ちゃんは、椅子に座って食事をしていた。

すると、一人の男が入ってきた。

「貴様が伊達政宗だな?」

「はい、僕が伊達政宗ですが……」

「お前が殺したいほど憎んでいる織田信長は、今頃どこかでのうのうと生きているだろう。だが、安心するがいい。私が奴を殺す」

「あなたは何者ですか?」

「私は徳川家康、いずれ天下を取る男だ。よろしく頼むよ、伊達政宗君」

「はい、こちらこそ」

「では、失礼する」

家康と名乗る男は去っていった。

「あの人誰なんでしょうか」

「わからないけど、なんか嫌な感じだね」

「輝久君、大丈夫?」

「もちろん、結衣の仇は絶対討つ」

それから、僕は食事を楽しんだ。

しばらくすると、他の武将たちも集まってきた。

織田信長は相変わらず姿を見せない。

真菜ちゃんのところには、前田慶次が来た。

僕はというと……

なぜか男に言い寄られていた。

「政宗様は可愛いね」

「あの……男ですけど」

「そんなの知ってるよ」

「僕は男なので、そういうのはちょっと……」

「僕は女の子にしか興味がないんだ」

「なら、どうして僕に?」

「いやー一目惚れと言うやつ」

「是非とも君を守らせて欲しいそして打倒織田信長だ。」

この人は大丈夫だと悟った。いままで僕に言いよってきた人は僕の身体目当てが多かったからだ。でも、この人にそんな下心はない気がした。

翌日、イベント再会

『さあ、イベント再会でございます!1ヶ月目の終了。2ヶ月目開始でございます。現在ログアウト(このvr世界では死を表す)は55名!伊達政宗討伐プレイヤー総勢245名

伊達政宗側は浦佐後秀明(結衣のキャラ)のみがログアウトという結果でした。

では、今回も開始!』

僕たちのイベントが始まった。

僕がまず向かった場所は、武田信玄の元である。

「こんにちは」

「おお、お前が伊達政宗か?」

「はい、そうですよ」

「ワシは武田信玄、よろしくな」

「はい、こちらこそ」

「ところで、なぜここに来た?」

「実はですね、織田信長を殺そうと思っているんです」

「ほう、なんでかな?」

「このイベントとは別件のイベントを建てた輩でございます。本来なら織田信長を討伐して別件イベントは週末を迎えます。ですが彼は歴史の外へ出るイベントを作っただから討伐するのです」

「うむ……ならばそちに協力しよう

武田信玄はいまからお主!伊達政宗とともに織田信長討伐を協力するぞ」

武田信玄が仲間に加わりました。

「信玄さん、織田信長はどこにいますかね」

「それはワシにもわからん、だが探す方法を知っている」

「どんな方法でしょう」

「この世界のどこかにダンジョンがある、そこにいるであろう織田信長を見つけ出せれば勝利だ」

「わかりました!ありがとうございます」

「うむ、ではいくぞ」

「はい!」

僕と武田信玄は、まずダンジョンを探すことにした。

しかし、なかなか見つからない。

「信玄さん、見つかりませんね」

「ああ、どうしたものか」

すると、後ろから誰かが走ってくる音が聞こえた。

「いたぁあ!!伊達政宗ぇえ!!」

その声の主は、前田利家だった。

「利家か、久しぶりだな」

「伊達政宗!俺と勝負しろ!」

はあ、いろいろと面倒やつが出てきたぞ。毎回毎回出てきてわ

勝負、勝負といって僕を悩ませるんだからこの人は……。

「悪いな、今は忙しいからまた今度な」

「逃げるのか!」

「逃げないよ、お前を倒すのは俺じゃないからな」

「なんだよそれ!」

「まあまあ落ち着け、お前も一緒に信長探し手伝うか?」

「あ?誰がお前らなんかと一緒に!」

「そうか、じゃあ邪魔しないでくれ」

「おい待てよ!」

「なんだ、まだ何かあるのか?」

「いや、なんでもない……」

「じゃあいくぞ」

「はい」

「はい……」

こうして、また一人織田信長討伐の協力者が増えた。

そして、織田信長を探しながら、伊達政宗はレベル上げをしていた。

伊達政宗のレベルは20になっていた。

「よし、これで終わりっと!」

「お疲れ様です」

「うん、ありがと」

この先がすこし明るくなっているな。「政宗様、少し先に光が見えますよ」

「本当だ、行ってみよう」

「はい」

僕たちは先に進んだ。

するとそこには、大きな扉があった。

「この中に入ってみる?」

「はい、入ってみましょう」

僕たちは、恐る恐る中に足を踏み入れた。

するとそこには、一人の男が立っていた。

「我は金色童子!織田信長様より貴様を倒すために作られた者よ!」

こんなんまで作り出すのかよあいつは、どんだけ暇なんだよ。

「金色の鎧ってことは、金太郎?」

「そうだ!貴様に倒せるかな?」

「やってみなきゃわからないだろ?」

「では行くぞ!はっ!」

僕は一瞬で間合いを詰め、攻撃をした。

すると、僕の刀は弾かれた。

「ぐぬぅ……貴様やるではないか」

「そっちこそね」

「今度はこっちの番だ!」

金色の鬼は、僕の首を狙って攻撃を仕掛けてきた。

それを僕は、紙一重でかわしながらカウンターを入れ続けた。

「はあっ……はあっ……なぜ……何故……当たらない……」

「そんなに遅い攻撃当たるわけがない」

「この野郎……」

「さようなら、金色」

僕は金色の首を斬り落とした。

「ふぅ……」

よし、これでやっと1歩前進だ。

僕は奥にある階段に向かった。

「ちょっと政宗様!どこに行かれるのですか!?」

「大丈夫だよ、ちゃんとお城に帰るからさ」

「ならいいんですけどね」

僕と伊達政宗がイベント再会を果たした時 その頃、織田信長は

「おお!これは面白いことになっているじゃないか」

『さあ!皆さんご覧下さい!織田信長が再び現れました。

さあ、では1度織田信長さんにお話をお聞きしたと思いまーす!』

「……ほう俺と話したいとな?運営よ」

『はい!織田信長さんイベント企画お疲れ様でーす!

楽しんでますか?」

「愚問だな!楽しくはあるぞ……なんせ

伊達政宗がなかなかに強いからな……俺も金色童子を使わなければならないほどに追い詰められていたしな」

(ふーん、そう思ってくれてるのか……。)

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