■■
■■は人の形をしていた。
「…」
■■は英雄だった。
遥か遠くの昔、欲に狂った神の侵攻を防いだ世界の頂点たる七柱のうちの一柱。
ひとつの時間を支配し、神の領域に足を踏み入れし者。
「…暇」
■■は退屈だった。
強大すぎる力ゆえに満足に死にゆくことすらできず、何千万年も独り、形ある魂として漂い続けた。
「…生き物?
太陽も、月もないこの空間で、■■は一人のダークエルフを見つけた。
「殺さなきゃ」
■■は、口を歪ませて呟いた。
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